酒匂隆雄の「為替ランドスケープ」 

FOMC、日銀政策決定会合、日米首脳会談を終えて

2026/03/23

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先週は多くのイベントが有り、FOMC.メンバーによる金利見通し(ドット・チャート)では、2026 年末時点の中央値が 3.375%、27 年末時点が 3.125%、28 年末時点が 3.125%となり、年内 1 回の利下げ予想が維持された。

2026年3月23日号

先週は、FOMC、日銀政策決定会合、日米首脳会談など、多くのイベントが有った1週間であった。

先ずはFOMCであるが、市場予想通りにFed Fund.レートの誘導目標を3.50-3.75%に据え置くことを決定し、声明では“経済見通しに関する不確実性は依然として高い水準にある。中東の動向が米経済に及ぼす影響は不透明。”と指摘し、同時に公表されたFOMC.メンバーによる金利見通し(ドット・チャート)で は、2026 年末時点の中央値が 3.375%、27 年末時点が 3.125%、28 年末時点が 3.125%となり、年内 1 回の利下げ予想が維持された。

FOMC.後の記者会見でパウエルFRB.議長は、“短期的なインフレ期待はここ数週間で上昇。エネルギー価格の上昇はインフレ率を押し上げる。インフレ面での進展なければ、利下げはない。金利をやや抑制的な水準で維持することが重要。”などとややタカ派的な発言すると、米10年債利回りが4.25%台に上昇し、ドル円相場は週の高値となる159.89を示現した。

翌日に終了した日銀政策決定会合に於いても、政策金利である無担保コール翌日物金利の誘導目標を0.75%で据え置くと決めて、日米共に政策金利の変更は無かったが、日銀の植田和男総裁は会合後の記者会見で、“中東情勢の緊迫化に伴う原油価格上昇でリスク・シナリオの可能性が高まった。もう少しデータや情報が整ったところでもう一度点検し、政策を判断する。”と述べて利上げ路線を維持する意向を改めて示したうえで、“物価上昇や景気悪化の影響の大きさなどを踏まえ、最も適切な対応を選択する。”と述べ、市場はこれをややタカ派的発言と捉えてドル売り&円高が進み、此方は週の安値となる157.51を示現した。

ところが日本が春分の日で市場が休場の中、金曜日は中東情勢の悪化を嫌気して円売りが進んで再び159円台を回復して週を終える事となった。

今週も中東情勢に関する報道が市場の主役となりそうで、甚だやり難い状況が続きそうである。

筆者は相変わらずトランプが率いる米軍が圧倒的にイラン革命防衛隊を凌駕しており、此の中東情勢は遅かれ早かれ落ち着くと思っているのだが、市場では悲観的な意見も聞かれる。行われるのか、大いに興味のあるところである

Worst case scenario.=(最悪のケース。)と言うよりは、Worse case scenario.=(より状況が悪くなるケース。)に備えると言うのは、市場の本能と言えなくもない。

筆者は何方かと言うと、Best case scenario.=(最良のケース。)とまでは言わないが、Better case scenario.=(より状況が良くなるケース。)を見込んでいると言っても良かろうか?

連休明けの東京市場では日経平均株価が前場は1790円安の51582円で終え、ドル円相場も159.50とドル高&円安が進んでいる。

10年債利回りは前週末の2.260%から一時2.325%迄上昇した後に正午現在で2.305%で取り引きされており、此方も金利上昇=債券安の、株安、円安、そして債券安のトリプル安の様相を呈している。

先週の日米首脳会談では高市首相が“世界に平和と繁栄をもたらせるのはドナルドだけだ。”と歯の浮く様なお世辞を言ってトランプを喜ばせ、市場では高市首相がうまく立ち回ったとの評価が多く、日米関係の安定が改めて意識された。 これにより、市場では日本側が為替対応を取りやすい環境が整ったのではないかとの見方も広がり、ドル円が 一段と上値を伸ばす局面では介入警戒が上値抑制要因として意識されるだろう。

三村財務官は今朝方円安進行を受けて、“為替が国民生活や経済に与える影響を踏まえ、いかなる時もあらゆる方面で万全の対応を取る。”と述べたが、矢張り160円に近付くにつれて介入警戒感が増して当然であろう。

我が国個人投資家は矢張り介入を警戒してか、前週からドルの売り持ちを6億ドル増やして、3月16日付けで約9億ドルの売り持ちポジションを保持している。

此方は当然ドルに対して弱気。

これに対して順張りが得意なシカゴ・IMM.は前週から21億ドル買い増して、3月17日付けで約54億ドルの買い持ちポジションを保持している。

此方は反対にドルに対して強気。

さて何方に軍配が上がるか?

今週のテクニカル分析

先週の下への調整を見てレンジを想定。

160.50を上切れば更なる上昇を見込むが、テクニカル分析は介入には無力である。

逆に157.00を下切れば、更なる下落に注意。

今週のレンジ

ドル円:155.50~160.50
ユーロ円:181.00~186.00

酒匂隆雄

酒匂隆雄 (さこう・たかお)

酒匂・エフエックス・アドバイザリー 代表
1970年に北海道大学を卒業後、国内外の主要銀行で為替ディーラーとして外国為替業務に従事。
その後1992年に、スイス・ユニオン銀行東京支店にファースト・バイス・プレジデントとして入行。
さらに1998年には、スイス銀行との合併に伴いUBS銀行となった同行の外国為替部長、東京支店長と歴任。
現在は、酒匂・エフエックス・アドバイザリーの代表、日本フォレックスクラブの名誉会員。


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