酒匂隆雄の「為替ランドスケープ」 

いよいよ、中間選挙。

2026/11/02

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FOMC・日銀会合はともに政策金利を据え置き、ドル円は157~158円台で推移。
米中間選挙を控え、トランプ大統領の政治動向や日米協調による円安阻止への警戒が高まる中、ドル円は上値を伸ばすのか、それとも反落に転じるのか――今後のドル円相場を展望する。

先週は、FOMC.、そして日銀政策決定会合を終え、両者共に市場予想通りに政策金利は据え置きとなった。

FOMC.声明文では“インフレ率は依然として高水準である。(inflation remains elevated)とし、 ウォーシュFRB.議長は、記者会見で“金融環境は引き締まりつつあるが、引き締まっているとまで は言えない。と述べて、次回FOMC.での利上げに含みを持たせた。

また、日銀政策決定会合では物価見通しを引き上げて、金融政策はよりタカ派的な新たな局面に入ったと強調し、数カ月に1度のペースでの利上げに踏み切る可能性を示唆した。

両者共に次回開催予定の会合、(FOMC.は12月8日~9日、日銀政策決定会合は12月17日~18日)に於いての利上げ可能性が増し、ドル円相場に対しての影響は殆ど無く先週は157円~158円のやや高いレンジ内での取引に終始した。

今週は3日(火)に米国中間選挙の投票日、そして6日(金)に10月の米国雇用統計の発表が有る。

中間選挙では民主党が上下両院の過半数議席を占める可能性が高いと見られているが、その場合レーム・ダック(任期を残しているものの、政治的な影響力や政策遂行力が低下した大統領。)と化すトランプ大統領が思いもよらぬ不規則発言や行動を起こす可能性が有り、市場の混乱は避けられないこととなろう。

どう贔屓目に見てもドルが買われるとは思えないが、財務省が“円安は罷り成らん!”と言っているのだから、何れにせよドル高&円安が進むとは考え難い。

雇用統計は失業率は変わらずの4.2%、そして非農業部門雇用者数が6万人増と先月の2.9万人増から大幅に増えると市場は予想するが、そもそも先月の数字が+8.8万人から下方修正された物であり、余り大きな影響は無いのではなかろうか?

先週、片山財務相が“円は過小評価ではないかという認識が日米首脳会談でも共有されている。日米協調で円安阻止に踏み切った「日米通貨同盟」を再確認しており、市場動向をずっと注視しながら必要なら断固たる措置を取る。”と再び円安牽制を行ったが、矢張り159円~160円を超えるドル高&円安進行には介入でそれを阻止すると言う意気込みを感じる。

何度も繰り返して恐縮であるが、日米両政府、及び両財務省が“円安は罷り成らん!”と言っているのだから、もしドルが高くなれば安心してドルを売っておいて良いのではなかろうか?

シカゴ・IMM.は市場の胴元、べッセント財務長官の言を信じて、先週も円買い(ドル売り)のポジションを約25憶ドル増やして80億ドルの売り持ちとなっている。

片や我が国個人投資家はドルの買い持ち比率を殆ど変えておらず、64%が買いで36%が売りとなっている。

下のグラフを見ても分かる通り、彼らは基本的にはドル円相場がどう動こうがドルの買い持ちを保持し続けている。

恐らくはドルを買い持ちにする事によって毎日のスワップ・ポイントを享受することで低金利の円から脱却して高金利のドルを保持する、“外貨預金。”の様な感覚でいるのであろう。

高金利(スワップ・ポイント)は魅力的であるが、それを上回る元本棄損リスク(158円で買ったドルが155円に下落すると凡そ1.9%の損失となる。先週のレポートで、似た様なシミュレーションを行った。)が有る事を理解していないのではなかろうか?

大手都市銀行のホーム・ページでも、きちんとリスクについて説明している。

“外貨普通預金には、為替変動リスクがあります。為替相場の変動により、お受取の外貨を円換算すると、当初外貨預金作成時の払込円貨額を下回る(円ベースで元本割れとなる)リスクがあります。”

まあ、投資は自己責任。

余計なお世話かも知れない。

(外為どっとコム社、ホームページより。)

今週も、Sell on rallies.(ドルが上がったら売る。)の戦略で臨みたい。

今週のテクニカル分析

今週のテクニカル分析の見立ては再びレンジ相場。

今週のレンジ

ドル円:154.00~159.00
ユーロ円:173.00~178.00

酒匂隆雄

酒匂隆雄 (さこう・たかお)

酒匂・エフエックス・アドバイザリー 代表
1970年に北海道大学を卒業後、国内外の主要銀行で為替ディーラーとして外国為替業務に従事。
その後1992年に、スイス・ユニオン銀行東京支店にファースト・バイス・プレジデントとして入行。
さらに1998年には、スイス銀行との合併に伴いUBS銀行となった同行の外国為替部長、東京支店長と歴任。
現在は、酒匂・エフエックス・アドバイザリーの代表、日本フォレックスクラブの名誉会員。


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