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ファンダメンタルズか地政学的リスクか?|為替ランドスケープ 2022年1月号
公開日:2022年1月04日

ファンダメンタルズか地政学的リスクか?

皆様、明けましておめでとう御座います。

本年も宜しくお願い致します。

新型コロナ・ウィルスとFRBによる金融政策変更のタイミングへの思惑に翻弄された2021年が終わり、新たな年を迎えた。

2021年の市場の値動きを振り返ってみると、新型コロナ・ウィルスに対する楽観、悲観の変化によるリスク・オン(投資家が積極的にリスクを取って新たな投資を試みる。)とリスク・オフ(投資家が既存の保有債権の圧縮を図り、新たな投資を控える。)を繰り返しながら、年末に向けてはFRBによる想定以上のタカ派的(金融緩和に消極的)な政策転換によりドル高、金利高となったが同時に株価も上昇すると言う面白い現象が起きた。

米金利高=日米金利差拡大の観点からドル・円相場が上昇するのは極自然であるが、金利上昇下での株価上昇、特にニューヨーク株式市場3指数の20%を超える上昇は特筆に値する。

矢張り主要国中央銀行による果敢な金融緩和政策による世界的な金余り現象がもたらした結果と言っても過言ではあるまい。

仮想通貨の代表格であるビットコインが年間を通して+82%の好成績を上げたことも同じ理由からだと言えようか?

この一年の相場の推移。

2021/1/42021/12/31
日経平均 27,258.38 28,791.71 (+5.6%)
NYダウ 30,223.89 36,338.30 (+20.9%)
ナスダック 12,698.45 15,644.97 (+23.2%)
S&P 3,700.65 4,766.18 (+28.8%)
米国10年債利回り 0.919% 1.511% (+0.592%)
日本10年債利回り 0.015% 0.070% (+0.055%)
ドル・円 103.15 115.09 (+11.6%)
ユーロ・ドル 1.2251 1.1377 (-7.1%)
ユーロ・円 126.37 130.96 (+3.6%)
ポンド・ドル 1.3563 1.3523 (-0.3%)
ポンド・円 139.90 155.66 (+11.3%)
豪ドル・ドル 0.7666 0.7271 (-5.2%)
豪ドル・円 79.08 83.69 (+5.8%)
ビットコイン 3,000 5,460 (+82.0%)

さて2022年の相場の見通しであるが、予定されている今年3度のFRBによる利上げの可能性から勘案するに、日米金利差拡大と言うファンダメンタルズ要因(経済的基礎要因)に則り、昨年からのドル高の流れは続くものと思われる。

ところがファンダメンタルズは為替相場を決める一つの要因でしかなく、あと忘れてはならない地政学的リスクなるものが存在する。

地政学的リスクとは"特定地域が抱える政治的、軍事的、社会的な緊張の高まりにより起きるリスク"であり、その中には秋の米国中間選挙、台湾、ウクライナ、そしてイランを巡る米中露が絡んだ緊張関係、そして新型コロナ・ウィルスが挙げられよう。

米国中間選挙ではアフガニスタンでの処理の拙さや物価高による支持率低下に喘ぐバイデン大統領の敗北及び議会での民主党過半数割れ、台湾、ウクライナでは中国とロシアの武力侵攻の可能性、そして核合意を巡るアメリカとイランの緊張関係悪化などが大きなリスク・オフ要因として横たわる。

新型コロナ・ウィルスに関しては現在変異型のオミクロンが全世界で猛威を振るい、新感染者数が激増しているがその毒性は弱く、重症化リスクは低いと言うがこの後新たな変異型ウィルスが出現する可能性は否定出来ない。

これらのリスク要因が顕在化すれば金利差拡大によるドルの優位性はもろく崩れる。

2022年はファンダメンタルズ(リスク・オン)対地政学リスク(リスク・オフ)の綱引きとなり、基調はドル高&円安であるが突然のドル安&円高にも備えなければならないと言う難しい年になりそうである。

ところで日経・ヴェリタスが新年恒例の70名にも及ぶ市場関係者による2022年のドル・円相場予測を発表した。

それによるとドル安&円高の平均は109.58で1月にそうなるとの回答が一番多かった。
ドル高&円安の平均は119.14で12月にそうなるとの回答が一番多かった。

これをまとめると、今年のドル・円相場は1月を底値にしてFRBの利上げに沿って徐々に値を上げ、12月にそのピークを迎えると言うものであるが、これは極めてファンダメンタルズ的な観測で上述した地政学的リスクを織り込んだものとは思えない。

そもそも地政学的リスクを予知することは不可能である。

此れが"基調はドル高&円安であるが突然のドル安&円高にも備えなければならないと言う難しい年になりそうである。"と言う筆者の勝手な推測の根拠である。

さあ、今年も無理をせず、背丈に合った取引を心掛けて(リスク管理をきっちり行う。)自己の余裕資金を安全且つ効率よく運用することに致しましょう。



酒匂隆雄氏プロフィール

酒匂隆雄 さこう・たかお

酒匂・エフエックス・アドバイザリー 代表

1970年に北海道大学を卒業後、国内外の主要銀行で為替ディーラーとして外国為替業務に従事。
その後1992年に、スイス・ユニオン銀行東京支店にファースト・バイス・プレジデントとして入行。
さらに1998年には、スイス銀行との合併に伴いUBS銀行となった同行の外国為替部長、東京支店長と歴任。
現在は、酒匂・エフエックス・アドバイザリーの代表、日本フォレックスクラブの名誉会員。

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