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経済ジャーナリスト鈴木雅光の「奔放自在」 vol.57
公開日:2022年11月18日

たぶん、これから、資産運用詐欺が増える

これまで資産運用に絡んだ詐欺事件が、ブームのように増えた時期がいくつかありました。

1980年代のバブル経済。NTT株の上場と超低金利によって財テクブームが起こりました。今、50代以上の方であれば、恐らく記憶にあるかと思います。

この時、社会問題になったのが「豊田商事事件」と「投資ジャーナル事件」です。豊田商事事件は「純金ファミリー証券」という証券を発行して資金を集めたものの、実際には金を買わずに2000億円近い資金を詐取しました。

また投資ジャーナル事件は、保証金を積めばその10倍の融資を受けて株式が買えることを打ち出したものの、実際には株式を引き渡さず、580億円もの現金を詐取したという事件です。

次に資産運用詐欺事件が多発したのが、1996年~2001年にかけてのことです。故橋本元首相が提唱した「金融ビッグバン」によって、金融業界の規制緩和・自由化が加速しました。

実際に詐欺が発覚した時期は前後しますが、この時期、G&G事件、南証券事件、GMB事件、エンジェルファンドネットワーク事件、MRIインターナショナル事件など、主に海外のヘッジファンド、医療保険請求債権など、日本人にとっては目新しい投資商品がいかにも実在するかのような触れ込みで宣伝され、かなりの資金がだまし取られました。

そして今、再び資産運用詐欺が増えそうな状況にあります。

まず「2000万円問題」。2019年に金融審議会の市場ワーキンググループがまとめた報告書に端を発したこの騒動によって、老後資金に対する関心が高まりました。

次に「貯蓄から資産形成へ」という国策に加えて、岸田内閣が打ち出した「資産所得倍増計画」です。これは、2000兆円あると言われている個人金融資産のうち、54%を占める現預金から、資産運用型の商品にシフトさせるためのキャンペーンです。

もちろん、過度に現預金に傾いた個人金融資産を、株式や投資信託などの資産運用型商品にシフトさせていくことは、個々人がより豊かな生活をしていくうえで重要なことだと思います。

ただ懸念されるのは、投資と投機の区別もつかないような、金融リテラシーの低い人たちが、いたずらに老後不安を煽られることによって、詐欺的な投資商品や情報商材に手を出してしまうリスクが高まっていることです。

しかも、最近の怪しい投資商品は、極めて巧妙な仕組みで資金をだまし取ろうとします。

いささか古い話で恐縮ですが、2016年に破綻したアーツ証券他、複数の地場証券が販売した「レセプト債」は、実際にはレセプト債を購入しておらず、購入した投資家の資金が海外SPCを通じてベトナムなどに流出し、資金回収不能になった挙句、アーツ証券が破綻するという、何とも救いのない結末を迎えた事件ですが、この時、証券会社の営業とともにこのレセプト債を販売したのが、金融商品仲介業の人たちでした。

金融商品仲介業者も、証券会社も、ライセンスを取得して金融商品の販売を行っている人たちです。その人たちが提示してきた金融商品が、まさか詐欺的なものであることを疑う人は、ほとんどいないと思います。アーツ証券の事件は、まさにそこに付け込んだ事件でした。

しかも、この事件の罪深い点は、結果的に被害を拡大させるきっかけとなった金融商品仲介業の人たちが、何も罪を追及されることなく、今も平気で資産運用アドバイス業などを行っていることです。そもそも物事の真贋を見極めることができないような人間の資産運用アドバイスがまかり通ること自体が、おかしな話です。

今、ポンジスキームじゃないかという疑いで大騒ぎになっている金融会社の問題でも、メディアなどによく登場している、資産運用業界における著名人が数名、同社主催の経済セミナーに登壇していたことが分かっています。

もちろん、本人たちに言わせれば、「そんな悪徳業者だとは知らなかった」ということなのでしょうが、その金融会社が展開しているビジネスを少し検証すれば、絶対に引き受けてはいけないセミナーであることくらい、すぐに分かりそうなものです。

また、これは別な話ですが、いかにも高いリターンが実現するといった触れ込みで情報商材(らしきもの)を会員に販売している業者があり、この業者が子会社として設立している会社のオウンドメディアを通じて、FP資格を有している複数のFPが記事を書いていたことが確認されています。

これも考え方によっては、詐欺的商法に加担しているのと同じです。何しろそのオウンドメディアを通じて、この極めて怪しい情報商材をプロモーションする記事が掲載されているのですから、何も知らない人がその記事を読んだとき、「資格をもったFPが記事を寄せているメディアに広告を掲載しているのだから、信用してもいいだろう」と思ってしまうかも知れないのです。

資産運用詐欺はどんどん巧妙になっている印象を受けます。それだけに、資産を運用する個人もさまざまな情報をチェックして、自己防衛する必要がありそうです。



金融ジャーナリスト
鈴木雅光(すずき・まさみつ)

JOYnt代表。岡三証券、公社債新聞社、金融データシステムを経て独立し(有)JOYnt設立し代表に。雑誌への寄稿、単行本執筆のほか、投資信託、経済マーケットを中心に幅広くプロデュース業を展開。

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