片や円買い、片や円売り。
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先週のドル円相場、週末は高値155.64を付けることとなった。先週の始値は、前週の始値157.52から凡そ5円近くのドル安&円高となる152.71で始まったが、此の背景には先週のレポートで指摘した、投機筋による円キャリー・トレードの静かな巻き戻しが起きつつあるのではないのかと考えている。
2026年2月24日号
先週のドル円相場は、週初は前週からのドル安の動きを受けて152円台ミドル台で始まったが、高市首相が施政方針演説で“経済成長を実現するために必要な財政出動をためらうべきではない。”と述べて、看板政策である“責任ある積極財政。”を進めることを強調した事を受けて、再び高市トレードが意識されて円売りが先行する形となり、週末は高値155.64を付けることとなった。
先週の始値は、前週の始値157.52から凡そ5円近くのドル安&円高となる152.71で始まったが、此の背景には先週のレポートで指摘した、投機筋による円キャリー・トレードの静かな巻き戻しが起きつつあるのではないのかと考えている。
シカゴ・IMM.の投機筋のポジション推移を見てみると、その片鱗が垣間見える。
シカゴ・IMM.は先週17日(ドル円相場の終値は153.52)の時点で前週10日(ドル円相場の終値は155.88)から実に26億ドル相当(円・ロング32,061枚)の円買い&ドル売りを行い、ポジションが15億ドルの買い持ち(円・ショート19,106枚)から一気に11億ドルの売り持ち(円・ロング12,955枚)に転じた。



興味深いことに、我が国個人投資家はこのドル下げ局面に対してドル買いで対抗して、前週から大きく15億ドルの買い落ちを増やして2月16日時点でドルの19億ドルの買い持ちとなった。
これは実に2022年11月以来の大幅なドルの買い持ちである。

片や結構多額の円買い&ドル売りを行って円・ロング&ドル・ショートにドテンして将来のドルの先安観を持っていると見られるが、片や全く逆方向の取引を行って5年3ヶ月ぶりとなる大規模な円・ショート&ドル・ロング・ポジションを保持している。
ドル円相場はこの1週間で153円台から155円台へと上昇して現在は明らかにシカゴ・IMM.の負け、我が国個人投資家の勝ちの様相を呈しているが、果たしてこの後数週間、数か月の相場展開はどうであろうか?
先週末、またまたお騒がせトランプが、昨年4月に自らが課した相互関税が違憲であると最高裁に指摘され、今度は1974年通商法122条に基づき各国からの輸入品に150日の期間限定で10%課税する大統領令に署名し、何と翌日の21日にはその税率を15%に引き上げるとTACO.った。
多くの貿易相手国と貿易協定で合意したにもかかわらずこの狼藉ぶりである。
その後も、“俺の言う事を聞かない国には、もっと関税を課けるぞ!”と脅した
多くの人が、“矢張りトランプは信用出来ない。”と感じた事であろう。
そして興味深いのは、今まではトランプ寄りの判断をしてきた保守派主導の最高裁がトランプの看板政策に“No !”を突き付けた事であり、ニューヨーク・タイムズは”最高裁の、トランプ大統領からの独立宣言である。”と報じた。
トランプ嫌いの筆者にとっては“それ見た事か、ざまー見ろ!”と言う感じがしないでもないが、市場参加者の一人としては“米国の不確実性の増加。”は気になるところである。
個人的にはドル離れが益々進み、円・キャリートレードの巻き戻しも粛々と進むと感じている。

日米長期金利が落ち着き、急激な円安進行が一服した今、当局からのドル売り&円買い介入が今すぐに出るとは思わないが、再び円安が急速に進む様であれば、大きな確率で介入は出ると信じている。
ドル上昇にも拘わらず、逆張り(ドルが上がればその流れに逆らってドルを売る。)が得意の我が国個人投資家が大量にドルを買い、そして順張り(ドルが上がればその流れに従ってドルを買う。)が得意のシカゴ・IMMが大量にドルを売ると言う奇妙な現象が起きているが、果たして何方の行動が正しいのであろうか?
ディーラーが良く使う、“We will see how it goes.”=(どうなるか見てみよう。)が言い得て妙である。
今週のテクニカル分析
見立ては上下共に注意。156円を上切れば更なる上昇を見込み、154円を下切れば更なる下落を見込む。
今週のレンジ


ドル円:152.00~156.00
ユーロ円:181.00~184.00

酒匂隆雄 (さこう・たかお)
酒匂・エフエックス・アドバイザリー 代表
1970年に北海道大学を卒業後、国内外の主要銀行で為替ディーラーとして外国為替業務に従事。
その後1992年に、スイス・ユニオン銀行東京支店にファースト・バイス・プレジデントとして入行。
さらに1998年には、スイス銀行との合併に伴いUBS銀行となった同行の外国為替部長、東京支店長と歴任。
現在は、酒匂・エフエックス・アドバイザリーの代表、日本フォレックスクラブの名誉会員。
公式ブログ:酒匂隆雄が語る「畢生の遊楽三昧」
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