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経済ジャーナリスト鈴木雅光の「奔放自在」 vol.60
公開日:2023年1月20日

投機と投資

なかなかこの2つの区別がつかない人は多いと思います。「投機」と「投資」。何が違うのでしょうか。それによって、資産形成で選ぶ商品が変わってくるので、しっかり理解しておく必要があります。

まず、資産形成の「資産」についてですが、これは一体何なのかということを考えてみたいと思います。

資産とは、バランスシートで言うと左側の「借方」にある部分を指しています。バランスシートは、左側が借方といって「資産」が、右側が貸方といって「負債」と「純資産」が表示されています。つまり純資産(自己資本)と借金を用いて資産を揃え、その資産を活用して収益を上げるのが、企業活動であり、それを示したのがバランスシートというわけです。

つまりバランスシートの概念からすると、資産は何かしらの収益を生むものでなければなりません。

では、収益を生む資産とはどういうものを指すのでしょうか。

たとえば株式。株式は企業の持ち分権を表象した有価証券です。株式を1株保有するということは、その会社の価値を1株分、持っているのと同じです。そして、その企業が商品やサービスを世の中に提供した結果、それが売上につながり、そこから利益が生まれると、その企業の価値が向上します。

そして、その価値の一部が、1年に1度の決算時に配当として株主に支払われることもあれば、企業の価値向上にともなって、持ち分権である株式の株価が値上がりして、株主に利益をもたらすこともあります。

いずれにしても株式を保有していれば、企業活動によって生み出される利益の一部を受け取ることができるのです。まさに資産です。

土地もそうです。土地自体は何も生み出しませんが、その上にアパートやマンション、オフィスビル、ホテルといった収益物件を建てることによって、不動産オーナーは収益を得ることが出来ます。したがって、収益物件付という条件はありますが、不動産も立派な資産といって良いでしょう。

債券や預金も資産です。債券はそれを発行した企業や自治体、政府の、そして預金は銀行の信用の元に発行され、それらの活動によって得た収益の一部が利子、あるいは利息という形で支払われます。

つまり資産とは、それを保有することによって定期的にキャッシュフローが得られたり、あるいはそれ自体の価値が値上がりしたりして、それを保有している人たちの資産価値を向上させるものと考えられます。そして、これら資産に資金を投じることが、「投資」なのです。

では、投機の対象となるものは資産といって良いのでしょうか。

たとえば通貨。これは資産といえるのかと問われれば、答えは「ノー」でしょう。通貨には価値を保存したり、決済したり、あるいは価値の尺度になるといった機能は持っていますが、通貨自体が何か付加価値を生み出すものではありません。手元にある1万円札をずっと保有し続けても、そこからは1銭たりともキャッシュフローが生み出されないのです。

同じ意味では、「暗号資産」も資産と言われていますが、単なるデジタル通貨に過ぎません。確かに、需給によって価値が上がったり、下がったりしますが、暗号資産自体が何か付加価値を生み、キャッシュフローを発生させることはないのです。

金(GOLD)や銀、プラチナといった貴金属も、確かに資産とみなされるケースはあるのですが、たとえば金をいくら長期間保有したとしても、金からは何のキャッシュフローも生み出されません。

いろいろ書いてきましたが、このようにキャッシュフローを何も生み出さないものは、基本的にすべて投機対象と見做した方が良いでしょう。

また、資産の定義からすれば、通貨も暗号資産も、あるいは金などの貴金属もすべて「資産」という範疇に含めて良いのかという点で疑問が残ります。

つまり資産形成をするにあたっては、投機の対象は外して考えた方が良いでしょう。

ひとつだけ注意点があります。株式を資産と見なすことが出来るのは、長期保有した場合に限られることです。

株式は確かに資産ですが、それをデイトレーダーのように短時間で売買を繰り返すと、たちどころに投機の対象に変わってしまうのです。

なぜか。それは株価の変動要因を分解して考えると分かりやすいでしょう。

株価は、企業の本質的な価値と、市場参加者の期待感という2つの変数によって決まります。

企業の本質的な価値とは、製品やサービスを生み出す力であり、それを支える人材、あるいは組織力などを総合して決まるものです。株式投資は、この企業が持つ本質的な価値を見極めます。

これに対して市場の期待感は、企業の本質的な価値とは違い、いささか浮ついた部分があります。よく好決算を発表したにも関わらず、株価が大きく売られるケースがあります。これなどは、まさに期待感(と失望感)で株価が影響を受けている典型的なケースです。株式の短期売買は、この市場における期待感と失望感で株価が動いたところを上手く売買して利益を上げる行為です。

企業がビジネスを通じて付加価値を創造するには、短くとも5年程度の時間は必要です。したがって、株式投資が実を結ぶためには、長期の時間軸が必要になります。それを待つことができず、短期間の株価の値動きを狙って売買するやり方は、対象が株式だとしても、投機に含まれるのです。



金融ジャーナリスト
鈴木雅光(すずき・まさみつ)

JOYnt代表。岡三証券、公社債新聞社、金融データシステムを経て独立し(有)JOYnt設立し代表に。雑誌への寄稿、単行本執筆のほか、投資信託、経済マーケットを中心に幅広くプロデュース業を展開。

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