
国内外の銀行で為替ディーラーとして活躍され、その華麗な取引手腕から「貴公子」と称された酒匂隆雄さん。為替ディーラーの第一人者の顔とは別に、レーシング、海外旅行、ワイン・グルメに温泉旅行と、様々な趣味をお持ちで、人生を楽しく過ごすことに関しても一流人です。
このコンテンツでは、楽しい話題や日々の生活、たまには為替マーケットについて語っていただきます。
先週末、日本列島に猛烈な寒気団が押し寄せて各地に大雪を降らせた。
日本海側とか北海道ならまあ驚きもしないが九州でも結構降ったらしいし、何と沖縄や奄美大島でも初雪や百数十年ぶりの降雪が有ったらしい。聞くところによると香港や台湾でも雪が降ったとか・・・。
アメリカでも大雪でワシントンやニューヨークで非常事態宣言が出され、多くの政府機関が閉鎖された。日本だけではなかったんですね。この異常気象の原因としてエルニーニョとか色々言われているが、まあ大変な世の中になったもんだ。
夏は異常な猛暑、冬は異常な降雪ではたまったものではないが、昔はこんなに暑く成ったり寒くなったりはしなかった記憶がある。
筆者は広島県の西条(現在の東広島市)で生まれて高校1年まで過ごしたが、現在の様なエアコンディショナーなんぞはある訳も無く、夏は窓を開けて蚊帳を吊り、冬は湯たんぽを足元に入れて貰って寝ていたが別に猛烈暑いとか、あるいは寒くて眠れないなんてことは無かった。
学校だって確か小学校の時には冬は石炭ストーブがあったような記憶があるが、夏はクーラーなんて無かった。(だから夏休みがあったのかな?)
中学と高校は質実剛健を旨とする私立の修道学園(元浅野藩の藩校がその始め)に通ったが、確か冷房はおろか暖房設備も無かった様な気がするが違うかな?

それにしても降雪による首都圏の交通マヒは酷いものですな!運転が未熟なドライバーにより降雪で大混乱するのは理解出来るが、何で電車があんなに遅れるんだ?昨日会った友人は先週の月曜日、普段は自宅から会社まで45分で行けるのに4時間かかったと言う。
まず電車が間引き運転とやらでなかなか来ない。やっと来たと思ったら3人降りて100人乗ろうとするからもうどうしようも無い。小1時間かかってやっと乗れたとしても電車が動かず、2時間くらいも電車の中に閉じ込められたと言う。尾籠な話で恐縮であるが、お手洗いに行きたくなったらどうするんだろう?我々年寄には酷な話でありますな。
その友人の言うには殆どの人が別に文句を言う訳でもなく、黙々と耐え、黙々と列に並び、黙々と駅員の指示に従っているのだとか。凄いですね。例の整列なんぞは全くしない爆買いのお国の方々だったら暴動にでもなっているのかな?まあ他所の国の事はどうでもいいか・・・
さて年初から金融市場は大荒れでリスク・オフと呼ばれるリスク回避の動きが台頭して株価は下がり円高が進んだが、金曜日は欧州中央銀行のドラギ総裁が3月の追加金融緩和を仄めかして一転してリスク・オン(逆にリスクを取ろうとする行動。)となり、日経平均株価は900円近く上昇し、ドル・円相場も118.88まで大きく戻した。
今週はアメリカではFOMCと言う金融政策を討議する会合が開かれ、また我が国では日銀の政策決定会合が開催される。市場の注目点はFOMCで市場が期待する年内の数回の利上げを正当化する文言が出るのか、あるいは逆に慎重な意見が出るのかである。
そして一部の証券筋が日銀による追加金融緩和を期待しているが、果たして日銀が期待に応えるのか?これらの内容如何によっては120円に戻す可能性も、また115円に落ちる可能性の両方ありかもしれない。難しいですね。(個人的には今回、追加金融緩和は無いだろうと思っている。)

酒匂隆雄 さこう・たかお
酒匂・エフエックス・アドバイザリー 代表
1970年に北海道大学を卒業後、国内外の主要銀行で為替ディーラーとして外国為替業務に従事。
その後1992年に、スイス・ユニオン銀行東京支店にファースト・バイス・プレジデントとして入行。
さらに1998年には、スイス銀行との合併に伴いUBS銀行となった同行の外国為替部長、東京支店長と歴任。
現在は、酒匂・エフエックス・アドバイザリーの代表、日本フォレックスクラブの名誉会員。
