【2026年7月9日 マーケット女史Q&A】円安はいつまで続く?ドル円と銀相場の見通し
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主要通貨に対する円安が続くなか、「円高へ転換する兆しが見えない」と感じている方も多いのではないでしょうか。
ドル円はどこまで上昇する可能性があるのか。為替介入が実施された場合、円安トレンドは変わるのでしょうか。
また、太陽光発電などで使用される銀についても、今後の相場を知りたいという質問が寄せられました。
2026年7月9日に配信した「マーケット女史24時」のアンケートに寄せられた質問に、川合美智子さんがチャートの視点から回答します。
質問1 円安はいつまで続く?
質問
もう円安イヤです。前から円安キライでしたけど、どこの誰に聞いても、円高に転換する兆しが全く見えません。
円安はいつまで続くのでしょうか?
川合美智子さんの回答
現在は円の中・長期のトレンドが弱く、主要通貨に対して円全面安の状態となっています。ドル円のチャートを見ても、まだ上値の目途を判断できません。
ただし、164~165円では、介入などによって一旦調整が入る可能性も高いと見ています。この場合でも、156円を割り込んで取引を終えない限り、下落は調整の範囲内となります。
また、150円を割り込んで取引を終えない限り、中・長期のトレンドは大きく変わりません。可能性はまだ低い状態ですが、150円を割り込んで取引を終えた場合には、140円方向への円高が視野に入ってきます。
為替介入があった場合は、5~6円程度の調整下げが起こる可能性があります。
しかし、チャートはまだ強い状態を維持しており、介入があったとしても、トレンドを変えるほどには至らない可能性が高いと見ています。
高市政権が円安容認の姿勢を色濃くしていることや、日本の財政規律に対する海外勢の厳しい視線は、円売りを誘う要素となっています。
一方で、円の実効相場が変動相場制への移行後、最も弱い水準にあるという点にも注意が必要です。
日本経済の実態や好調な企業収益などから見れば、ファンダメンタルズ的には明らかに円安方向へ歪みすぎています。
円の実効相場の歪みは、物価のさらなる上昇と為替相場の円安是正を伴う形で、今後修正されるでしょう。
早ければ8月から9月に、その動きが始まる可能性があります。
編集部ポイント
川合さんの回答では、ドル円が円高トレンドへ転換するために必要な水準が、具体的に示されています。
重要な価格帯を整理すると、次のとおりです。
・164~165円:為替介入などによる調整が入りやすいと見られる水準
・156円:下落が一時的な調整の範囲内かどうかを見るポイント
・150円:中・長期の円安トレンド転換を判断する重要水準
・140円方向:150円を明確に割り込んだ場合に視野に入る水準
これらは、川合さんが2026年7月時点のチャートから示した目安です。
仮に為替介入によってドル円が5~6円下落しても、それだけで円安トレンドが終了したとは判断できません。
例えば、165円から159円まで下落しても、156円や150円を割り込まなければ、チャート上では円安トレンドの中の調整と判断される可能性があります。
なお、為替介入を実施するのは政府であり、財務大臣の権限の下、日銀が政府の代理人として実務を行います。
また、「高市政権が円安容認の姿勢を色濃くしている」という部分は、政府が円安容認を公式方針として発表したという意味ではなく、川合さんによる政権姿勢の評価です。
すぐに円高へ転換するとは限りませんが、円安の行き過ぎが物価上昇や政策対応を通じて修正される可能性にも、注意が必要です。

質問2 今後の銀相場をどう見る?
質問
銀の値動きはどうか、教えていただきたいです。
太陽光発電には、金は高いため銀が使われていて、銀を買っておくと良いらしいですね。今後の銀相場について、川合さんの見方を教えてください。
川合美智子さんの回答
銀の値動きを継続的に追っているわけではないため、長期的なトレンドについては、はっきりとは分かりません。
ただし、短期的にはトレンドがまだ弱く、しっかりと反発に転じるまでには、あと1カ月ほどかかる可能性があります。金と同様に、円建てよりもドル建ての価格の方が、チャートとして参考になるようです。
回答時点では1トロイオンス=58ドル近辺ですが、トレンドはまだ弱く、75ドル台に乗せてくるまでは、上値余地が広がりにくい状態です。
一方、下値の目途としては、45~48ドル近辺が中期的に厚い下値抵抗となるポイントです。この水準まで下落する場面があれば、買ってみるのもよいかもしれません。円建てでは、1グラム=230~240円近辺が目途となりそうです。
ただし、銀の需要は今後増加する可能性がありますが、金のように通貨の代わりとしての役割を持っているわけではありません。
また、中央銀行の外貨準備の一部に組み入れられている商品でもありません。
そのため、相場が下落した場合には、下支えとなる中央銀行の買いや、金に見られるような値ごろ感からの買い支援が入りにくく、下げがオーバーシュートする可能性があります。
銀を保有するのであれば、資産の分散投資の一部として考えるのがよいかもしれません。
編集部ポイント
銀は、貴金属としての側面と、工業用資源としての側面を持つ商品です。
太陽光パネルでは、電気を効率よく流すための電極材料などに銀が使用されています。
質問文にある「金が高いため銀が使われている」という説明だけではなく、銀が高い電気伝導性を持ち、太陽光発電設備に適した材料であることも、使用される大きな理由です。
太陽光発電や電子機器などの需要拡大が期待される一方で、金とは異なり、中央銀行が準備資産として継続的に買い入れる商品ではありません。
そのため、需要増加への期待だけでなく、価格が下落した際に買い支える主体が少ない点にも注意が必要です。
川合さんが回答時点のチャートから示した価格の目安は、次のとおりです。
・75ドル台:上値余地が広がるために必要と見られる水準
・45~48ドル:中期的に下値抵抗が厚いと見られる水準
・1グラム230~240円:円建て価格での一つの目安
銀は金と比較して市場規模が小さく、値動きが大きくなることがあります。
上昇局面では金を上回る勢いで値上がりする可能性がある一方、下落局面では想定以上に価格が下がる可能性もあります。
保有を検討する際には、銀だけに資金を集中させず、分散投資の一部として考えることが重要です。
まとめ
今回の川合美智子さんの回答では、円安が続くドル円相場と、今後の銀相場について解説していただきました。
重要なポイントは、次のとおりです。
・円は主要通貨に対して全面安の状態が続いている
・ドル円は164~165円で、介入などによる調整が入る可能性がある
・156円を割り込まなければ、下落は調整の範囲内と見られる
・中・長期の円安トレンド転換には、150円割れが重要
・銀は75ドル台に乗せるまで、上値余地が広がりにくいと見られる
・45~48ドル近辺は、中期的な下値の目安
・銀は値動きが大きいため、分散投資の一部として考えることが重要
ドル円は、為替介入によって一時的に下落したとしても、重要な価格水準を割り込まなければ、円安トレンドが継続する可能性があります。
銀については、太陽光発電などを通じた需要の拡大が期待される一方、金とは異なる性質や価格変動の大きさにも注意が必要です。
相場を取り巻く材料だけでなく、チャート上の重要な価格帯を確認しながら判断することが大切です。
次回のマーケット女史24時もお楽しみに
「マーケット女史24時」では、川合美智子さんと松崎美子さんが、ドル円、株式市場、欧州通貨、金融政策など、注目のマーケット動向をわかりやすく解説しています。
皆さまから寄せられた相場に関する質問にも、番組内やQ&A記事でお答えしていきます。
次回の配信も、ぜひご覧ください。
※本記事は2026年7月9日配信の「マーケット女史24時」に寄せられた質問への回答を、2026年7月時点の情報をもとに構成したものです。記事内の相場水準は、回答時点における出演者の見解です。
※本記事は出演者個人の見解を紹介するものであり、特定の金融商品への投資を推奨するものではありません。投資に関する最終的な判断は、ご自身の責任でお願いいたします。
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