蟹瀬誠一コラム「世界の風を感じて」

蟹瀬誠一(かにせ・せいいち)

国際ジャーナリスト/明治大学国際日本学部教授
(株)アバージェンス取締役
(株)ケイアソシエイツ副社長
1950年石川県生まれ。上智大学文学部新聞学科卒業後、米AP通信社記者、仏AFP通信社記者、米TIME誌特派員を経て、91年にTBS『報道特集』キャスターとして日本のテレビ報道界に転身。東欧、ベトナム、ロシア情勢など海外ニュース中心に取材・リポート。国際政治・経済・文化に詳しい。現在は『リーダー&イノベーション・賢者の選択』(日経CNBC,サンテレビ、BS-12)、『マネーの羅針盤』(テレビ東京)のメインキャスター。カンボジアに小学校を建設するボランティア活動や環境NPO理事としても活躍。
2008年より2013年3月まで明治大学国際日本学部長。
趣味は、読書、美術鑑賞、ゴルフ、テニス、スキューバ・ダイビングなど。


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厄介な発言者であるIMFと米国の関係

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「経済学は進歩して、ようやく過去のことが少しわかるようになりました」

そう話した経済学者がいたが、こんな正直者は少ない。世の東西を問わず学者や専門家と呼ばれる輩は平気で当たりもしない経済予測をする。外れても平気の平左で「状況が変わった」で済ませてしまうから始末が悪い。

その最たるものが国際通貨基金(IMF)だろう。IMFは、通貨と為替相場を安定させるという目的で1944年に戦後復興策の一環として設立された国連の専門機関。加盟国も188カ国という大専門家集団である。

ところがその経済予想となると甚だ疑わしい。今年も世界の成長率予想を何度も下方修正しているため、その度に各国の株式市場が被害を被っている。10月7日に公表された世界経済見通しでは、7月の下方修正時点と比べて、ユーロ圏がマイナス0.3%、日本が0.7%の下方修正。今年の日本の成長率予想を0.9%とし先進国中最大の下方修正となった。世界経済全体でもマイナス0.1%の下方修正。これでは投資家心理が萎えてしまうのは当たり前だろう。

なぜこんなことになってしまうのか。そもそも正確な経済予測は不可能だが、IMF予想の場合は基になっている数字が各国の最も楽観的な公式見解だからである。不安を避けるためだというが、初めから下駄をはかせてあるのだから現実がそれより下になるのは当たり前なのである。不安を先送りでしかない。

思い返せば2013年1月時点でのIMFの世界経済成長見通しでは、2013年の成長率は3.5%、2014年は4.1%と右肩上がりだった。それが今年10月の発表では3.3%(2014年)に下落。こんなものに一喜一憂させられる世界の投資家はたまったものではない。

以前、国際金融に関して読んだ本の中にジョン・パーキンス著“CONFESSIONS OF ANECONOMIC HIT MAN”(2005年、邦題「エコノミック・ヒットマン」)というのがあった。英語のタイトルが示すように、世界経済の裏で途上国を食い物にする米国の策略に加担した人物の告白本である。資源豊富な途上国の指導者に言葉巧みに世界銀行の融資を持ちかけ、その国に巨額の債務を負わせたあげく融資された金は米企業や現地の権力者の懐に入るという仕組みが赤裸々に綴られていた。IMF・世界銀行は米ドルと米国の利益を守る機関という位置づけだったと記憶している。確かにIMFに対する米国の出資比率は17.67%と2位の日本(6.56%)と比べても断トツ。10月の世界経済見通しでは、米国がプラス0.5%の数少ない上方修正国となっている。

同書は米国防長官だったロバート・マクナマラが世銀総裁だった頃の話が中心だから現在は「状況が変わっている」かもしれないが、思わず想像を逞しくしてしまうのは私ひとりではあるまい。ちなみに、ノーベル経済学賞を授賞した米経済学者ジョセフ・スティグリッツは、IMFによる資本市場の自由化は米国金融セクターの市場を広げたが、本来の使命であるグローバル経済の安定には寄与しなかったとIMFを痛烈に批判している。

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