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酒匂隆雄が語る「畢生の遊楽三昧」 第35回

 

国内外の銀行で為替ディーラーとして活躍され、その華麗な取引手腕から「貴公子」と称された酒匂隆雄さん。為替ディーラーの第一人者の顔とは別に、レーシング、海外旅行、ワイン・グルメに温泉旅行と、様々な趣味をお持ちで、人生を楽しく過ごすことに関しても一流人です。

このコンテンツでは、楽しい話題や日々の生活、たまには為替マーケットについて語っていただきます。



為替相場が落ち着かない・・・

年初120.17で始まったドル円相場は、日銀がマイナス金利導入を決定した1月29日をピークにたった10日間で約10円も暴落したが、これは昨年の1年間の値幅である高値125.85、安値115.84の10円の値幅に匹敵する。

まあたった10日間で去年1年分の取引分をこなしたと言っても過言ではない。マイナス金利導入と言う事は日銀による新たな質的金融緩和であり、通常は円安になると言うのが学者的な発想であるが、為替相場はお偉いさんが考える様に動かないのが面白いところである。

 

 

いや、難しいところである。
お偉いエコノミストやストラテジストの言う事が当たるのであれば彼らの言う通りにしていれば儲かる筈であるがそうは行かない。思い起こして欲しい。年末・年初、恒例の「2016年のドル円相場はどうなるでしょうか?」と言う問いに対して多くの頭の良い(と思われる)お偉いさんたちが「2016年はアメリカが利上げをし、我が国はインフレ目標達成と景気浮揚のために金融緩和政策を続けなくてはならない。金利差拡大の観点から言ってもドル高&円安が自然の流れである」と言った。

ところがどっこい日銀が1月29日に金融緩和を決めた途端に大円高となった。そして誰も見通しを誤った頭の良いお偉いさんたちを責めようとはしない。何れにせよ相場とは当たらないものだからである。

筆者は(こう見えても?)1970年から2001年まで銀行員として過ごし、その殆どの間為替取引に従事してきた。いわゆる、プロの為替ディーラーと言うヤツである。為替ディーラーは銀行から与えられた権限の中で通貨を売買し、銀行の為に収益を上げ(日本の銀行の場合は大分違うであろうが)沢山儲ければどんどん偉くなって、どっさりボーナスを貰える。と言ってもその頃の税制は大変厳しくて、地方税を含めると凡そ65%もふんだくられた。

儲ければいいのだが、逆に損をすると即クビ!即と言っても実績が有れば半年や1年やられたくらいではクビにはならないが....。まあ要するにエコノミストやストラテジストと違って「言うだけ」では駄目で、ちゃんと利益を上げなければ偉くも何ともない。ボーナスを貰うか、クビになるかだけの違いである。(大きな違いでありますなあ)

昔から「ディーラーを殺すのに刃物は要らない。ボラティリティー(市場変動率)さえ奪えばいい」と言った。要するに為替相場が動かないとディーラーは御飯(おまんま)の食い上げになってしまい、職を失うと言う意味で、それはそれは大変な仕事なのである。(と、自分では思う)

我々個人投資家(かく言う筆者も今は個人投資家の端くれである。)は相場が分からない時や、(本職が忙しくて)時間が無い時は何もしなければいいのだが(相場を休むと言う。)彼らは違う。

プロのディーラー達は常に相場を張っている。(上がると思えば買い、下がると思えば売っている)此処だけの話だが、今年になってプロの為替ディーラー達も相当苦労している。

年初ドルが上がると思ってドルを買い(ドルの買い持ちと言う)1月29日からの下げでしこたまやられて112円近辺でドテンしてドルを売り(ドルの売り持ちと言う)、114.80まで反転したら「いけね!やはりドルは上がるんだ。」と思って再びドテンしてドルを買う。

そして111円台に揺り戻されて、結局はドルを買ってやられ、次は売ってやられ、再び買ってやられてドタバタしている感じがしてならない。

お気の毒様.....

 

 

その点我々は『いいとこ取り』だけを心掛けていれば良い訳で121円から落ち出したら追っ掛けて売り、111円から上がり出したら追っ掛けて買っていればいい。別に121円で売って111円で買い戻すなんて出来ないし、そんな神業なんて出来っこない。119円くらいで売りに出動して113円くらいで買い出動すれば宜しい。タイ焼きの頭と尻尾は食べなくてもいい。そもそも頭と尻尾には余り餡子は入っていないではないか?

さてそのドル円相場であるが先週今年の安値の107.63を付けて面白くなってきた。年初「125~130円に行く」と言っていたお偉いさんたちの一部が「105円を割るかも知れない」と言い出したのには苦笑を禁じ得ないが、まあ方向はそちらに行く可能性が高いかも知れませんなあ。

先週末のワシントンで開かれた主要20ヶ国地域・財務相・中央銀行総裁会議(G20)の前後に麻生財務大臣が「最近の円相場の一方的で偏った動きに強い懸念を有している」とルー米財務長官に伝えて、必要とあらば円売り介入も辞さないとの態度を示したことに対してルー財務長官は「最近円高が進んでいるが、市場は無秩序な状態ではない。G7、そしてG20参加国すべては通貨安競争の回避で一致した合意に忠実であることが重要だ」と突き放した。

まあこれで市場が期待しているドル買い&円売り介入の可能性は非常に低くなったかも知れない。先週は米国の一部の投機筋が短期的な思惑で日経平均先物を爆買いして株価が上昇し、それにつられてドル円相場も上昇したが結局110円を超える事は出来なかった。ドルの頭は重い。

今週は来週開催される日銀政策決定会合やゴールデン・ウィークを控えてドル円相場の下落は限定的なものに成りそうだが、勝負はゴールデン・ウィーク明けから5月末の伊勢志摩サミット、そして大勝負は6月のFOMCでの利上げ有りや無しかの行方に掛かりそうである。

いいですか、我々個人投資家は『分からない時には手を出さない』と言うのが鉄則ですぞ!



酒匂隆雄氏プロフィール

酒匂隆雄  さこう・たかお

酒匂・エフエックス・アドバイザリー 代表

1970年に北海道大学を卒業後、国内外の主要銀行で為替ディーラーとして外国為替業務に従事。
その後1992年に、スイス・ユニオン銀行東京支店にファースト・バイス・プレジデントとして入行。
さらに1998年には、スイス銀行との合併に伴いUBS銀行となった同行の外国為替部長、東京支店長と歴任。
現在は、酒匂・エフエックス・アドバイザリーの代表、日本フォレックスクラブの名誉会員。

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