高市・植田会談
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日銀による年内利上げ確率の後退予想によりじりじりと値を上げ、週明けのニューヨーク市場では目先の節目である155円を上抜けて高値155.30を示現した。第2防衛線と警戒されている160円までの間で更に突っ込んだ円安進行に対する警戒の発言が出るのか、或いは実弾介入が実施されるのか定かではないが、三村財務官は“ドル円の動きと日米の長期金利差の推移を見ると、最近はやや乖離が見られる。
2025年11月18日号
現在、海外に居りまして昨日は移動の為、レポートの更新が出来なかったことをお詫び致します。又、本日のレポートも短い物になりますことをご容赦下さい。
先週は目立ったイベントや指標の発表が無かった中、ドル円相場はFRB.による年内利下げ確率の後退予想と、日銀による年内利上げ確率の後退予想によりじりじりと値を上げ、週明けのニューヨーク市場では目先の節目である155円を上抜けて高値155.30を示現した。
市場では155円を我が国財務省による介入の第1防衛線と警戒して来たが、先週の片山財務相の“為替相場の動向の経済への影響はプラス面、マイナス面があるが、マイナス面が目立ってきたことは否定しない。投機的な動向を含め、為替市場の過度な変動や無秩序な動きについて高い緊張感を持って見極めている。”との発言には未だ緊迫感は感じられない。

第2防衛線と警戒されている160円までの間で更に突っ込んだ円安進行に対する警戒の発言が出るのか、或いは実弾介入が実施されるのか定かではないが、三村財務官は“ドル円の動きと日米の長期金利差の推移を見ると、最近はやや乖離が見られる。ボラティリティーの変動がファンダメンタルズに関連する要因で必ずしも説明できない場合、やや無秩序な或いは過度な動きと言える。”と述べて、神田前財務官と同様にボラティリティーの高さが円買い 介入の引き金になるとの見方を示唆しており、その観点からは突然の実弾介入実施にも注意したい。
現在対中問題で頭を抱える高市政権は、政権発足以前から物価高抑制を標榜しているが、このまま円安進行を放置すれば輸入物価上昇を通じて、更なる物価押し上げ要因となることは百も承知であろう。
昨日発表になった、我が国の7月~9月期実質国内総生産(GDP)がトランプ関税の影響を受けてであろうか、6期ぶりにマイナスに転落して大型補正予算の観測が広がっており、本日午後3時半から予定されている高市首相と植田日銀総裁の会談が大いに注目されている。
高市首相が景気対策を優先して日銀に対して利上げを抑制するのか、それとも物価対策を優先して利上げへの慎重姿勢を緩めるのか?
前者であれば更なる円安進行は否めず、介入の可能性は増し、後者であれば再び155円割れの可能性が増すであろう。

アメリカでは20日に、一部政府機関閉鎖により遅れていた9月の雇用統計が発表されるが、こちらもFRB.による年内利下げを促すか否かの大きなポイントになりそうである。
最近、FOMC.メンバーの中での年内追加利下げ慎重論と利下げ推進論が真っ向から対立しているが、アメリカの実体経済は相当悪化しており、今回のニューヨーク市長選挙の結果にもそれは表れていると言える。
日米金利差縮小の遅れからの思惑でドル高&円安が進んでいるが、依然として我が国金融当局の介入や、アメリカからの円安是正要求などの突然の動きに注意したい。
先程、このレポートを書いている最中に片山蔵相が以下のコメント発した。
“市場を常に注視、円も国債も信認維持する。”
“為替動向は一方的で急激、憂慮している。”
“過度な変動を高い警戒感を持って見極め。”
“為替はファンダメンタルズ反映した安定推移が重要。”
介入に対して一歩進んだ発言と考えるが、市場の反応は薄い。
個人的には、こういう時こそ介入の大チャンスだと思うのだが….
今週のテクニカル分析
見立ては154.50のレジスタンスをブレークした為、更なる上昇を見込むが介入を含めた突然のドル下落に注意。
今週のレンジ
ドル円:153.50~156.50
ユーロ円:178.00~181.00



酒匂隆雄 (さこう・たかお)
酒匂・エフエックス・アドバイザリー 代表
1970年に北海道大学を卒業後、国内外の主要銀行で為替ディーラーとして外国為替業務に従事。
その後1992年に、スイス・ユニオン銀行東京支店にファースト・バイス・プレジデントとして入行。
さらに1998年には、スイス銀行との合併に伴いUBS銀行となった同行の外国為替部長、東京支店長と歴任。
現在は、酒匂・エフエックス・アドバイザリーの代表、日本フォレックスクラブの名誉会員。
公式ブログ:酒匂隆雄が語る「畢生の遊楽三昧」
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