FOMC.と日銀政策決定会合
> 無料のFX口座開設でお肉・お米のいずれかゲット!

今週の日米金融政策、先ずは16日から17日の予定でFOMC.が開催されるが、8月の米雇用統計が弱い結果だったことから0.25%の利下げは確実視され、市場の一部では0.50%の大幅利下げを見込む向きも有る。
2025年9月16日号
今週は、日米で金融政策が発表される。
先ずは16日から17日の予定でFOMC.が開催されるが、8月の米雇用統計が弱い結果だったことから0.25%の利下げは確実視され、市場の一部では0.50%の大幅利下げを見込む向きも有る。
これを受けて株式市場では株価の騰勢が続き、ニューヨーク株式市場では先週ダウ、ナスダック、そしてS&P.の3指数が市場最高値を更新し、日経平均株価も本日市場初の4万5千円台を付けた。
米長期金利も低下傾向が続き、10年債利回りは昨日4.03%を割り込んだ。
ところが為替相場、特にドル円相場はもうかれこれ2ヶ月も147円を中心とするレンジにどっぷりと浸かってしまい、にっちもさっちも行かない状況が続いている。
その理由はこのレポートでも述べている様に、現在市場に“ドル安要因。”と“円安要因。”が存在しており、円高になれば“円安要因。”を重視する参加者(輸入業者や個人投資家。)がドル買い&円売りに走り、逆に円安になれば“ドル安要因。” を重視する参加者(輸出業者や一部のヘッジ・ファンドなど)がドル売り&円買いに走ってレンジの底、そして天井共に固いことが挙げられようか?

今年のドル円相場は157円台から始まったが、当時のドル円相場に対する相場観は、筆者も含めて日米金利差縮小の思惑から年央、年末に掛けてドル安&円高に進むと言う意見が圧倒的に多かった。
ところが実際には4月に一瞬140円台を割り込んだ後はじりじりとドル高&円安が進んで、ドルを買わなくてはならない輸入業者によるドルの手当てが遅れてしまい、“何とかドルを安く買いたい。”と言う意欲が高まった。
そこで米系証券を中心とした“利にさとい。”連中がオプションを駆使したデリバティブ商品を開発して輸入業者に売り出したらしく、これがドルの底値を固くしている要因の一つだと聞く。
そのデリバティブ商品は、TARF(Target Accrual Redemption Forward)、累積目標型為替デリバティブ取引)と呼ばれて、有利な為替レートで輸入決済したい、もしくは運用利回りを上げたい輸入業者に大流行りらしい。
ドル円相場がレンジ内か、或いは円安に推移すれば輸入業者に利益をもたらすらしいが、この商品の恐ろしいところは、目先のデルタ・ヘッジのドル買いの何倍(何十倍)も大きなドル・プット・オプションを売っていることで、其処には無限の損失を被るリスクが存在する。
これはドルがあるレベル以上に下がると、ヘッジの為に巨額のドル売りが出現することになる。
そのレベルについては、全く知識が無い。
言いたいことは永らくレンジ相場が続いているが、何れはこのレンジはブレークして何方かに相場は走る事になり、個人的には下サイドへのブレークが起きた場合のインパクトが大きいだろうと思っている。
18日~19日の予定で開催される日銀政策決定会合に関しては、自民党総裁選が繰り広げられる中据え置きが見込まれるが、会合後の植田総裁の会見が注目される。
前回7月の会合後の記者会見では、トランプ関税の影響を見極めながら暫く様子見の姿勢が示されたが、8月に公表された“主な意見。”では、“早ければ年内に現状の様子見モードが解除出来るかも知れない。物価の上振れリスクを重視せざるを得ない。”などのタカ派的な意見も見られ、植田総裁から10月以降の決定会合での利上げの可能性に対しての布石となる発言が出る可能性についても留意したい。
どうやら日米関税交渉が決着し、ベッセント米財務長官から日銀の“煮え切らない態度。”に対して文句とまでは言わないが、“利上げに対しての注文”が出ても不思議ではない。
そしてそれがベッセント米財務長官の思惑である、円安阻止にも繋がるのである。
何かを知ってか知らずか、シカゴ・IMM.が先週約16億ドルの売り持ちを増やしてネットで78億ドルの売り持ちポジションとなった。

我が国個人投資家は相変わらず、レンジ内でドルが下がればドルの買い持ちを増やして、ドルが上がればそれを利食って凡そ10億ドルの買い持ちを保持している。
今週のテクニカル分析
見立ては先週と同じく146~149のレンジを予想。上下何れかをブレークすると、その方向に更に動く可能性を指摘するが、下サイドへのブレークにより注意。
今週のレンジ
ドル円:146.00~148.50
ユーロ円:172.00~175.00



酒匂隆雄 (さこう・たかお)
酒匂・エフエックス・アドバイザリー 代表
1970年に北海道大学を卒業後、国内外の主要銀行で為替ディーラーとして外国為替業務に従事。
その後1992年に、スイス・ユニオン銀行東京支店にファースト・バイス・プレジデントとして入行。
さらに1998年には、スイス銀行との合併に伴いUBS銀行となった同行の外国為替部長、東京支店長と歴任。
現在は、酒匂・エフエックス・アドバイザリーの代表、日本フォレックスクラブの名誉会員。
公式ブログ:酒匂隆雄が語る「畢生の遊楽三昧」
> 無料のFX口座開設でお肉・お米のいずれかゲット!