蟹瀬誠一コラム「世界の風を感じて」

蟹瀬誠一(かにせ・せいいち)

国際ジャーナリスト/明治大学国際日本学部教授
(株)アバージェンス取締役
(株)ケイアソシエイツ副社長
1950年石川県生まれ。上智大学文学部新聞学科卒業後、米AP通信社記者、仏AFP通信社記者、米TIME誌特派員を経て、91年にTBS『報道特集』キャスターとして日本のテレビ報道界に転身。東欧、ベトナム、ロシア情勢など海外ニュース中心に取材・リポート。国際政治・経済・文化に詳しい。現在は『リーダー&イノベーション・賢者の選択』(日経CNBC,サンテレビ、BS-12)、『マネーの羅針盤』(テレビ東京)のメインキャスター。カンボジアに小学校を建設するボランティア活動や環境NPO理事としても活躍。
2008年より2013年3月まで明治大学国際日本学部長。
趣味は、読書、美術鑑賞、ゴルフ、テニス、スキューバ・ダイビングなど。


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葬祭業の近代化で一躍時の人

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久しぶりに台湾の首都台北へ飛んだ。ある起業家に会うためである。その人物とは龍巌株式会社会長デビッド・リー。台湾の葬祭業に革新的な変化を起こし経済誌フォーブスアジア版の表紙も飾ったことのある大富豪である。

訪れたのは市内から車で30分ほど離れた小高い丘の上に立つ龍巌の新社屋。満面の笑顔で私を迎えてくれたリー氏は55歳とは思えぬガッチリとした体格で、その瞳からは起業家らしい信念の強さが読み取れた。

リー氏の実家は日本企業と合弁で電子部品を製造しており、エンジニアだったリー氏は家業を継ぐ一方、知人から譲り受けた約60ヘクタールの霊園を経営することになったという。1992年のことである。

「最初は乗り気ではありませんでした。しかし台湾の葬儀があまりにも混沌としていたので思い切って近代化しようと決意しました」とリー氏。

数多くの宗教が混在する台湾では葬儀も千差万別。地域によって葬儀の仕方もばらばらだ。なかには肌も露わなショーガールが登場して歌やダンスを披露するものまであるという。そこでリー氏が注目したのは、故人を偲んでしめやかに行う日本式の葬儀。「日本を訪れた際に葬儀を見る機会があり、素晴らしいと思いました」と彼はいう。

もちろん日本式をそのまま台湾に持ち込むだけでは成功しない。彼はさっそく民俗学の専門家を顧問に雇い、台湾で受け入れられる日本的葬儀ビジネスモデルを徹底的に研究した。そして葬祭をサービス業と位置付け、葬儀方式を合理化するとともにスタッフ教育も標準化。

日本の同業大手のサン・ライフと提携し遺体を清める湯灌(ゆかん)も導入した。日本映画『おくりびと』のサウンドトラックが台湾で発売された際には単独スポンサーになったという力の入れ具合だ。

台湾の近代化に伴い伝統的な土葬が姿を消し火葬が主流になったことも龍巌に幸いした。墓地よりも納骨堂の需要が拡大したからだ。それまで台湾にはなかった前払いの生前契約方式を97年に導入。手に入れた資金を20万~30万柱収容できる高さ100メートルの豪華な納骨堂の建設に投入した。

それだけではない。著名な芸術家や日本の皇室御用達の大倉陶園と提携して芸術性の高い骨壷も販売している。つまり同業者との徹底的な差別化を行ったのである。「質の高い葬儀と最高の霊園を造りたかった」とリー氏はいう。

その目論見は見事に当たり、2013年には従業員約500人、資産総額8億5000万ドルでフォーブス誌アジアの富豪50人の仲間入りをしているから凄い。強引な土地買収などで批判されたこともあったが、台北地区の貧しい人々のために無償で葬儀や納骨墓苑を提供し、東日本大震災など大災害への義援金も積極的に拠出していることは評価されている。

これからは進出国の文化に敬意を払いながら「世界一の葬祭業を目指したい」とリー氏の鼻息は荒い。日本の企業家にも見習ってもらいたいバイタリティだ。

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