鈴木正浩の究極の大家道「タンク満タンですか?」

タンク満タンですか?「丸善醤油株式会社 佐田洋氏インタビュー」

2022/10/09

富山県入善町で、名水黒部川扇状地の天然資源の恩恵を受け、100年以上に渡って地域の食卓とともに歩んできた醤油づくりの老舗があると聞きつけました。
今回は、その老舗「丸善醤油株式会社」の専務取締役であります佐田洋さんにお話をお伺い致しました。
聞き手は、トレードトレードブログで「かしこい大家の不動産投資」を書いている鈴木正浩さんです。

「創業大正15年 伝統と信頼の入善ブランド」

鈴木:

本日はお忙しい中ありがとうございます。
まずは、会社の歴史を教えていただいてもよろしいでしょうか。

佐田:

もともと米問屋「佐田商店」として明治末期に創業し、その後大正に入り味噌、醤油を扱う事業に転業し今に至ります。

鈴木:

佐田さんはお若いですが、何代目に当たるのですか?

佐田:

父が4代目で、私で5代目となります。

鈴木:

お店の雰囲気も素晴らしいですね。表からは煙突も見えますが、こちらは今も使われているのでしょうか

佐田:

昔ほどではないのですが、稼働はしています。機械化が進むにつれて以前より使う事は減ってきました。

鈴木:

お取り扱いの商品について聞きたいと思います。味噌、醤油以外にもいろいろ取り扱っているようですが、お店でも人気の商品を教えてください。

佐田:

昔は醤油がメインでしたが、最近は味噌と麹ですね。麹の中でも甘酒が特に人気です。

鈴木:

甘口醤油も人気と聞きました。こちらはどういった醤油になるのでしょうか?

佐田:

はい、こちら混合醸造になりまして味を合わせる作り方をしています。
九州の海側と、富山県の東側が特に甘い醤油を作っているのですが、その甘みをどんどん足して作る感じです。

鈴木:

甘口の醤油だとびっくりする方も多いんじゃないですか?

佐田:

大学時代に東京の仲間に醤油をプレゼントした事があるんですが、そしたら、「甘い!なんだこれ?」って言われまして。それがショックで今も覚えています。(笑)

「素材の美味しさは商品のおいしさにつながる」

鈴木:

こちらの白だしはどんな商品ですか?

佐田:

こちらは富山県の方に好まれるように作った白だしで、昆布ベースの万能調味料になっています。
富山県民がとにかく昆布が好きで、実は富山県の昆布消費量は日本一なんですよ

鈴木:

佐田さんについてもお伺いしたいと思います
先程大学の話が出ましたが、その時はお店を継ぐ事は決まっていたのですか?

佐田:


いえ、実は全く継ぐ気はなくて、大学時代はプロ目指してバンド活動ばかりしてました。

鈴木:

そうなんですね!ちなみにどんなジャンルのバンドだったんですか?

佐田:

パンクロックで、ボーカルをやっていました。
ただ、バンドは大学卒業後1年程で辞めて富山に戻ってきました。

鈴木:

なぜバンドを辞めて富山に戻ってきたのですか?

佐田:

祖父から電話がかかってきて「そろそろいい加減にしろ」と言われまして。

鈴木:

そんな感じで戻ってきたら仕事も大変だったんじゃないんですか?

佐田:

はい。実際やってみたものの、全然面白くなくて、、、。

鈴木:

そうなんですね。何がきっかけで本腰を入れようと思ったのですか?

佐田:

しばらく業界にいると、味噌、醤油の消費量がどんどん減ってきてるという事を実感するようになりまして。
そういった中でどのように生き残っていくかを考えた時、今のままではいけないなと思い、いろいろな事にチャレンジしようと思いました。

鈴木:

その時のエピソードはありますか?

佐田:

地元で凄い美味しい水が沸いているところを発見したんです。それで、その水を何とか使えないかと思いまして。
ただ、水を使いたいと頼みに行ったら、めちゃくちゃ怒られたんです。
当時、水を使う人のマナーが悪くて皆さんやりたい放題だったんですよね。洗車に使ってる人もいたそうです。
それで同じように雑に扱うと思われたんでしょうね。

鈴木:

それは大変ですね、その後よく使わせてくれましたね。

佐田:

こちらのやりたいことを何度も伝えていくうちに納得いただけました。
今ではいい関係を築き上げて自由に使わせてもらってます。

鈴木:

そういった経験がこの美味しい商品になっているのですね。

「伝えていくことの難しさと大切さ」

鈴木:

今後の展開をお伺いしたいと思います。
これから力を入れていきたい事などはありますか?

佐田:

今はコロナの影響でなかなか思うように動けないのですが、お手軽な商品が喜ばれるのでそちらを伸ばしていきたいと思っています。
フリーズドライのような商品も考えたんですが、コストがどうしてもかかってしまうので、何か他のアイデアがないか考えているところです。

鈴木:

それはまた楽しみですね、新しい商品期待しています。
本日はありがとうございました。

佐田:

こちらこそありがとうございました。

丸善醤油株式会社専務取締役・佐田洋

豊饒の大地、名水黒部川扇状地の天然資源の恩恵を受け、入善町で100年以上に渡って商いをさせていただいてきました。ふるさとの素材に対して繊細に敏感にそして大切に捉え、「素材の美味しさは商品のおいしさにつながる」ことを確信し、伝統を継承しております。その一部の商品は「トレトレストア」でも販売しておりますので、ぜひお買い求めください。

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