
国内外の銀行で為替ディーラーとして活躍され、その華麗な取引手腕から「貴公子」と称された酒匂隆雄さん。為替ディーラーの第一人者の顔とは別に、レーシング、海外旅行、ワイン・グルメに温泉旅行と、様々な趣味をお持ちで、人生を楽しく過ごすことに関しても一流人です。
このコンテンツでは、楽しい話題や日々の生活、たまには為替マーケットについて語っていただきます。
最近、気になるニュースをよく聞く。
ご老人がアクセルとブレーキを踏み間違えて通学途中の児童の列やコンビニなどに突っ込むと言う事件である。最近頓にこのニュースが多いと思いません?まさか最近になって突然ご老人が暴走しだしたとは思えないのだが、どうしてだろうか?
よく聞く話は「ブレーキを踏んだ積りでアクセルを踏んでしまい、益々慌ててしまってアクセルを更に踏み込んだ。」と言うものだ。うーん、これは防ぎ様が無い。最近の車にはアクセルとブレーキを同時に踏んでしまってもブレーキが優先して止まると言う「ブレーキ・オーバーライド」と言う装置を付けている車もあるが、全てがそうは行くまいか?
それと今朝のニュースでも聞いたが高速道路を逆走するご老人も多い。昔はETCが無かったから、出口に人がいてもある程度阻止出来たかも知れないが、今はほとんど無人だからすーっと高速道道路の出口から入ってしまうのかなあ?反対から入ってETCのバーが上がるのかなあ?よく分からないがこうしょっちゅう同じ様な事が起きていると言う事は、割合簡単に高速道路の出口から入れるんでしょうな?
ご老人、ご老人と言ってはいるが、実は自分自身も立派なご老人だとは思っている。ただ、こう見えても昔はA級ライセンスを持っていてサーキットでブイブイやっていたので、今でも結構メリハリのある運転をしている。メリハリのある運転とはどんな物かは説明が難しいが、まあその、メリハリが効いてキビキビと走るのである。
実は約5年前くらいまではもっとメリハリを聞かせていたのだが、生まれて初めて高速運転に恐怖を覚えて(少し)メリハリ気味を止めた。それまで持っていたスポーツカーは売った。代わりに孫達のアッシー車としてドンガメみたいに遅い7人乗りのワゴンを買った。
5~6年前まではドイツのニュルブルクリンク・サーキットと言って国産では日産・GTR、ホンダ・NSX、レクサス・LFAやポルシェ、BMW、メルセデス・ベンツなどの開発が行われてきたサーキットで走っていたのだが、それはそれは怖い!1年に50~60人くらい事故死する恐ろしいサーキットなのだが、ドイツは全て自己責任。
「速い車を持っていて、腕に自信があるのならなんぼでも速く走りなさい。その代り事故を起こしても知りませんよ。」
と言う事である。そう、ここでついに「あ、俺死ぬかな?」と思う程の未熟運転(200キロ以上で走っていてジャンプの後着地した際によろけてコースアウトしそうになった)をやってしまって、「もう止めた」のである。
ドイツの高速道路であるアウトバーンのほとんどに速度制限は無い。200キロで追い越し車線を走っていると、後ろからバシャーッとパッシング・ライトを浴びせられ、走行車線に戻ると恐らく250キロ以上は出しているであろう「速い車」が追い越して行く。
そもそも我が国と違って追い越し車線をたらたら走っている車はいない。追い越し車線をお年寄りがとろとろ走っている。特に日曜日が酷い。これは道路交通法違反なのだが、いらいらして左から追い越すとこれも道路交通法違反となる。あれ、何とかなりませんかね?
ところで最近の車と言えば、アクセルとブレーキを踏み間違える事を抑止するのとは次元が違うのだが、安全運転に相当力を入れている。筆者が今乗っている2台の車の内の1台は前の車との車間距離を測って等間隔で追い掛けてくれ、車間距離が詰まると自動的にブレーキを掛けて追突を防ぐ。車速が65キロ以上だと自動運転をしてくれてステアリング操作をしなくてもいい。
低速で走っていて突然人が飛び出してきたり、前の車が急ブレーキを掛けたりしても急ブレーキを掛けて衝突を防いでくれる。全てを自動運転に頼る訳には行かないが、最近の車は本当に安全で便利になったものだ。
皆さん、上手に使いましょうね。

酒匂隆雄 さこう・たかお
酒匂・エフエックス・アドバイザリー 代表
1970年に北海道大学を卒業後、国内外の主要銀行で為替ディーラーとして外国為替業務に従事。
その後1992年に、スイス・ユニオン銀行東京支店にファースト・バイス・プレジデントとして入行。
さらに1998年には、スイス銀行との合併に伴いUBS銀行となった同行の外国為替部長、東京支店長と歴任。
現在は、酒匂・エフエックス・アドバイザリーの代表、日本フォレックスクラブの名誉会員。
