レート・チェック
> 無料のFX口座開設でお肉・お米のいずれかゲット!
先週のドル円相場は、週の始値が157.93、高値が159.23、安値が155.62、そして終値が155.73と目まぐるしい展開を見せた。高値、安値の差は3円61銭で、1日としては約6カ月ぶりの大幅下落となった。ドル円相場が高値を付けたタイミングを見計らったかの様に日銀がレート・チェックを行ったとの観測が流れて、ドル円相場は一気に2円近く下落して157.31を付けた。
2026年1月26日号
先週のドル円相場は、週の始値が157.93、高値が159.23、安値が155.62、そして終値が155.73と目まぐるしい展開を見せた。
高値、安値の差は3円61銭で、1日としては約6カ月ぶりの大幅下落となった。
週初は、衆議院の解散・総選挙を控えて与野党いずれも消費減税を標榜したことで、一段と財政継続性に対する不透明感が高まり、本邦長期国債が売られ(利回りは上昇)、円が売られる展開となった。
又グリーンランド問題を巡るトランプ大統領の欧州8カ国へ2月1日発動の10%関税と言う強硬姿勢を受けて、欧州側も報復関税を掛けると宣言して欧州との対立が先鋭化すると、 “米株安、米債券安、ドル安。”のトリプル安が起きて“米国売り。”の様子を呈すると、再びトランプがTACO.った。
トランプは出席したダボス会議に於いて、対欧州への関税引き上げを見送り、グリーンランド問題に関しても武力行使を行わないと語り、市場には安心感が広がってトリプル安の巻き戻しの、“米株高、米債券高、ドル高。”が一時的に起きて、ドル円相場は158円台のHigh.を試す展開となった。
22日~23日に開催された日銀政策決定会合では市場予想通りに政策金利は据え置かれ、展望レポートでは2026年度の経済成長見通し、物価見通しがともに上方修正と、ややしっかりしたものとなったが市場の反応は薄く、ドル円相場は159.23迄買い進まれる展開となった。
そしてその高値を付けたタイミングを見計らったかの様に日銀がレート・チェックを行ったとの観測が流れて、ドル円相場は一気に2円近く下落して157.31を付けた。
その後、恐る恐るドルの買い戻しが入ってロンドン・ニューヨーク市場では158円台で推移していたが、ニュヨーク時間のお昼前にFRB.が日銀と同じくドル円相場のレート・チェックを行ったと言う報道に市場は驚き、ドルは当日の安値155.62の安値迄売られる事となった。

そもそも、レート・チェックとは何か?
現在のやり方は、筆者が現役だった25年前とは違っているかも知れないが、まあそう大差は有るまい。
日銀は、常に銀行とは密接な関係を持っており、直通電話を通して相場の話をする。
日銀:“今日の相場環境はどうですか?”
銀行:“休み明けという事もあり、輸入決済が多く、ドル買いが先行しています。”
と言った具合である。
実際に介入をする時は、二通りのやり方が有る。
市場の実勢が159.00~159.02だとする。
- Best.ベースでオーダーする。
日銀:“Best.で2億ドル売って下さい。”
銀行:2億ドル売った数分後、“平均レート158.72で2億ドル売りました。”と日銀に報告する。
銀行は自分のポジションも乗せてドルを売るので、実際は2億5千万ドルくらい売るので、市場へのインパクトは大きい。
銀行は159.00で売った自分のポジションは後程下がった所で買い戻せば利益を上げることが出来る。
- 日銀が銀行の提示する値をヒットする。
日銀:“ドル円のプライスを下さい。”
銀行は日銀が何をしたいかは分かっており、リスク回避の為に値をずらす。
銀行:“158.90~159.05です。”
日銀:“158.90で2億ドル売ります。”
となり、158.90で約定するが、往々にして158.90以上では売り捌くことが出来ず、仕方ないので銀行は158.85、158.80と売り続けて2億ドル分プラス自己ポジションのドル・ショートを作り、後程下がった所で買い戻せば利益を上げることが出来る。
レート・チェックの場合は、“ドル円のプライスを下さい。”と言うダイレクトな要求ではなく、“現在のドル円相場は幾らですか?”と言う、正に市場の値をチェックするだけであるが、ディーラーは介入の前兆と判断してドルを売る訳である。
筆者は、ニューヨーク滞在中にニューヨーク市場で直接FRB.の介入、そして横浜の我が家の自宅でFRB.からの電話を受けてドル円の介入を行ったことが有るが、何れも1.のやり方であった。
正直言って、FRB.のレート・チェックと言うのを聞くのは初めてである。
先週、グリーンランド問題によるトリプル安の煽りを受けて、米国債売りが台頭して利回りが急上昇し、ベッセント米財務長官は日本発の国債売りが影響していると述べて片山財務相と協議し、日米が協力して円売りと債券売りに対して、何とかして市場の安定を図ろうとしたことは間違いあるまい。
先週のレポートでトランプの横暴に嫌気して、“欧州のSovereign.=(国家、主権者)や機関投資家からのドル資産からの脱極が起きても不思議ではない。”と指摘したが、デンマークの年金基金が米国債投資からの離脱を表明した。
額は大したことはないが、この状況が続くであろう事には驚かない。
今回のレート・チェックは、日銀は日本時間金曜日の午後4時、FRB.は日本時間土曜日の午前1時と言う流動性の低い時間を狙って(?)行われたが、市場参加者が上手く乗り切れたかどうか、甚だ疑問である。
因みに我が国投資家は火曜日の時点で前週の7億ドルの売り持ちからドテンして約2億ドルの買い持ちに転じた。
又シカゴ・IMM.は前週から殆どポジションを変えずに約35億ドルの買い持ちのままである。
恐らく両者共にドルのロングを切ってはいないであろう。
今回日銀とFRB.は、“全く銭を使わず。”に凡そ4円の水準訂正に成功したが、個人的には、2011年の東日本大震災以来の日米協調実弾介入の可能性が高まっていると信じる。
今週のテクニカル分析
見立ては、当然下を目指す。
今週のレンジ
ドル円:152.00~156.00
ユーロ円:182.00~187.00



酒匂隆雄 (さこう・たかお)
酒匂・エフエックス・アドバイザリー 代表
1970年に北海道大学を卒業後、国内外の主要銀行で為替ディーラーとして外国為替業務に従事。
その後1992年に、スイス・ユニオン銀行東京支店にファースト・バイス・プレジデントとして入行。
さらに1998年には、スイス銀行との合併に伴いUBS銀行となった同行の外国為替部長、東京支店長と歴任。
現在は、酒匂・エフエックス・アドバイザリーの代表、日本フォレックスクラブの名誉会員。
公式ブログ:酒匂隆雄が語る「畢生の遊楽三昧」
> 無料のFX口座開設でお肉・お米のいずれかゲット!
