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酒匂隆雄が語る「畢生の遊楽三昧」 第81回
  
公開日:2017年3月21日

 

国内外の銀行で為替ディーラーとして活躍され、その華麗な取引手腕から「貴公子」と称された酒匂隆雄さん。為替ディーラーの第一人者の顔とは別に、レーシング、海外旅行、ワイン・グルメに温泉旅行と、様々な趣味をお持ちで、人生を楽しく過ごすことに関しても一流人です。

このコンテンツでは、楽しい話題や日々の生活、たまには為替マーケットについて語っていただきます。

相場の動意、余り見られず

先週はFOMC、オランダ下院選挙、そして週末のG20とイベント盛り沢山であったがドル・円相場に余り動意が見られない。先週はイベント前にはドル上昇期待で高値115.19を付けたがFOMCでの利上げ決定後には直ぐに失速し、本日連休明けの火曜日には安値112.24を付けた。

我々がよく言う所の「Buy on rumor, sell on fact.」(噂で買って事実で売る。言い換えると事が起きる前にリスクを取ってドルを買ってみておいて、実際に事が起きると利食いの売りを入れる)が起きた訳であるが、「何故FRBが利上げに踏み切ったのにドルは下がるんだ?」と訝る方も多かろう。

期待に反してドル・円相場が大きく動かない理由の一つに、市場参加者の現在の相場レベルに対しての自信の無さが挙げられようか?

最近は個人投資家が東京外為市場のシェアの半分以上を占めていると言われるが、ある大手外為取引業者が公表している顧客の売買オーダー状況を見ると現在の112.50~112.70のレベルでは、「上がったら売りたい。」と言う指値の売りオーダーと「上がったら買いたい。」と言う逆指値のオーダー、そして逆に「下がったら買いたい。」と言う指値の買いオーダーと「下がったら売りたい。」と言う逆指値のオーダーが存在する。

ちょっと分かり難いかも知れないが、現在112.70だとすると113.00になったら利食うか、或いは新規のショート・ポジション(売り持ちポジション)を作りたいと言うオーダーは単純な指値の売りオーダーと言う。

逆に113.00になったらトレンド・フォローする為に新規のロング・ポジション(買い持ちポジション)を作る為に追っ掛けて買うか、或いは既に112.50辺りでショートにしていて損切りをする為に入れるオーダーを逆指値の買いオーダーと呼ぶ。

現在の112.70から112.50まで相場が下落したら全く逆の現象が起きる。112.50になったら利食うか、或いは新規のロング・ポジション(買い持ちポジション)を作りたいと言うオーダーは単純な指値の買いオーダーと言う。

逆に112.50になったらトレンド・フォローする為に新規のショート・ポジション(売り持ちポジション)を作る為に追っ掛けて売るか、或いは既に113.00辺りでロングにしていて損切りをする為に入れるオーダーを逆指値の売りオーダーと呼ぶ。

お分かりになりました?昨年のアメジスト香港さん主催のセミナーで何回か申し上げたが、為替取引を行うに当たって極めて重要なのはリスク及び資金管理である。リスク管理を上手くやれば自ずから上手な資金管理が出来る。

巷では個人投資家の8割が損をすると言われているが此れは個人投資家の多くの相場見通しが間違っていると言う事ではない。相場は単純で上がるか下がるかのどっちかである。確率的には勝つか負けるかは五分五分の筈である。では何故8割の個人投資家が損をするか?それは傾向として損大利少と言って、損をする時にドカンと損をして儲ける時にはちょびっとしか儲からないからである。

どうしてか?

簡単である。

人間は極めて利己的で、自分がやった事(相場が上がると思えば買い、下がると思えば売る。)を常に正当化したいと思い、相場が逆に行くと相場のせいにして謙虚さを忘れる。下がると思って112.50で売る。其処が天井と成ってそのまま相場が下がる事は皆無で、少なかれ(例えば112.65)或いは多かれ(例えば113.50)上がることが多い。少なかれ(112.65)で済んでその後順調に下がって112.00で買い戻すことが出来たら50銭の利益。

パチパチパチ。

多かれ(113.50)に行くまで我慢すると悲劇である。潔く113.50で損切りするとあえなく1円の損失。がっくり。よし我慢だ!

113.00まで下がって来た。よし、もう一息!

112.65まで下がって来た。うーん、113.50でひやっとしたから、えーい、いいや。此処で損切りしよう。15銭の損失。

そして多くの場合、損切りした途端に下がってしまう。

上がると思って112.50で買う。其処が大底と成ってそのまま相場が上がる事は皆無で、少なかれ(例えば112.35)或いは多かれ(例えば111.50)下がることが多い。少なかれ(112.35)で済んでその後順調に上がって113.00で売り戻すことが出来たら50銭の利益。

パチパチパチ。多かれ(111.50)に行くまで我慢すると悲劇である。潔く111.50で損切りするとあえなく1円の損失。がっくり。

よし我慢だ!112.00まで上がって来た。よし、もう一息!

112.35まで上がって来た。うーん、111.50でひやっとしたから、えーい、いいや。此処で損切りしよう。15銭の損失。

そして多くの場合、損切りした途端に上がってしまう。恐らく、「えっ、俺の事を言ってるのかな?」と思った人は結構多い筈である。傾向として損をしている時はじっと我慢して傷口を広げて結局損切りをしてしまう(=損大)。逆に利が乗っている時は嬉しくて仕方なくて早目に利食ってしまう(=利少)。もうこれは人間の性であるから仕方ない。

結果として終わってみれば8割の人が為替取引で損をしてしまうのである。どうしたら残りの2割の勝ち組に入れるのか?

簡単である。リスク及び資金管理を上手にやればいいのである。そしてそれは必ず損切りを入れる事である。はい、其処の貴方「何時も損切り貧乏になっちゃうよ。」って言いました?それは貴方が売ってはいけない時に売って、買ってはいけない時に買っているからですよ。為替取引はのべつ幕なしにやってはいけません。

分からない時には我慢して、「ここぞ!」と言う時だけエントリー(取引する)すれば宜しい。

何だか普段とは違った真面目な話になってしまったが、続きはまた今度。我慢ですぞ、我慢!



酒匂隆雄氏プロフィール

酒匂隆雄  さこう・たかお

酒匂・エフエックス・アドバイザリー 代表

1970年に北海道大学を卒業後、国内外の主要銀行で為替ディーラーとして外国為替業務に従事。
その後1992年に、スイス・ユニオン銀行東京支店にファースト・バイス・プレジデントとして入行。
さらに1998年には、スイス銀行との合併に伴いUBS銀行となった同行の外国為替部長、東京支店長と歴任。
現在は、酒匂・エフエックス・アドバイザリーの代表、日本フォレックスクラブの名誉会員。

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