【2026年7月9日 マーケット女史Q&A】FRBは年内利上げする?ポンドとユーロの関係
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ポンドとユーロは同じ欧州通貨として、似た動きをするものなのでしょうか。
また、今後の為替相場を考えるうえで大きな焦点となるのが、FRBの金融政策です。年内に再び利上げへ動く可能性はあるのでしょうか。
2026年7月9日に配信した「マーケット女史24時」のアンケートに寄せられた質問に、ロンドン在住の為替ストラテジスト・松崎美子さんが回答します。
質問1 ポンドとユーロの相関を、現地ではどう見ている?
質問
ポンドとユーロの動きの相関について、現地の人の目線から知りたいです。
松崎美子さんの回答
質問者さんの質問の真意がよく理解できないのですが、もしかして「イギリスに住んでいる人や、ロンドンの市場参加者は、ポンドとユーロをどのような関係で見ているのか?」ということかと思い、それに対してお答えします。
現地ロンドンで感じるのは、ポンドとユーロは「仲間の通貨」というよりも、「比較されるライバル通貨」という見方が強いイメージを持っています。
もしかしたら日本では、「欧州通貨だからユーロとポンドは似ている」という印象を持っているのかもしれません。
しかし、ロンドンでは、
・ユーロはユーロ
・ポンドはポンド
というように、完全に別の商品として見ています。
両者は欧州景気やドル相場の影響で、同じ方向に動くことも多くあります。それは、英国とユーロ圏の景気循環が似ているためかもしれません。
しかし、ECBと英中銀の金融政策や、それぞれのファンダメンタルズに違いが出てくると、市場はその違いを積極的に取引します。
そのため、ユーロとポンドの強弱を示すEUR/GBPが大きく動き、両通貨の相関も崩れます。
編集部ポイント
ポンドとユーロは、ともに欧州を代表する通貨です。ドル高やドル安の影響を受けて、同じ方向へ動く場面も少なくありません。
ただし、常に同じ値動きをするわけではありません。
特に注目したいのが、ECBと英中銀の金融政策や、英国とユーロ圏の景気の違いです。
例えば、ECBが金利を引き上げる一方で、英中銀が据え置きを続ければ、金利差への見方からEUR/GBPが動く可能性があります。
ポンドとユーロを見る際は、「どちらも欧州通貨だから同じように動く」と考えるのではなく、次の点を比較することが重要です。
・ECBと英中銀の金融政策
・英国とユーロ圏の景気動向
・インフレ率や雇用情勢
・ドル相場の方向性
・EUR/GBPの値動き
同じ方向に動いているように見えても、その背景や強弱には違いがあります。

質問2 FRBは年内に利上げをする?
質問
年内にFRBは利上げをするのか注視しています。松崎さんは、今後のFRBの政策をどのように見ていますか?
松崎美子さんの回答
私は、年内に利上げが行われる可能性は低いと考えています。もちろん、インフレが急加速すれば話は別です。
しかし、現在のFRBはウォーシュ議長の下で、「金融政策の枠組みそのものを見直す5つのタスクフォース」を進めています。
そうした改革が進行している間は、政策金利を頻繁に動かすよりも、現状を維持してデータを見極める可能性が高いのではないでしょうか。
もし今後、どちらか一方向に金利を動かすとすれば、私自身は利上げよりも、小幅な利下げの方が可能性は高いと考えています。
また、ウォーシュ議長を見ていて感じたことですが、私自身はFRBの金利の方向性を当てることよりも、「現在のFRBが何を優先しているのか」を重視しています。
優先順位を見る限り、年内は制度改革とデータの見極めが中心となり、利上げはハードルが高いと思います。
基本的には据え置きとなり、景気が明らかに減速してきた場合には、
「実質金利が意図せず引き締め的になっているのであれば、少し調整しよう」
という発想から、保険的な利下げがあるかもしれません。
編集部ポイント
松崎さんは、年内のFRBについて、利上げよりも据え置きが基本になると見ています。今後は政策金利の予想だけでなく、「FRBが現在何を優先しているのか」を見ることも重要です。
注目したい点は、次のとおりです。
・インフレが再び急加速するか
・雇用や個人消費がどこまで減速するか
・現在の政策金利が景気に与える影響
・実質金利が引き締め的になりすぎていないか
・FRBが制度改革と金融政策をどのように両立させるか
インフレが再び強まれば、利上げ観測が浮上する可能性があります。
一方で、景気や雇用の減速が明確になれば、景気悪化を防ぐための小幅な利下げが選択肢に入る可能性もあります。
ただし、これは松崎さんによる2026年7月時点の見通しです。今後発表される物価や雇用などの経済指標によって、FRBの政策見通しは変化する可能性があります。
まとめ
今回の松崎美子さんの回答では、ポンドとユーロの関係と、今後のFRBの金融政策について解説していただきました。
重要なポイントは、次のとおりです。
・ロンドンでは、ポンドとユーロは「仲間」ではなく「比較されるライバル通貨」として見られている
・両通貨は同じ方向に動くこともあるが、金融政策や景気の違いによって相関が崩れる
・松崎さんは、年内のFRBによる利上げの可能性は低いと見ている
・基本的なシナリオは政策金利の据え置き
・景気が明確に減速した場合は、小幅な利下げの可能性もある
ポンドとユーロの動きを見る際には、ドル相場だけでなく、ECBと英中銀の金融政策の違いにも注意が必要です。
FRBについても、利上げか利下げかだけで判断するのではなく、現在どの課題を優先しているのかを確認することが、今後の相場を考えるうえで重要になりそうです。
次回のマーケット女史24時もお楽しみに
「マーケット女史24時」では、川合美智子さんと松崎美子さんが、ドル円、株式市場、欧州通貨、金融政策など、注目のマーケット動向をわかりやすく解説しています。
皆さまから寄せられた相場に関する質問にも、番組内やQ&A記事でお答えしていきます。
次回の配信も、ぜひご覧ください。
※本記事は2026年7月9日配信の「マーケット女史24時」に寄せられた質問への回答を、2026年7月時点の情報をもとに構成したものです。
※本記事は出演者個人の見解を紹介するものであり、特定の金融商品への投資を推奨するものではありません。投資に関する最終的な判断は、ご自身の責任でお願いいたします。
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