ドル円相場、160円台回復。
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原油高をきっかけに米金利とドルが上昇し、ドル円は160円台を回復。ジャクソンホール会議でのウォーシュFRB議長のタカ派的な発言を受け、ドル高が進む一方、日米長期金利も上昇している。
追加の協調介入への警戒が高まる中、ドル円はさらに上値を目指すのか、それとも反落に転じるのか――今後のドル円相場を展望する。

ドル円相場が7月31日の日米協調介入以降初めてとなる160円台を回復し、ニューヨーク市場で高値160.20を付けた。
月曜日から木曜日までのニューヨーク市場の終値は159.10、159.20、159.32、そして159.39と僅か19銭の値幅に留まっていたが、ついに大台を超える事となった。
この引き金となったのは、27日から29日にアメリカ、ワイオミング州、ジャクソンホールで開催された毎夏恒例の金融シンポジュームでのウォーシュFRB.議長の基調講演の内容がタカ派的(金融引き締めに積極的)と市場が理解したことによる。
ウォーシュFRB.議長は7月のFOMC.後の記者会見で、目標とするインフレ指標を明確にすることを避け、利上げがインフレ抑制の唯一の手段と明言せず、また利上げをせずとも長期金利が上昇して金融引引き締め効果が強まっているとして9月のFOMC.での利上げ期待が後退していたが、今回のジャクソンホールでの基調講演では、金融政策の方向性として、“基調インフレ率が目標に向かうと確信を持てないなら、やるべき仕事が有る。”と明言し、現在の金融環境に関しては、“引き締め的と表現するのは難しい。”と述べた。
インフレの分析として、“この夏の指標は基調的なトレンドが大きく改善した様に見えず、過去2年間のインフレは改善ペースが穏やかで、インフレ期待は中期的に見て概ね安定している様に見える。”とし、直近のデータではスローダウンが顕著な雇用状況の分析に関しても、“労働市場は安定し、米国経済は良好。”と楽観的な意見を述べた。
市場はこの発言をタカ派的と理解して米長期金利は上昇してドルは主要通貨に対して上昇した。
市場はウォーシュ発言の前から、発言がタカ派的であればドル高、逆にハト派的(金融緩和に積極的)であればドル安に反応するであろうと見込んでおり、前者であった為に素直にドル高で反応したと言うことか。
実は上昇したのは米国長期金利ではなく、我が国の長期債(JGB.10年債)利回りも週初の2.880%から2.920%へと上昇しており、週開けの東京市場では一時1996年9月から30年ぶりの2.950%迄上昇した。
日米共に長期金利の上昇に歯止めが掛からないが、これはベッセント米財務長官が一番懸念している長期債券価格の下落を意味する。
ベッセント米財務長官は、先々週19日に国債の買い入れ消却(バイバック)の上限を2倍に拡充すると発表し、一時10年債利回りは4.622%迄下落したが、先週金曜日の終値では4.730%まで上昇している。
市場はドル円相場が一時160円を超えたことを受けて果たして追加の日米協調介入が入るかどうかに注目しているが、次の警戒レベルは160.50から161.00であろうか?

先週我が国財務省が7月月末から8月月初に掛けて行われた介入額を発表したが、その額は15兆3993億円で、4~5月の介入額の11兆7349億円と合わせる今年の介入額は合計27兆1342億円となる。
ドルに換算して凡そ1700億ドルとなるが、果たしてこの巨額のドルは何処へ行ってしまったのだろうか?
2025年度の我が国の貿易・サービス収支は約4.2兆円(約280億ドル)の赤字であるが、経常収支は31.9兆円(約2100億ドル)の黒字であった。
貿易・サービス収支の赤字は毎月円で出て行き、経常収支の多くを占める第一次所得収支の黒字は直ぐには円で入って来ない事は理解出来るものの、全体で見ると“ドルが足りない。”と言う議論はおかしいのではなかろうか?
極めて感覚的な議論でしかないが、現在ドルはジャブジャブなのではなかろうか?
それに魑魅魍魎と思われる円キャーリー・トレードの残高を考えると、何時かは分からないがドル円相場は介入なんかが無くても、強烈に下げる可能性が有ると思うのは勿論筆者のポジション・トーク(自分が抱えるポジションにとって都合の良い意見を述べる事。)である..
シカゴ・IMM.は先週も円の売り持ち(ドルの買い持ち)を若干(9億ドル)増やして8月25日付で50億ドルの買い持ちとし、我が国個人投資家は8月30日付でドル買い54%、売り46%と拮抗している。
後者は矢張り当局によるドル売り&円買い介入を警戒している模様である。
今週は金曜日に7月の米雇用統計の発表を控えるが、市場予想は非農業部門雇用者数が前月の-2.3万人から+5.8万人へと大きく改善し、失業率は4.1%で変わらずと見る。
これを見て米長期金利がどう反応するかかが注目される。
10年債利回りが4.75%を超えず、市場がそろそろピークアウトすると判断したらドルは自ずから下げるのではなかろうか?
今週のテクニカル分析
今週のテクニカル分析の見立てはレンジを上切ったことを受けて更なる短期的上昇を見込むが、テクニカル分析は介入の様な急な外的要因には対処出来ない。
今週のレンジ


ドル円:156.50~160.50
ユーロ円:181.00~186.00
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