
国内外の銀行で為替ディーラーとして活躍され、その華麗な取引手腕から「貴公子」と称された酒匂隆雄さん。為替ディーラーの第一人者の顔とは別に、レーシング、海外旅行、ワイン・グルメに温泉旅行と、様々な趣味をお持ちで、人生を楽しく過ごすことに関しても一流人です。
このコンテンツでは、楽しい話題や日々の生活、たまには為替マーケットについて語っていただきます。
先ず嬉しい「伸び盛り」のニュースであるが、何と5歳の男の幼稚園児が英検2級に合格したのだと言う。英検などと言う公式な試験を受けた事も無く、何の資格も持ち合わせない筆者は、英検2級がどの様な物かは知らないが、これに受かるには高校卒業程度の英語力が必要らしい。
この子には7歳になるお兄ちゃんが居て、何とこのお兄ちゃんも5歳の時に英検2級に合格しており、兄弟揃って5歳児で英検2級に合格するのは初めてであろうとの事であるが、まあそうでしょうな。この子は未だ海外に行ったことは無く、将来の夢は「英語の国(英語圏)に行く」ことらしいが可愛いものだ。
そしてこの子のもう一つの夢と言うよりは目標は、お兄ちゃんより先に準1級に受かる事らしいのだが、この準1級とやら、英検2級より断然難しくて、大学中級程度の英語力を必要とし、筆記試験の後ヒヤリング、そして面接があるんですぞ!これらを皆英語でパスしなくてはならないですぞ!
5歳と言えば幼稚園の年中組で、普通だとようやく平仮名と片仮名を読み始める年ごろ。我々もうかうかしていられませんなあ!!
さて次は「寂しく衰えるのみ」の話。最近、老齢運転者の事故が急増し、痛ましい事故のニュースがよく流れるが、ベビーブーマー(昭和22年生まれ以降)がどんどん老齢者の仲間入りする今後は、この問題はもっと深刻になるであろうことは疑い様も無い。ところが、この起こるべき現象に対抗する為に行政は「貴方は老齢者なんだから運転免許証を返納して下さい。」とは言えないのだそうだ。
都市部では兎も角、公共交通機関のカバーが未熟な他の地区(敢えて田舎とは言わない。)では否でも応でも運転せざるを得ないし、また「俺は運転が出来ないほど耄碌してはいない!」と駄々をこねるじーさんも居る事だろう。(もしかして自分もかな?)
テレビのある番組で運転歴40年以上の68歳(筆者よりも年下)と82歳(幸いにも筆者よりも年上)のじーさんに運転教習所で運転させていたが、その運転ぶりに仰天した。先ず一人は車庫から出る際に思いっきり縁石を乗り越えたが指摘される迄全く気付かない。
直線道路の左側の縁から50センチくらいの所にプラスティックのポールを立てていて、運転目標をその奥の50メートルくらい先に設定して其処まで走行させたのだが、走行中何の躊躇も無くその2本のポールにぶつかりそのまま走行した。「○○さん、ポールにぶつけましたよ。」と指導員が言っても「えーっ、全く気付きませんでした。」とおどおどするだけ。
真昼間ですよ!ポールが人なら間違いなく轢き殺している。
もう一人のじーさんは、慎重派でゆるゆると走ってはいるのだが、ある交差点で信号が赤にも拘わらず信号無視して右折した。「○○さん、信号が赤ですよ。」と指導員が言っても「えーっ、全く気付きませんでした。」とおどおどするだけ。
実はかく言う筆者も、動体視力と夜間の判別能力が相当衰えたと自覚して、スポーツカーは売り払って(ちょっとだけ速い)安全な4輪駆動のセダンと、孫のアッシー車の7人乗りの(ドンガメの様に遅い)SUVに乗っているのだが、このじーさんたちのボケさ加減にはびっくり仰天した。
高齢者には注意能力の散漫、集中力の欠如、自分の運転能力への過信などの問題があるのだと思うが、約半年くらい前に小学生の通学途中の列に突っ込んだじーさんはアルツハイマーで「自分が何処を走り、何処に行こうとしていた」のかが自己判断出来なかったのと言う。
恐ろしいですねえ.......
伸びる者達(何でも新しい知識をどんどん身に付ける若い人達)と衰える者達(記憶量が廃れ、判断力が鈍り、横柄な点だけは変わらない)。単なる世の習いか。
俺は「嫌なじじーだ!」と言われないようにしようっと!!

酒匂隆雄 さこう・たかお
酒匂・エフエックス・アドバイザリー 代表
1970年に北海道大学を卒業後、国内外の主要銀行で為替ディーラーとして外国為替業務に従事。
その後1992年に、スイス・ユニオン銀行東京支店にファースト・バイス・プレジデントとして入行。
さらに1998年には、スイス銀行との合併に伴いUBS銀行となった同行の外国為替部長、東京支店長と歴任。
現在は、酒匂・エフエックス・アドバイザリーの代表、日本フォレックスクラブの名誉会員。
