日本は米国債を売るのか?円安の影響とサポートラインの見方を川合美智子氏が解説
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2026年9月3日に配信した「マーケット女史24時」では、視聴者の皆さまから相場に関するさまざまなご質問をいただきました。
今回はその中から、「日本は米国債を売るのか」「円安は米国にとって利益になるのか」「サポートラインはどのように引くのか」という3つの質問について、外国為替ストラテジストの川合美智子氏が回答します。
為替相場を取り巻く国際的な資金の動きから、実際のトレードに役立つチャートの見方まで、川合氏の解説を紹介します。
※本記事の回答は、2026年9月3日の配信時点における川合美智子氏の見解です。
日本は米国債を売るのでしょうか?
川合美智子氏の回答
日米関係がよほど悪化しない限り、日本が保有する米国債を大量に売却する可能性は低いと考えています。
一方、このところ日本の長期金利が急上昇し、問題視されるなか、これまで安定・安全資産として購入してきた米国債の一部を売却し、日本国債の購入資金に充てることで、長期金利の上昇を抑え、債券市場の安定化を図ろうとする動きはあるようです。
また、直近の為替介入では「FIMA」を利用したため、米国債の売却にはつながりませんでしたが、今後、為替変動を抑えるために円買い介入を行う際には、米国債の一部を売却する可能性もあります。
これらは日本の金融政策上の事情によるものですが、米国債市場へ大きな影響を及ぼすほどの大量売却を避けるのは当然のことでしょう。
日米両国の債券市場に大きな影響を与えるような動きにはつながらないと考えています。
FIMAとは?
FIMAレポ・ファシリティ(FIMA Repo Facility)とは、海外の中央銀行や通貨当局が保有する米国債を一時的に米連邦準備制度理事会(FRB)へ差し入れ、ドル資金を調達できる仕組みです。
保有する米国債を市場で直接売却せずにドルを調達できるため、米国債市場への影響を抑える役割があります。
円安は米国にとって利益になるのでしょうか?
川合美智子氏の回答
円安には、米国が日本の輸出製品を安価で輸入できるというメリットがあります。
その一方で、日本製品の価格競争力が高まることは、米国の国内製造業の競争力を低下させ、貿易摩擦につながるリスクを高めることにもなります。このため、米国としても大幅な円安は避けたいところでしょう。
ただし、日本企業の多くは過去の円高局面で製造拠点を海外へ移してきました。米国内にも日本企業の製造拠点が多く存在するため、円安による影響を単純に判断することはできません。
米国にとってドル安は、輸出企業の価格競争力を高めるというメリットがあります。そのため、対日貿易や対外貿易の面では、円高・ドル安の方が望ましいと考えられます。
一方、米国へ海外からの投資を呼び込み、基軸通貨としてのドルへの信認を維持するためには、ドルの価値を大きく下げるわけにもいきません。
こうした事情から、米政府高官からは安定的なドル高を望む発言も多く見られます。
つまり、円安は米国に一定のメリットをもたらすものの、米国の製造業や貿易、海外からの投資まで含めて考えると、必ずしも米国全体にとって有利とは限りません。
サポートラインやレジスタンスラインは、どのように引けばよいのでしょうか?
視聴者からの質問
今後のドル円相場が気になります。
川合さんのブログを毎日拝見していますが、サポートラインなどの見方を教えてください。
川合美智子氏の回答
相場が大きく動いた重要な高値や安値を起点として、できるだけ多くの安値、または高値を結べるポイントを探してラインを引いています。
例えば日足の場合は、起点となる安値や高値を選び、できるだけ多くのポイントを結べるところにラインを引きます。

その後、サポートラインやレジスタンスラインを抜けた場合はラインを修正し、新たに複数の高値や安値を結べるところで引き直します。
サポートラインを下抜けた場合は、短期的なトレンドが変化したと考えて買いを控え、戻り売りのタイミングを探します。レジスタンスラインを上抜けた場合は、その逆のパターンと考えます。
また、週足はやや中期的なトレンドを確認するうえで重要です。
まず週足で相場の本来の方向性を確認し、その方向性を念頭に置きながら、日足や時間足を使って短期的な買い場・売り場を探ってトレードしています。

サポートラインやレジスタンスラインは、一度引いたら終わりではありません。
相場の動きによってラインを抜けた場合は、新しい高値や安値を基準に引き直し、現在のトレンドを確認することが大切です。
まとめ
今回のQ&Aでは、日本が保有する米国債、円安が米国経済に与える影響、チャート上のサポートラインとレジスタンスラインの見方について解説しました。
日本が米国債を大量に売却する可能性は低いと考えられるものの、金融政策や為替介入を目的として、一部が活用される可能性はあります。
円安による米国への影響については、以下のような両面があります。
・メリット: 日本製品を安く輸入できる
・デメリット: 米国の製造業には不利に働きやすく、米国全体にとって一方的に有利とはいえない
実際のトレードでは、週足で中期的な方向性を確認したうえで、日足や時間足のサポートライン、レジスタンスラインを使って売買のタイミングを探ることが重要です。
ラインを固定的に捉えるのではなく、相場の変化に合わせて引き直しながら、現在のトレンドを判断していきましょう。
9月3日配信の「マーケット女史24時」もあわせてご覧ください。
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