
国内外の銀行で為替ディーラーとして活躍され、その華麗な取引手腕から「貴公子」と称された酒匂隆雄さん。為替ディーラーの第一人者の顔とは別に、レーシング、海外旅行、ワイン・グルメに温泉旅行と、様々な趣味をお持ちで、人生を楽しく過ごすことに関しても一流人です。
このコンテンツでは、楽しい話題や日々の生活、たまには為替マーケットについて語っていただきます。
北朝鮮のミサイル発射や核実験を行うとの懸念、そしてアメリカ軍のシリアに対するトマホークによるミサイル攻撃などで所謂地政学的リスクが増大し、必然的にリスク・オフ(投資家がリスクを取ることを嫌い、保有する資産の取り崩しを行ったり新規の投資を控える。結果として株が売られ、避難通貨として円が買われる傾向がある。)が起きて世界中の金融市場が混乱に陥っている。ドル・円相場は5ヶ月ぶりと成る108円台まで円高が進んだ。
シリアは地理的に遠いので余りピンと来ないが何せ北朝鮮は日本海を隔ててお隣の国、ミサイル発射や核実験をやられたのでは叶わない。
先週の土曜日の15日が故金日成主席の生誕105年と言う事で『何かしでかす』のではないかとの懸念が広がったが当日は何も起こらず、日曜日の早朝にミサイル発射をしたらしいがどうやら失敗したらしい。4月25日は朝鮮人民軍創建85周年でこの日も『何かしでかす』危険性を指摘する向きも多い。
105年とか85年が特に何を意味するのかよく分からないが、まあ色々な理由を付けて挑発をしてくるんだろうな?
それに対して『オバマ政権が何もしなかったから北朝鮮が野放図になった』と信じるトランプ大統領も強硬姿勢に出て、北朝鮮に対してこれ見よがしにシリアへのミサイル攻撃を行ったとも伝えられる。安倍首相が『北朝鮮はミサイルの弾頭にサリンを装填して攻撃する能力を持っている可能性がある。』と述べたが、これは怖い。そもそもトランプ大統領がシリアに対するミサイル攻撃を行った理由が、シリア政府軍がサリンを使って何の責任も無い無邪気な子供達をも犠牲にしたと言う物であった。我々の多くがサリンの怖さはよく知っている。
ところで内閣官房がホームページに『武力攻撃やテロなどから身を守る為に。』と言う警告を発していることをご存知であろうか?笑い事ではないので是非ともご披露させて下さい。
ミサイルによる攻撃
発射直後にJアラートによる通知が有り、我々は攻撃当初は屋内に避難し、その後行政機関からの指示に従う。
(注:Jアラートとは全国瞬時警報システムの事で通信衛星と市町村の同報系行政無線や有線放送電話を利用し、緊急情報を住民へ瞬時に伝達するシステム。我々の携帯電話にもアラートが鳴り響く成るらしい。)
生物・化学兵器による攻撃
1)口と鼻をハンカチで覆い、屋内を避難。
2)窓を目張りし、窓の無い部屋に移動。
3)衣類を脱いで容器に密閉し、手・顔・体をよく洗う。
4)医師の診断を受ける。
核による攻撃。
1) 閃光を見ない。風下を避けて風向きと垂直に避難する。
2) 皮膚の露出を減らし建物に避難。地下施設があれば移動。
3) 窓を目張りし窓の無い部屋に移動。
4) 医師の診断を受ける。
こう言う警告を見ると何だかゾクッとしますな。
何事も起きないことを祈りながら一応上の警告を頭の隅にでも置いておきましょう。

酒匂隆雄 さこう・たかお
酒匂・エフエックス・アドバイザリー 代表
1970年に北海道大学を卒業後、国内外の主要銀行で為替ディーラーとして外国為替業務に従事。
その後1992年に、スイス・ユニオン銀行東京支店にファースト・バイス・プレジデントとして入行。
さらに1998年には、スイス銀行との合併に伴いUBS銀行となった同行の外国為替部長、東京支店長と歴任。
現在は、酒匂・エフエックス・アドバイザリーの代表、日本フォレックスクラブの名誉会員。
