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経済ジャーナリスト鈴木雅光の「奔放自在」 vol.53
公開日:2022年9月15日

為替レートの値動きに捉われると本質を見誤る

ドル円が大きく動いています。年初、1ドル=115円だったのが、7月には139円台までドル高が進み、8月には131円台、そして同月18日時点では135円台の後半、さらに9月には140円台という展開です。

このように為替レートが大きく動くと、決まって注目されるのが外貨建て金融商品です。外貨預金、外貨MMF、外貨建て債券、FX、外国株式、投資信託など、為替レートの値動きで収益性が変動する外貨建て金融商品はたくさんあります。

投資信託の場合、日本国内で設定・運用される投資信託は、基準価額が円建て表示ですが、米国をはじめとする海外のマーケットに投資するタイプの投資信託は、投資する際、あるいは投資した資金を日本に戻す際に為替取引を行うため、その損益状況が為替レートの値動きに左右されます。

つまりドル高になると為替差益が反映されて収益性が向上する反面、ドル安になると為替差損によって収益性が低下します。

ここ数年、米国株が堅調に値上がりしたこともあり、個人の間でも米国株式や、S&P500など米国の株価インデックスに連動する投資信託を購入する傾向が強まりました。こうした外貨建て金融商品で運用している人たちのなかには、最近の為替レートの値動きに一喜一憂している方も、いらっしゃるかも知れません。

でも、米国の株式や、あるいはS&P500などの株価インデックスに連動させるインデックスファンドを購入している人たちは、為替レートの変動にはあまり神経質にならない方が良いかも知れません。

第一の理由は、ドル円の値動きを見ると、ほぼ横ばいといっても良いからです。もちろん、ここで言う「横ばい」というのは、値動きの幅をワイドに取り、期間も1987年あたりからという長期的な視点に立っての話です。

1971年に戦後から続いていた1ドル=360円の固定相場が切り下げられ、1ドル=308円になりました。そして1973年には固定相場制から変動相場制へと移行し、そこから1987年までドル安が進んだのですが、その後は1ドル=76円から150円の間で推移しています。

つまり、幅は広いものの、この35年間、ドル円は基本的にレンジ相場だったと考えることができます。

とはいえ、1ドル=150円が76円になったとしたら、外貨建て金融商品の円建てで見た収益性は、大きくダウンします。たとえば1ドル=150円で1万ドルの外貨預金に預けると、円建て元本は150万円。それが1ドル=76円になったら、円建て元本は76万円ですから約半分です。確かに、このように考えると収益面に及ぼす影響は決して小さくないとも言えるのですが、それはどの金融商品を選ぶかによって、変わってきます。

たとえば外貨預金、外貨MMF、外貨建て外債など、リターンの大半を金利収入に頼っている外貨建て金融商品や、FXの場合は、為替の値動きで損益が大きく影響されます。特に先進国通貨の場合、多くの国がこれまで金利を抑え気味にしてきたので、なおさら為替レートの値動きの影響を受けやすくなります。

でも、米国株式や、S&P500などの株価インデックスに連動することを目指して運用される投資信託の場合は、話が違います。というのも、この手の投資対象は株式、あるいは投資信託の元本価値そのものが大きく値上がりするからです。つまり為替の値動きをはるかに上回る率で元本価値が向上すれば、仮に1ドル=150円から76円までドル安が進んだとしても、全体のリターンにはそれほど大きな影響が生じません。

たとえばS&P500は1987年1月当時、240ポイント前後でしたが、2021年12月のピーク時には4800ポイントをつけました。この間、約20倍に成長しています。仮にこの間、ドル円が1ドル=150円から76円までドル安方向に進んだとしても、この間の為替差損は、率にして▲49%程度に過ぎません。

確かに、短期的に見れば、49%のマイナスは大きなロスですが、この間のS&P500が20倍だとしたら、その上昇率は1900%にも達します。1900%のうち49%のロスが生じたとしても、それはほぼ誤差に過ぎないといえるでしょう。

つまり株式や投資信託のように元本の成長性に賭けるのであれば、あまり為替レートの値動きに対して神経質になる必要はない、ということです。むしろ「ドル安になった時の為替差損が怖いから、米国株式も米国の株価インデックスに連動する投資信託も買わない方が良い」という判断は、大きな間違いなのです。株式や投資信託のように元本の成長性を取る外貨建て金融商品に関しては、為替レートの値動きは中立要因と考えるべきでしょう。



金融ジャーナリスト
鈴木雅光(すずき・まさみつ)

JOYnt代表。岡三証券、公社債新聞社、金融データシステムを経て独立し(有)JOYnt設立し代表に。雑誌への寄稿、単行本執筆のほか、投資信託、経済マーケットを中心に幅広くプロデュース業を展開。

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