
国内外の銀行で為替ディーラーとして活躍され、その華麗な取引手腕から「貴公子」と称された酒匂隆雄さん。為替ディーラーの第一人者の顔とは別に、レーシング、海外旅行、ワイン・グルメに温泉旅行と、様々な趣味をお持ちで、人生を楽しく過ごすことに関しても一流人です。
このコンテンツでは、楽しい話題や日々の生活、たまには為替マーケットについて語っていただきます。
先日日経新聞を読んでいたら「正にその通り!」と激しく同意する随筆があったので是非ともご紹介したい。タイトルは『クレーマー論』。
最近はクレーム社会と言われていて、やたら自分の事ばかり主張して『俺は客だ。金を払ってんだから何をしてもいいんだ。』と言う態度を取る輩が多いが、実に下品で嘆かわしい風潮であると言う意見であった。
幾つかの例を挙げると、「除夜の鐘がやかましいから静かにしろ」と言った奴がいた。そんな奴は日本から出て行けばいい。大晦日に除夜の鐘を聞くのは昔からの我が国の風習ではないか?そして、何とクレームを付けられた寺が自粛して数年間除夜の鐘を突かなかったらしいが、馬鹿か?そう言う頓珍漢に人の道を説くのが寺の仕事ではないのか?
熱海の名所、寛一お宮の像が男尊女卑に当たるから撤去しろと言うクレームが外国人観光局から付いたらしい。お前ら熱海に来なきゃいいだろうに。日本文学を知らない奴らに説明しても仕方ない。
二宮金次郎の銅像に父兄が「歩きスマホの増長に繋がるから。」と父兄がいちゃもんを付け、何と学校側は二宮金次郎像を座って本を読んでいる物に作り替えた。あれは二宮金次郎は仕事をしながらでも勉強に勤しんだから銅像になったんだよ。その勤勉さを教えるのが学校ではないか?
ダビデ像は子供達の教育上よろしくないからパンツを穿かせろとクレームした奴が居た。ダビデ像にパンツを穿かせたら世界中の笑い者になるだろう。こいつ、きっと助平だ。ダビデ像をポルノだと捉える発想が助平なんだ。これは芸術だと子供達に教えるのが大人の役目だろうに。
何だか変な世の中になったもんだ!
昔だったら『お前、バッカじゃねーか?』で済んだ話がやたら謝る奴ら(企業、学校)が出て来たからこの馬鹿者ども(クレーマー)が増長する。実はかく言う筆者も相当気が短くてよくプッツンするのだがクレーマーではないぞ。向こうが理不尽だと止む無く怒り出す事は有るが『絶対に!』向こうが悪いと思う。
数々の武勇伝があるのだが紙面が足りそうにないので止めておこう。日本には『金持ち喧嘩せず』、『君子危うきに近寄らず』、『臭い物に蓋をする』などのことわざがあるが、上の様な馬鹿なクレームをする事と、ちゃんと説明したにも拘らずに理不尽な事を言われたり行動されると結構怒る事とは違いますぞ!
最近怒った事。
永年あるタクシー会社を贔屓にしていて、しょっちゅう東京―横浜間の帰宅に利用していたのだが、最近『夜のお付き合い』が減って利用頻度=支払額が減ったのだが4月のある日「6月からキャブカードのご利用額に3%のチャージをさせて頂きます。」と電話が掛かって来た。
「ああ、そう。何、最近利用額が減ったから?」と訊いたらどもりながら「あ、いえ、そんな訳ではありません。」としどろもどろに言う。「お宅がキャブカードを使ってくれと言うから使っていたけど、別に無くても不自由しないから解約手続きをしてくれ。」と言ったがその後何の反応も無い。
別に3%のチャージに腹を立てているのではない。払う物は払ってやる。何故急にチャージするのかを説明してくれないから腹を立てるのである。
皆さん、どう思います?
その日以来、ただの一回もそのタクシー会社のタクシーは使っていない。クレジットカードを使って支払いをしているのだが3%のチャージを取られるどころか、クレジットカードのポイントがどんどん溜まっていくぜ。
ふざけんじゃねーぞ!(私、クレーマーではないですよね・・・)

酒匂隆雄 さこう・たかお
酒匂・エフエックス・アドバイザリー 代表
1970年に北海道大学を卒業後、国内外の主要銀行で為替ディーラーとして外国為替業務に従事。
その後1992年に、スイス・ユニオン銀行東京支店にファースト・バイス・プレジデントとして入行。
さらに1998年には、スイス銀行との合併に伴いUBS銀行となった同行の外国為替部長、東京支店長と歴任。
現在は、酒匂・エフエックス・アドバイザリーの代表、日本フォレックスクラブの名誉会員。
