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フライングバックジャパン36若林栄四「市場からのメッセージ2021/12」プレゼントキャンペーン若林栄四「市場からのメッセージ2021/12」プレゼントキャンペーン
公開日:2021年12月21日

コロナが落ち着いて、回復基調のマーケットにおける落とし穴

2021年も終わりに近づき、いよいよ2022年のマーケットがスタートを切ろうとしています。インフレ懸念の強まり、相変わらず終息の気配を見せない新型コロナウイルスの感染拡大などを受け、世界経済の行方も不透明になるなか、2022年の相場はどうなるのでしょうか。ワカバヤシエフエックスアソシエイツ代表の若林栄四氏に伺いました。

米株

――

まずニューヨーク・ダウの見通しから教えて下さい。NYダウは11月8日に高値を付けた後、12月1日にかけて大きく調整しました。これから先の動きをどう見ますか。

若林

これは日柄が全てですね。正直なところ、いつバブルが崩壊するのかを待っている状態といっても良いでしょう。

過去のNYダウの値動きを見ると、今回の壮大な株価上昇の起点は、1932年7月につけた世界大恐慌後の大底から50年目にあたる1982年8月9日の769ドルです。

そこからペンタゴンで言うと、154.5四半期、あるいは157.3四半期の間で天井が来ると見ています。具体的な日にちで申し上げると、2021年3月25日から2021年12月5日の間で天井を打ったと考えられます。

若林栄四
若林

したがって、2021年11月8日につけた3万6565ドルが、天井だったのかどうかが、これからの注目点になります。

またナスダックについていえば、11月22日の1万6212ポイントが、どうも天井ではないかということで、その後の動きを見ているところです。

ひとつ言えるのは、NYダウにしてもナスダックにしても、2021年12月5日という期限のギリギリに近いところで、どうも天井だったのではないか、という動きを見せていることです。

それともうひとつですが、相場は5波をやると終わるというパターンがあって、5波をやると大暴落が来ます。ちなみに日経平均株価は1950年7月の85円を起点にして、第5波の天井をつけたのが1989年12月の3万8957円でした。そして、そこからバブル崩壊によって、2008年10月の6994円まで、実に82%も下落しています。

 

若林栄四

 

同じ要領でNYダウを見ると、起点は1982年8月9日の769ドルで、第1波は1987年8月高値の2746ドルと、ブラックマンデーによる急落。第2波は2000年1月高値の1万1750ドルと、ITバブル崩壊による急落。第3波は2007年10月高値の1万4198ドルと、サブプライムショックならびにリーマンショックによる急落。第4波が2020年2月高値の2万9568ドルとコロナショックによる急落で、現在、5波が進行中と考えています。

その高値が2021年11月8日の3万6565ドルだったのかどうかが注目点ですが、日経平均株価の場合、第5波のピークが1989年12月の3万8957円で、ブラックマンデーの安値から82%上昇したところで終わりました。今回、NYダウに関しては、コロナショックの底値からすでに100%上昇していますし、他のインデックスを見ると、S&P500が116%の上昇、ナスダックが144%の上昇ですから、いよいよピークが来ていると見るのが妥当ではないでしょうか。

 

NYダウ

日本株

――

どのくらい下げるのでしょうか。

若林

日経平均株価もそうだったのですが、第5波が一番大きく下げます。NYダウの場合、過去4つの波の下落率で最も大きかったのは、サブプライムショックとリーマンショックによる54.4%の下落でしたから、少なくともそれ以上には下げると考えておくべきでしょう。

NYダウは11月8日の高値から12月1日の安値まで7~8%の下げを行った後、徐々に価格を戻してきてはいますが、まさに今、深刻化しているオミクロン株の感染拡大によって急落が始まると、それに追い打ちをかけるように、さまざまな悪材料が噴出してくるでしょう。

たとえば日経平均株価が暴落した1989年は、その年の10月にベルリンの壁が崩壊するという、地政学的に大きな出来事がありました。地政学的な出来事という点で言えば、たとえば中国経済がいよいよおかしくなり、それが米国の株価急落に火を点けるという状況も、十分に考えられます。

 

 

日経平均株価は、1950年7月の85円を起点にして72度線を引くと、1988年の第4四半期に、この72度線を越えています。72度線は相場のなかでも非常にスティープなラインであり、これを越えてくると、相場がバブル化していると判断されます。

日経平均株価の場合、1988年の第4四半期にこれを越えており、まさに相場がバブル化しました。

しかも1989年12月につけた高値3万8957円は、この72度線をはるかに大きく越えて、そこから大暴落が始まりました。

注目したいのは、それと似た状況が、今のNYダウにも起こっているということです。1982年8月の769ドルを起点にして72度線を引くと、2021年の72度線は3万902ドルのところにあるのですが、すでにそれを大きく越えて3万6650ドルまで上昇しました。もし、ここから本格的な下げに転じたとすると、下値のメドは2万ドル割れ、あるいは1万5000ドルあたりまでの下げを覚悟する必要がありそうです。

――

米国株が大きく下げるとなると、日本株も同じように下げるということですか。

若林

逆に、日本株については強気で見ています。72度線から72度チャネルのグレーゾーンを描くと、日経平均株価は昨年、このグレーゾーンに入りました。したがって、当面は強気相場が続くでしょう。2030年6月に4万5000円がターゲットになります。

米国株が下げて日本株が上がるなんてことはないだろうという声もありますが、90年代を振り返ると、日本株が下落の一途をたどるなかで、米国株は上げ続けました。それと逆の現象が起こると考えています。暴騰とまではいきませんが、恐らく米国株が大きく下げたとしても、日本株の下げはほんの一瞬、わずかな下げ幅に止まるはずです。

 

為替市場

――

米ドルがバブル崩壊で下げに転じるとなると、米ドルも売られることになりますか。

若林

そうですね。少し前までは、米国の金利上昇にともなってドル買いが進み、1ドル=119円台を目指すなどと言うコメントが、メディアでも随分目立ちましたが、そもそも相場は材料で動くものではありません。年末年始で1ドル=110~111円の可能性は十分にあります。米国株がもし天井を打っていて、ここから先、さらに米国株が下げるということになれば、それ以上にドルが売られることも考えられます。

米ドル/円の動きにはある種の規則性が見られます。それは、ドルの高値と高値の間には13年半というサイクルです。その規則性が1998年8月に1ドル147円のドル高値を付けたところで入れ替わり、次の13年半後は2012年2月の1ドル=76円という安値になりました。

この入れ替わりが何を示唆するのか、ですが、私はこれから先、安値と安値の間を13年半で推移するのではないかと考えています。そうなると、2012年2月からの13年半後は2025年8月です。ここでドルが安値を付ける可能性が高いと見ています。それはニクソンショックが起った1971年8月からの54年後にあたります。54は黄金分割の重要数字のひとつですから、この日柄は気に留めておいた方が良いでしょう。ここまでは基本的円高が進むと見ています。まだまだ時間があるので、ドルはかなり大きく下げるでしょう。前々から申し上げているように、その時点で1ドル=65円は十分にあると見ています。

 

――

ユーロ円はいかがでしょうか。

若林

マルクをユーロに代替すると、ユーロの高値は1979年12月の1ユーロ=285円56銭です。ここから36度チャネルを描くと、ユーロ円はグレーゾーンの下限に阻まれていて、そこから上に行けない状態が長年続いてきました。例外は170円を付けた2008年で、それ以外はほぼ阻まれています。

2021年は134円14銭までやりましたが、やはりだめで128円台。ということで、どうも下に行くと思われます。

いつまで下がるのかというと、これは良く分かりません。ただドル安が進む2025年8月くらいまでは、どうもユーロに対しても円高が進むのではないかと見ています。

2008年8月の169円99銭という高値から2014年12月の149円の高値まで、が単月で84カ月あります。その後、2018年2月に137円50銭の戻り高値があって、これが2014年12月から見て42カ月。そして、今年6月1日に134円14銭の戻り高値をつけたのですが、これが2018年2月の137円50銭から42カ月です。

ですから、ここからしばらくの間、ユーロは下げの時間帯に入るとみています。122円56銭が非常に強いサポートラインになっていますが、これを下に抜けると1ユーロ=94円56銭を意識する動きになると思います。

 

コモディティ

――

一時期、1バレル=85ドル近辺まで上昇したWTIですが、12月に入って63ドルまで調整しました。これからの動きをどう見ていますか。

若林

WTIは2008年7月に1バレル=146ドル85セントの天井を付けた後、暴落しました。この高値から18度チャネルを描くと、2021年10月の上限が90ドルです。そして実際には85ドル41セントで、上限に達しませんでした。

とはいえ、2020年にマイナス40ドルという変な価格をつけた後、WTIは一気にここまで上昇してきました。

少し時間を遡りますが、1990年10月、湾岸戦争のなかで1バレル=41ドル15セントという高値を付けました。今年はそこからの41年目でした。そのため、2021年10月の85ドル41セントに向けて一気に相場が上昇したのです。

ちなみに146ドル85セントの高値から、黄金分割の61.8ドルを引くと85ドル05セントになります。それがレジスタンスだったのが、85ドル41セントまでやってしまいました。で、今は大幅に調整しています。

この調整は、恐らく米国経済がこの先、非常に厳しい局面を迎えることを示唆しているのだと思います。結果、WTIもこの先はかなり大きく下げるのではないでしょうか。

――

金価格の行方についても教えて下さい。

若林

1999年8月の1トロイオンス=252ドルから54度チャネルを描くと、2011年9月に1920ドルまで上げて54度線にぶつかり、その後、暴落しました。これは非常にまともなマーケットといっても良いでしょう。暴落といって良いほどの下げをしたものの、グレーゾーンを多少、割り込んだと思ったら、再びグレーゾーンの中に戻ってきています。

そして今、1750ドルのところがサポートになっているので、ここは買い場と捉えています。もちろんこのサポートを切れたら再び暴落することも考えられますが、現状、インフレ懸念が強まっていること、長期金利が低下傾向にあること、そしてドル安シナリオが有望視されることから考えると、金価格にとってはポジティブと考えています。

 

――

ありがとうございました。

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若林栄四氏プロフィール

若林栄四  わかばやし・えいし

ワカバヤシ エフエックス アソシエイツ代表
1966年東京銀行(現、三菱東京UFJ銀行)入行。シンガポール支店、本店為替資金部及びニューヨーク支店次長を経て勧角証券(アメリカ)執行副社長を歴任。現在、ニューヨークを拠点として、ファイナンシャル・コンサルタントとして活躍する傍ら、日本では株式会社ワカヤバシ エフエックス アソシエイツ(本邦法人)の代表取締役を務める。
ブログ:ニューヨークからの便り

■著書
・最新刊 バイデノミクスの深層(日本実業出版社/2021/8/21)、好評発売中。

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