高市トレード
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先週土曜日に実施された自由民主党総裁選挙で、高市早苗氏が新総裁に選出された。自民党が少数与党に落ちぶれた為に、すんなりとは自民党総裁=内閣総理大臣とは行かないが、15日に予定されている臨時国会に於いて一部野党の協力の元、高市氏がこれも初めての女性内閣総理大臣の誕生となりそうである。
2025年10月6日号
先週土曜日に実施された自由民主党総裁選挙で、高市早苗氏が新総裁に選出された。
選挙直前の大方の予想は小泉進次郎氏が優勢であったが、その予想を覆しての初めての女性総裁の誕生である。
自民党が少数与党に落ちぶれた為に、すんなりとは自民党総裁=内閣総理大臣とは行かないが、15日に予定されている臨時国会に於いて一部野党の協力の元、高市氏がこれも初めての女性内閣総理大臣の誕生となりそうである。
どう言うベクトルが働いて高市氏が逆転(?)勝利を飾ったかは良く分からないし、その背景については余り興味は無いが、高市新総理大臣が行おうとしている政策に関しては否が応でも大いに興味を持たざるを得ない。
市場では高市氏が描く新政策による影響を、“高市トレード。”と呼ぶが、現在知られている市場に影響を与えるであろう高市氏の政策は、
-必要な財源(例えば防衛関連)確保の為の国債の発行は止むを得ない。
-財務省に対して税収増のプラン提示を求める。
-成長戦略の一環としてAI.、半導体、量子、核融合の分野を強化する。
そして最も興味深いのは
-日本経済はぎりぎりのところにあり、コストプッシュ型のインフレを放置して、デフレではないと安心するのは早い。
として、日銀の利上げに対するけん制ともとれる発言をしている点である。
総裁選後の記者会見でも、“財政政策にしても、金融政策にしても、責任を持たなければいけないのは政府だ。”とあたかも、日銀の専管事項である金融政策に関しても注文を付けると堂々と宣言した。
アメリカの中央銀行であるFRB.の議長を恫喝し、利下げを強要する何処かの大統領と似ていなくもない。

そう言えば、この高市氏が昨年日銀が利上げを行った直後に、“日銀が金利を今上げるのは阿保や!”と大阪弁でまくし立てた事は記憶に新しい。
大胆な金融政策、機動的な財政政策、そして民間投資を喚起する成長戦略を標榜したアベノミクスの踏襲者として知られる高市氏としては、市場から“当選の暁は大胆な財政出動と金融引き締め反対による株高と円安は必至。”と言われていたが、米国連邦政府の予算失効に伴う一部政府機関の閉鎖や相次ぐ日銀執行部のタカ派的発言によりドル安&円高が進み、147円台のミドルで週を終えたドル円相場は週明けの東京外為市場では149.04でオープンした後正午現在で150円を超える展開となっている。
日経平均は前場は前日比2,065円高で引けて48,000円を目前とし、2営業日連続で最高値更新となった。
正に市場が予想した、“高市トレード。” が示現しているのだが、このまま株高、円安、そして恐らく長期金利高(債券安)が進んで行くかどうかは断言は出来ない。
二党制で、何方かが勝てばThe winner is always right.(勝てば官軍。)のアメリカでは、案の定トランプ大統領が好き放題を行っているが、日本ではそうは行かない。
特に自民党が少数与党である現状では野党との連立、或いは政策協調無しには高市政権はもたない。
総裁選前の発言とは違う方策を打ち出す必要性も出て来るであろうし、又金融政策に関してもベッセント米財務長官が日銀植田総裁に対して再三金融政策の早急な正常化(利上げ。)を求めているのは周知の事実であり、又円安進行を快く思う筈は無い。
今日は高市新総裁誕生への期待で株価上昇、そして円安が進んでいるが少し囃し過ぎの感がしないでもない。
此処からのドル円の上値は、高市新政権の政策の不透明感や米政府機関の閉鎖による米国の景況感と雇用環境悪化懸念、そして年内2回のFOMC.での追加利下げ観測、トランプ米政権の日米貿易不均衡是正のための円安抑制などから限定的だと思われる
既に高市新内閣の閣僚選びと党内人事が詮索され始め、官房長官や外務大臣、防衛大臣が誰になるかがリークされ始めているが、党内人事は兎も角未だ総理大臣にも任命されてもいないのに閣僚を指名することに違和感を感じる。
ベクトルを働かせた“偉い人。”に対しての忖度なども影響しているのであろうが、ちょっとはしゃぎ過ぎではなかろうか?

高市氏当選なら株高&円安は織り込み済みであるが、市場は小泉氏当選と見てのポジショニング(少なくとも為替市場では円買い。)を行っていたので、その反動での円売りが起きても当然であるが、深追いは禁物。
上で述べたドルに対してのネガティブ要因を忘れてはなるまい。
ドル円相場の上値は限られると心得る。
市場のポジションであるが、米政府機関の閉鎖により10月3日に予定されていた9月米雇用統計発表延期と同様にシカゴ・IMM.のポジション発表も遅れているが、我が国個人投資家は久し振りにドルの売り持ちに転じて、10月29日付けでネットで1億ドルのショートとなっている。
同日ドル円相場は149円台を付けており、良い所で売っているがその後のドルの下落局面で買い戻しているかは、明日判明する。
今週のテクニカル分析
見立ては更なるドルの上昇を見込む。
今週のレンジ
ドル円:148.00~151.00
ユーロ円:174.00~177.00



酒匂隆雄 (さこう・たかお)
酒匂・エフエックス・アドバイザリー 代表
1970年に北海道大学を卒業後、国内外の主要銀行で為替ディーラーとして外国為替業務に従事。
その後1992年に、スイス・ユニオン銀行東京支店にファースト・バイス・プレジデントとして入行。
さらに1998年には、スイス銀行との合併に伴いUBS銀行となった同行の外国為替部長、東京支店長と歴任。
現在は、酒匂・エフエックス・アドバイザリーの代表、日本フォレックスクラブの名誉会員。
公式ブログ:酒匂隆雄が語る「畢生の遊楽三昧」
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