蟹瀬誠一コラム「世界の風を感じて」

蟹瀬誠一(かにせ・せいいち)

国際ジャーナリスト/明治大学国際日本学部教授
(株)アバージェンス取締役
(株)ケイアソシエイツ副社長
1950年石川県生まれ。上智大学文学部新聞学科卒業後、米AP通信社記者、仏AFP通信社記者、米TIME誌特派員を経て、91年にTBS『報道特集』キャスターとして日本のテレビ報道界に転身。東欧、ベトナム、ロシア情勢など海外ニュース中心に取材・リポート。国際政治・経済・文化に詳しい。現在は『リーダー&イノベーション・賢者の選択』(日経CNBC,サンテレビ、BS-12)、『マネーの羅針盤』(テレビ東京)のメインキャスター。カンボジアに小学校を建設するボランティア活動や環境NPO理事としても活躍。
2008年より2013年3月まで明治大学国際日本学部長。
趣味は、読書、美術鑑賞、ゴルフ、テニス、スキューバ・ダイビングなど。


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絶対安全という名の恐怖

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逃げた。とにかく逃げた。

巨大地震と津波が襲った福島第一原発から放射性物質が漏れ出しているというニュースが流れたからだ。

私は以前からエネルギー問題に関心があり一般の人よりは原子力に関する知識は持ち合わせている。小泉政権のときには原子力委員も務めた。
だからテレビで原発事故のニュースが流れた時、未曾有の危険な事態が発生していると直感した。スリーマイル島やチェルノブイリの原発事故があったが、今回のように複数の原子炉が同時に危険な状態になるのは歴史上初めてだ。

こんなときに被災を逃れた多くの人にとって難しいのは、仕事をとるか家族をとるかという決断だ。

私は少し迷ったが家族の安全を優先した。自家用車に必要なモノを積んで、とりあえず母が一人暮らしをしている三重県四日市市のホテルに避難。愛犬は母の家に一時預かってもらった。
「敵前逃亡」の謗りは免れないだろうが、私は腹をくくった。幸い、職場とは電話やインターネットで連絡がとれ大きな問題はなかった。
予定されていた会議や海外歴訪はすべて中止になったので、かえって自由時間が増えてしまった。

一週間後にいったん東京に戻る前、原子力についてあらためて考えた。

1957年、日本初の原子炉(研究用)が稼働し始めたとき、マスコミはこぞって歴史的快挙と拍手喝采した。「太陽の火ともる」、「夢のエネルギー」という大きな活字が新聞紙上を飾った。
だがその後スリーマイル島やチェルノブイリ原発事故発生し、喝采はあっという間に避難に変わった。些細な事故でも原子力関連施設となるとまるでパブロフの条件反射のように大きなニュースとして扱うようになった。

正しいリスク評価ができていないのだ。これが人々の不安を増幅させる結果となったと思う。

それよりも何よりも日本の原子力政策の最大の過ちは、危険な放射性物質を利用しているにもかかわらず「原子力は絶対に安全だ」と国民に信じ込ませようとした政府や電力会社にある。
それでは事故はすべて「信じられない出来事」「あってはならない事」になるからだ。

現実は完全無欠な機械も人間も存在しない。だから事故は必ず起きる。

その時に被害を最小限に留めるのが人間の知恵でありフェールセーフの考え方だ。「原子力は絶対安全」からスタートするのではなく、「原子力は危険」だという前提から出発し、事故が起きた場合のリスク管理に関する議論を専門家もマスコミも積み重ねていく必要がある。

 

関連の会議ではこれまでその事を主張し続けてきたが、次世代のクリーンエネルギーが確保されるまでの橋渡しとして原子力発電を勧めてきたひとりとして、自戒を込めてそう思う。


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