
国内外の銀行で為替ディーラーとして活躍され、その華麗な取引手腕から「貴公子」と称された酒匂隆雄さん。為替ディーラーの第一人者の顔とは別に、レーシング、海外旅行、ワイン・グルメに温泉旅行と、様々な趣味をお持ちで、人生を楽しく過ごすことに関しても一流人です。
このコンテンツでは、楽しい話題や日々の生活、たまには為替マーケットについて語っていただきます。
かれこれ7~8年位前になるだろうか?カミさんがぼそっと言った。
「いびきが凄いわよ。」
今迄そんな事は言われた事は無かったし、そもそも自分ではいびきをかいている事は分からないらしい。その数年前に昔の為替仲間と泊まり掛けで伊豆にゴルフに出掛けて某大手証券会社の役員用の施設に宿泊した事があった。
こう言った時の部屋割りは大体同い年を同室にするのが常で、筆者はもう30年以上もの付き合いのある友人(Hとしよう。)と相部屋となった。この様な旅行の折りは大体皆大量に酒を飲むのでいびきも凄くなる。
大騒ぎをした後午前0時ごろに就寝したのだが、ものの10分も経たないうちに「ごーっ!」と凄いいびきが聞こえて来た。やっとうつらうつらしてきたところだったのに気になって仕方ない。寝返りを打ったり、何とか寝ようとしたが駄目だ。「Hさん、Hさん。」と声を掛けながら隣のベッドを叩いたら「ふにゃふにゃ。」と言いながらいびきが止んだ。
おう、効くんだ。
ところが、今度は5分も経たないうちにまた「ごーっ!」と凄いいびきが聞こえて来た。「Hさん、Hさん、いびきが煩いんだよ。」と揺すって起こしたら寝ぼけ眼で「す、済みません。僕、いびきが凄いんです。」と謝る。まあ、しゃあない。今度は10分くらいいびきは聞こえなくてどうしたんだろうと思っていたら、また来た!前よりも酷い「ごーっ!」だ。
「おい、H !うるせぇんだよ!」と枕元のダッシュボードを思い切り叩いたら、どうやら非常ボタンを叩いて壊してしまったらしく、管理人がすっ飛んできて「何かありましたか?」と血相を変えている。
「非常ボタンが鳴りっ放しです。」
ああ、やっちまったぜ。
この事件以来、旅での相部屋はお断りしている。
さてカミさんに指摘されてこれはどうしたものかと思っていたら、偶々ゴルフをご一緒した某医科大学の先生が「酒匂さん、歳を取るといびきをかくのは仕方無いんです。怖いのは無呼吸症候群になることです。一度検査しますか?」と言われた。
そう言えばカミさんが「いびきが止まったと思ったら何だか息も止まってる様な気がするよ。」と言った事があった。そこで精密検査(ついでに身体全部の検査)を受けた、約1週間くらい防毒マスクの様な物を夜に付けさせられて統計を取り結局「貴方のいびきは年相応な物で、また無呼吸症候群でもありませんよ。」と言われてほっとしたのだが、先生が「他の検査結果を見ると胆のうに胆石が相当溜まっています。普段は大丈夫だと思うのですが、海外旅行の間に暴れられたら困るので取っちゃいますか?」とまるで耳垢でも取る様に気軽に仰る。
「ただ問題はですねえ、お酒の飲み過ぎでγ-GTPが300近くあって、このままでは手術が出来ません。3ヶ月禁酒して下さい。」と言われて意気消沈したが仕方ない。3ヶ月禁酒した、そしてγ-GTPが110まで落ちて手術可能となった(これでも最大許容値の60の2倍近くはあるが・・・)。
再び手術前の検査として動脈から取った血液を見ると、何処かに腫瘍がある事が分かり、さらにエコーかなんかで検査をすると右の副腎に腫瘍があり、良性か悪性かが分からないが「胆のうの裏側にあるのでついでに取っちゃいましょう。」と、またまた耳垢を取る様に簡単に仰る。
『悪性って、癌じゃないの?』
こちらはもう選択の余地は無い。先生は「手術は長丁場で、ウチで一番の若い腕の立つ医者に執刀させます。」と仰る。「もう全てお任せしますので宜しくお願いします。」と言うしかない。手術当日は朝8時半に麻酔室に入り、9時に手術が始まって「酒匂さん、終わりましたよ。」と起こされた時は午後3時であった。
確かに6時間にも上る大手術だったわけである。胆のうと右副腎を摘出して50個くらいの仁丹の様な胆石をお土産に貰った。最近の手術は開腹せずに腹腔鏡下手術と言って、腹腔鏡と呼ばれるカメラを入れてそれを見ながら手術するもので、今でもお腹には三つの小さな傷跡があるだけで大手術をしたとは思われない。入院もたった1週間であった。
あ、何だか話が大分それてしまったが、言いたかったのは、自分の場合はそうでもなかったが、いびきは結構深刻な物であると言う事である。そこで、である。約1週間前に友人から勧められて面白い器具を買った。スノア・サークルと言ういびき防止の器具である。
これは、いびきをかくと発生する音と振動を感知して、上の写真の器具が我々に働き掛けていびきを止めると言うものである。面白いのはその働き掛けが、感知するのと同じ音と振動であることである。音と振動でいびきを止められたら目が覚めてしまうのではないかと思ったが、全然そんなことは無い。
自分ではほとんど気付かない。使い始めて1週間足らずで、使用中に多少耳に違和感を感じるが、いびきに悩み、そして無呼吸症候群に陥ることを考えたらどうって事は無い。
カミさんに「最近いびきはどうだ?」と訊いたら「あ、そう言えば最近いびきをかいていない。どうしたの?」と言う。「これ付けてんだ。お前も買うか。」と言ったら「あたしはいびきかかないわよ。」と威張ってるが、なーにお前も時々いびきかいてんだよ。武士の情けで黙っていてやるだけさ。
貴方は大丈夫ですか?奥様、ご主人に訊いてみたら?
別に宣伝をするつもりは無いが、自分が余りにも重宝しているので是非ともご紹介させて下さい。トレード・トレードさんで購入する事が出来ます。
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酒匂隆雄 さこう・たかお
酒匂・エフエックス・アドバイザリー 代表
1970年に北海道大学を卒業後、国内外の主要銀行で為替ディーラーとして外国為替業務に従事。
その後1992年に、スイス・ユニオン銀行東京支店にファースト・バイス・プレジデントとして入行。
さらに1998年には、スイス銀行との合併に伴いUBS銀行となった同行の外国為替部長、東京支店長と歴任。
現在は、酒匂・エフエックス・アドバイザリーの代表、日本フォレックスクラブの名誉会員。
