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酒匂隆雄が語る「畢生の遊楽三昧」 第95回
  
公開日:2017年6月27日

 

国内外の銀行で為替ディーラーとして活躍され、その華麗な取引手腕から「貴公子」と称された酒匂隆雄さん。為替ディーラーの第一人者の顔とは別に、レーシング、海外旅行、ワイン・グルメに温泉旅行と、様々な趣味をお持ちで、人生を楽しく過ごすことに関しても一流人です。

このコンテンツでは、楽しい話題や日々の生活、たまには為替マーケットについて語っていただきます。

明日が有るさ!

先々週の土曜日、赤坂アークヒルズクラブでアメジスト香港さん主催のセミナーが開催され、今回もペンタゴンチャートの鬼である川口さんと対談を行った。

このセミナーは個人投資家の方々の為に年二回開催され、筆者と川口さんとで今年後半の為替、株、そして経済動向を話した。話し上手聞き上手の川口さんのお陰で何時もの様に楽しく(投資セミナーで楽しくって言っていいのかな?)対談を行う事が出来た。

トレードトレードさんも取材をされているとのことで、そのうちセミナー内容を記事にされると思うので、詳しいことに触れる事は控えるが、投資家の皆さん、大変熱心にお聞きになっており、遣り甲斐が有ったというものだ。

セミナー後は懇親会があり、招かれた色々なゲストの方々が場を盛り上げていたが、何と言ってもこの懇親会の楽しみの一つは大抽選会である。80名が参加されて賞品が約60個くらい用意されていたのでほとんど『空くじなし』の状態であった筈であるが、何と筆者の友人の一人は何も当たらず、可哀想ではあったがおそらく投資の方では『大当たり』をする事であろう(と、慰めた)。

今日は多少円安が進んで112円を超える場面があったが、ドル円相場は余り動きませんなあ。
先週1週間の値動きは高値111.78、安値110.78の1円幅で今年になって最も狭いレンジ内に収まり、金曜日に至っては高値111.42、安値111.15のわずかか27銭幅で、こちらも今年になって最も狭いレンジ内に収まった。

これでは中々利益チャンスは巡って来ない。筆者も為替に携わってかれこれ45年近く経つのだが、我々の世界に面白い格言がある。

『為替ディーラーを殺すには刃物はいらない。ボラティリティー(相場変動)さえ奪えばいい。』

要するに、為替ディーラーは相場の上下の動きに乗じて利益を上げるのが目的であり、その動きが無くなれば(ボラティリティーが低下して相場が動かない)商売が上がったりになって生きていくことが出来ない、と言う自虐的な表現である。

我々個人投資家は『よく分からないから大人しくしておこう。』とか、『動かないから取引は止めておこう。』と簡単に言えるが、プロの為替ディーラーはそう言う訳には行かない。

自分もそうだったから言えるが、『何かしない』と落ち着かない。

ところが、相場が動かないからついついリスク量を増やす(取引金額を増やす)傾向がある。通常1日に約1円動くとすると、例えば1千万ドルを@111.00で買って@111.80で売れたとすると1千万ドル×80銭(111.80 - 111.00 = +80銭)=8百万円の利益を上げる事が出来る。

しかし、最近は相場が動かないものだから、同じ規模の利益を上げようとして、取引額を3倍の3千万ドルにして3千万ドルを@111.00で買って@111.30まで上がってくれれば3千万ドル×30銭(111.30-111.00=+30銭)=+9百万円の利益が上がる筈なのだが、ところがどっこい。逆に110.70まで『たった』30銭落ちただけで3千万ドル×(111.00-110.70=-30銭)=-9百万円の損失を被るのである。

株や為替の取引をおやりの方はよくご存じの様に、損をするのは実に簡単ですぞ!

先日、ある大手銀行の為替責任者と会う機会があったが、まあぼやく事しきり。こんな泣き言を言っていた。

「もう何をやっていいのか分かりません。」
「顧客のフロー(お客さんの売買状況)を見るにつけドルを買うべきかなと思うんですが買っても上がらない。テールリスク(確率は低いが発生すると非常に巨大な損失をもたらすリスク)を考えるとついつい売っちゃうんですが、売っても下がらない。恥ずかしながらどうしていいか分からなくなっちゃいました。」

いいですか?バリバリ現役の、プロのディーラーがこんな泣き言を言っているのである。我々一般の個人投資家が悩む必要は全く無い。

これも我々の世界の格言であるが、『休むも相場』。前に述べた様に、分からなければ手を出さなければ宜しい。動かないのであれば、あえて手を出す必要も無い。

明日が有るさ!



酒匂隆雄氏プロフィール

酒匂隆雄  さこう・たかお

酒匂・エフエックス・アドバイザリー 代表

1970年に北海道大学を卒業後、国内外の主要銀行で為替ディーラーとして外国為替業務に従事。
その後1992年に、スイス・ユニオン銀行東京支店にファースト・バイス・プレジデントとして入行。
さらに1998年には、スイス銀行との合併に伴いUBS銀行となった同行の外国為替部長、東京支店長と歴任。
現在は、酒匂・エフエックス・アドバイザリーの代表、日本フォレックスクラブの名誉会員。

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