
国内外の銀行で為替ディーラーとして活躍され、その華麗な取引手腕から「貴公子」と称された酒匂隆雄さん。為替ディーラーの第一人者の顔とは別に、レーシング、海外旅行、ワイン・グルメに温泉旅行と、様々な趣味をお持ちで、人生を楽しく過ごすことに関しても一流人です。
このコンテンツでは、楽しい話題や日々の生活、たまには為替マーケットについて語っていただきます。
筆者はもう30年近く通っている白身の魚が美味しい鮨屋が八丁堀に在り、我が家はおろか他の寿司屋でも魚は余り食べない。(鮨と寿司の違いが分からないのだが、此処は自分のお店を鮨屋と呼んでいる。)
この鮨屋は筆者の好み(実は我侭で寿司屋なのに寿司を食べず、つまみをちょこっと食べて酒ばかり飲んでいる嫌な客の筈である。)を良く知ってくれており、此処には何時行ってもほっとするのである。
最近は調子に乗ってシャンパンやワインを持ち込むのだが嫌な顔一つせずにサービスしてくれる。偉そうにする積もりは無いのだが、回転寿司なるものは食べた事は無かった。と言うよりはタダでも食べたいとは思わなかった。
近所に住む娘の8歳と5歳になる子供達(筆者には孫に当たる訳です。)とよく近所の本牧デニーズに出掛けていたのだが、上の男の子が「じーじ、今度ははま寿司に行きたい。」とおねだりをしてきた。
「嫌だよ、じーじは回るお寿司は食べたくないんだよ。」と言ったら「あのね、美味しい茶碗蒸し、ポテト、そしてラーメンもあるから行こうよ。僕、大好きなんだ。」と一生懸命訴えてくる。これは行かずばなるまいに。
実は何かのネットでこのはま寿司のラーメン(メニューの中では恐らく一番高い350円也)は「ラーメン通をも唸らすほど美味しい。」とのコメントを見たことが有って、興味はあった。
では行こう、と言うことになって善は急げで先週の土曜日に行くことにした。娘に予約を頼んだら当日しか予約は受けないと言うことで、土曜日の午前中に電話が掛かってきて「17時半に取れた。」と言う。
「おい、少し早過ぎないか?」と聞いたら「この時間しか空いていない。」と言い、「凄く流行っているから予約も大変なのよ。予約しないと2時間くらい待たされるらしいよ。」らしい。へえーっ。
行った。
予約していたにも拘わらず20分待たされた。店の入り口には子供達を含めて20人くらいが順番を待っていた。レジの人に名前を言うと番号札をくれて順番に呼び出す仕組みらしい。
指定の席に座った。割合広い4人掛けでゆったりしている。孫二人は回転帯の側に座りたがるので、何故かと思ったら写真の上のテレビ・スクリーンの様なものにタッチしてオーダーをする仕組みなのだが、これが面白いらしい。
「今度は僕。今度はアタシ。」と競ってオーダーしている。普通の寿司も回転帯に乗ってぐるぐる回っているのだが、このタッチ・パネルを通して自分が食べたい物や飲みたい物を注文する。飲み物は係の人があっと言う間に運んでくれる。普通の寿司は平日は一皿90円で土日は100円となる。
贅沢握りと言うのがあってこれは150円だ。のどぐろの甘酢〆は150円だ。
1時間半くらい掛けて大人4人と子供2人の計6人が鱈腹食べて支払い総額は8,488円也!
その内カミさんと娘が飲んだビール2杯が1,036円、筆者が飲んだ焼酎が3杯で972円で計2,008円で単価としては一番高かった。(因みに婿殿は九州出身なのに一滴も飲めない。人生、何が面白いんだろうか?)
帰り際に孫息子が嬉々として言った。「じーじ、美味しかったね。はま寿司大好きなんだ!」
よしよし、又行こうな。(今回は残念ながら茶碗蒸し、中トロ、甘海老、生海老を食べたらお腹が一杯になってラーメンは食べられなかった。次回は試してみよう。)

酒匂隆雄 さこう・たかお
酒匂・エフエックス・アドバイザリー 代表
1970年に北海道大学を卒業後、国内外の主要銀行で為替ディーラーとして外国為替業務に従事。
その後1992年に、スイス・ユニオン銀行東京支店にファースト・バイス・プレジデントとして入行。
さらに1998年には、スイス銀行との合併に伴いUBS銀行となった同行の外国為替部長、東京支店長と歴任。
現在は、酒匂・エフエックス・アドバイザリーの代表、日本フォレックスクラブの名誉会員。
