
国内・海外の銀行で為替ディーラーとして活躍され、その華麗な取引手腕から「貴公子」と称された酒匂隆雄さん。為替ディーラーの第一人者の顔とは別に、レーシング、海外旅行、ワイン・グルメに温泉旅行と、様々な趣味をお持ちで、人生を楽しく過ごすことに関しても一流人です。このコンテンツでは、楽しい話題や日々の生活、たまには為替マーケットについて語っていただきます。
先ずは相場の話。
先週のドル/円相場は中国発の世界同時株安に見舞われて週の高値122.01、安値116.11と、おおよそ6円の値幅となり(値動きはどーんと6円下がって、どーんと5円上がったと言う感じであった。)我々がよく言うTears and blood.(血と涙に溢れた)の相場展開となった。
週末に向かっては株価が持ち直した為に121円台を回復して終わり、"あの下げは何だったんだ!"と皆溜息をついたが、相場は相場。
昨日は121円くらいで落ち着いた動きをしたが、チャイナ・リスクはまだ予断を許さない。以前にも呟いたが、此処から大きな円安に成るとは思っていないのだ。

さて此処からがホンチャン。
先々週の土曜日、阿佐ヶ谷に住む友人宅のワイン会に誘われて東京駅から地下鉄丸ノ内線に乗った。土曜日の昼過ぎと言う事で地下鉄の中は何かゆるーい雰囲気が漂っていたが、ふと見ると向かいの席に座っている全員が携帯電話をいじっているではないか!かく言う自分も大体イヤフォンを付けて音楽を聴いているか、メールをチェックしたりフェイスブックやラインを見ている。ある意味これは怖いと言うか異常なのかな?いや普通と言うか、時代の流れか?
そう言えば最近電車の中で新聞を読んでいる人を余り見掛けない。昔は通勤電車と言えば皆上手に新聞を縦に半分に折り込んで一心に新聞を読んでいた。最近はと言えばスマホである。私も日経新聞は朝起きたら直ぐにi Phoneにすべての記事を取り込んで、依然として配達されている新聞そのものは読まない。読売新聞は依然として読んでいるが、日経新聞はページを開けもせずゴミ箱に直行である。まあ、便利になったものですね。
昔は携帯電話、いわんやスマホなどの便利な物は無かった。以前出演したセミナーで(恥ずかしながら)放映して頂いた、私が出た1997年のNHK特集で自動車電話を使うシーンがあったが、あの頃は自動車電話の普及もまだまだだった。NTTの自動車電話加入料金が25万円くらいで、毎月の基本料金が4~5万円くらいだったと思う。勿論勤めていた銀行が払ってくれていた。
最初に携帯電話が普及し始めたのは1990年代の半ばかな?これも銀行が買い与えてくれたが、昼間、八丁堀の寿司屋で銀行仲間と管を巻いていると秘書から電話が掛かって来て"面倒臭いなあ"と感じたものだ。ある意味プライバシーを無くした様な気分になったものだ。それが今はスマホになってメール、インターネットなどが使えてまるで歩くコンピューターの様な物である。おそらくこれからもっと進化して行くんでしょうな。
家内はスマホを持ち合わせない(使いこなせない)ので私がしょっちゅうi Phone.をいじっているのが気に喰わないらしい。食事中に使うものなら、"ちょっと、食事の時くらい止めてよ"と文句を言われるが中々離せない。"うるせーなあ、仕事してんだよ!"と嘘をつく事が多い。(自分の子供が食事中に携帯電話をいじっていたら叱り飛ばすんだろうな)
皆さんも気を付けましょうね。(でも仕方ないですよね)

酒匂隆雄 さこう・たかお
酒匂・エフエックス・アドバイザリー 代表
1970年に北海道大学を卒業後、国内外の主要銀行で為替ディーラーとして外国為替業務に従事。その後1992年に、スイス・ユニオン銀行東京支店にファースト・バイス・プレジデントとして入行。さらに1998年には、スイス銀行との合併に伴いUBS銀行となった同行の外国為替部長、東京支店長と歴任。
現在は、酒匂・エフエックス・アドバイザリーの代表、日本フォレックスクラブの名誉会員。
