混迷の円相場
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自民党総裁選で高市早苗氏が新総裁に就任し、円安・株高の“高市トレード”が進行。しかし公明党の離脱報道で相場は急転。ドル円・日経平均が乱高下する中、次期政権と金融政策の行方に注目が集まっています。
2025年10月14日号
先々週の自民党総裁選に於いて、大方の予想を裏切って高市早苗総裁が誕生し、女性初となる内閣総理大臣誕生を期待しての所謂“高市トレード。”なる物が台頭して株高&円安が進み、日経平均は48,000円を超え、ドル円相場は153円を超えたが、先週金曜日に“公明党が連立与党政権から離脱する。”と言う驚きのニュースが流れて、“高市トレード。”の巻き戻しが起き、日経平均は大きく下げ、ドル円相場も高値153.27から151.16迄2円近くも下げて大混乱となった。
アメリカでは中国のレアアース規制に反発したトランプ大統領が対中追加関税を発表して米中経済摩擦再燃の懸念が広がり、リスクオフの展開となって株安、ドル安、そして債券高(金利安)となってニューヨーク株式市場では3指数とも大幅に下げ、米長期金利低下と相まってドルの下げに拍車を掛けた。
スポーツの日で東京市場が休場の中、トランプ大統領が中国との貿易に対する強硬姿勢を和らげたことを受けて貿易戦争を巡る懸念が和らぎ、株価は大きく反発し、ドルも買い戻されてドル円相場は再び152円台を回復したが、連休明けの東京株式市場では日経平均株価は一時1400円超下落して46,600円台を付け、ドル円相場も再び151円台迄下落している。
自公連立与党政権が破局を迎えて高市内閣総理大臣誕生に暗雲が立ち込め始めた。
報道によると立憲民主党、国民民主党、そして維新の会などが3党連立を模索し始め、キャスティングボートを握ると言われている立憲民主党の代表が“総理職を務めることはやぶさかではない。と述べるなど、我が国の次の総理大臣が誰になるかが分からなくなり、当然これからの我が国の経済政策、金融政策がどうなるかも不透明となってきている。
海外から意見を求められても、残念ながら答え様が無い。

アメリカの様に赤(共和党)か、或いは青(民主党)かの二者択一ではなく、意外な結果となった自民党総裁選や今回の驚きの公明党の政権離脱の様に、何だか魑魅魍魎の世界で“明日はどうなるか分からない。”状況では、中々大胆なポジショニング(強い相場観を持って、ロング(買い持ち)かショート(売り持ち)のポジションを作る。)は出来ない。
アメリカでは政府機関の一部閉鎖によって雇用統計などの経済指標の発表が遅れているが、FRB.高官によるハト派的発言などから見ても、10月の追加利下げへの期待は続いている。
我が国の政局不安による円安懸念と、トランプ大統領の対中政策の行方への懸念などの不安材料が有るが、ドルの上昇には限りが有るのではなかろうか?
先週からの円安進行に対して、加藤財務相は“為替相場はファンダメンタルズを反映し安定推移が重要。
先週以降、円安方向で急激な動きも見られている。為替市場における過度な変動をしっかり見極めていく。“との牽制発言を行った。
今回の6円以上もの急激なドル高&円安は日本発の問題であり、“150円のベッセント・シーリング。”が噂されたアメリカにとっては“蚊帳の外。”である。
同盟国である我が国の内政問題に関しては決着が着くまでは黙っていようが、誰が次の総理大臣になるか兎も角、“何時までも黙っている。”とは思えない。
我が国の政局のゴタゴタにより暫く続いた146~149円のレンジから大きく逸脱してしまったが、これが長く続くとも思えない。
ドル円は暫くボラティリティーの高い展開が予想されるが、リスク管理を慎重に上手く立ち回りたい。
今週のテクニカル分析
今週のテクニカル分析の見立ては更なる上昇を見込む。
今週のレンジ
ドル円:150.00~153.00
ユーロ円:174.00~177.00



酒匂隆雄 (さこう・たかお)
酒匂・エフエックス・アドバイザリー 代表
1970年に北海道大学を卒業後、国内外の主要銀行で為替ディーラーとして外国為替業務に従事。
その後1992年に、スイス・ユニオン銀行東京支店にファースト・バイス・プレジデントとして入行。
さらに1998年には、スイス銀行との合併に伴いUBS銀行となった同行の外国為替部長、東京支店長と歴任。
現在は、酒匂・エフエックス・アドバイザリーの代表、日本フォレックスクラブの名誉会員。
公式ブログ:酒匂隆雄が語る「畢生の遊楽三昧」
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