
国内外の銀行で為替ディーラーとして活躍され、その華麗な取引手腕から「貴公子」と称された酒匂隆雄さん。為替ディーラーの第一人者の顔とは別に、レーシング、海外旅行、ワイン・グルメに温泉旅行と、様々な趣味をお持ちで、人生を楽しく過ごすことに関しても一流人です。
このコンテンツでは、楽しい話題や日々の生活、たまには為替マーケットについて語っていただきます。
いよいよ米大統領選挙が本日行われ、日本時間の明日水曜日のお昼過ぎには民主党クリントン氏か、共和党トランプ氏の何方が第45代大統領に選出される。
今回の大統領選挙で興味深かったのは、両候補共に『物凄く嫌われており』何方が大統領に相応しいかではなく、何方が大統領に相応しくないかを選ぶ選挙であったからである。年初の頃は共和党の泡沫候補でしかなかったトランプ氏があれよあれよと言う間に他候補を蹴散らして予備選挙で勝って共和党の指名候補者となり、多くのアメリカ人(特に有識者と言われる層)を驚かせた。
トランプ氏はその過激な発言で嫌われ、クリントン氏はメール疑惑と傲慢さで嫌われていたが、不美人投票(美人を選ぶのではなく、不美人を排除して残った者を勝者とする。)ではクリントン氏が一歩リードしているとの観測が高まっていたが、2週間前にFBIがクリントン氏のメール疑惑の再調査を始めると報じられると一部の州ではトランプ氏の支持率がクリントン氏のそれを上回ったりして、「あれ、もしかしてトランプ氏が勝つのではないか?」との観測も流れた。
しかし、今週月曜日の早朝、FBIがクリントン氏を追訴しないと報じられて、メール疑惑騒動は一応収まったかに見える。
何故突然FBIが再調査をすることを言い、これまた突然訴追しないと発表したのかは分からないが、政治的な思惑が絡んでいる可能性は否めない。
市場はトランプ氏が勝利すると金融市場の混乱は必至と考え、リスク・オフ(トランプ氏が勝利した場合のリスクを軽減する)の動きが出て株価が下がり、ドル・円相場も下げたがFBI訴追断念の報を受けてその巻き戻しが入り、株価とドル・円相場共に大きく戻した。
トランプ氏が勝利した場合、ドル・円相場は100円を切る様な円高に成る可能性があると言われていたが、ではクリントン氏勝利の場合は逆に円安に行くかと思うとそうでもないのかも知れない。クリントン氏は保護主義者として有名で、かねてから円安批判を繰り返してきた。
暫くは大きくは円高にも円安にも行かず、難しい相場展開になるのかも知れないな?
さて、今週末にはもう一つイベントがある。そう。アメジスト香港さんが主宰するセミナーが、赤坂にあるアークヒルズクラブで開催され、筆者はペンタゴン・チャートの鉄人川口一晃氏との対談に参加させて頂くことになっている。
川口さんとは今まで何回も対談でご一緒したことがあるが、前もっては何の準備もしない。その方が対談がLively(生き生きとしている)になって面白いからである。
セミナーの後、隣の会場で懇親会と大抽選会があるが、筆者が道楽で輸入しているニュージーランドの「Escarpment」と言うワインを賞品として提供してきた。ただし、6本だけ。
前回、『ちっとも当たらない!』とのご不満を頂いたので今回は単一畑の「KIWA」「PAHI」「TE RUHUA」のピノ・ノアール赤ワインを1本ずつ計3本、この3種のワイナリーの葡萄をミックスして熟成させた「Escarpment」のピノ・ノアールを6本、そしてシャルドネ、ピノ・グリ、リースリングの白ワインを1本ずつ計3本、合計12本のワインを用意しました。自分で言うのも何ですが、結構美味しいワインだと思います。
読者の方で今回のセミナーをご存知の方、また参加される方、お目に掛かれる事を楽しみにしております。
前回、アークヒルズクラブで開催されたセミナーの様子はこちらからご覧いただけます。
<明日の世界マーケットはこう動く ~アメジスト香港特別セミナー~>

酒匂隆雄 さこう・たかお
酒匂・エフエックス・アドバイザリー 代表
1970年に北海道大学を卒業後、国内外の主要銀行で為替ディーラーとして外国為替業務に従事。
その後1992年に、スイス・ユニオン銀行東京支店にファースト・バイス・プレジデントとして入行。
さらに1998年には、スイス銀行との合併に伴いUBS銀行となった同行の外国為替部長、東京支店長と歴任。
現在は、酒匂・エフエックス・アドバイザリーの代表、日本フォレックスクラブの名誉会員。
