酒匂隆雄の「為替ランドスケープ」 

今週は、様子見

2025/09/29

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良好な米経済指標が相次いだことで過度な利下げ期待が後退してじり高の展開となり、150円にあと一歩と迫る149.95の高値を示現したが、パウエルFRB.議長が雇用の下振れリスクを指摘したため、一方的なドル高とはならず、10月3日発表になる9月の米雇用統計に市場の注目が集まっている。

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2025年9月29日号

先週のドル円相場は、複数の米連銀総裁から早期利下げを否定する発言が目立つなか、良好な米経済指標が相次いだことで過度な利下げ期待が後退してじり高の展開となり、150円にあと一歩と迫る149.95の高値を示現した。

只、パウエルFRB.議長が雇用の下振れリスクを指摘したため、一方的なドル高とはならず、10月3日発表になる9月の米雇用統計に市場の注目が集まっている。

先月、非農業部門雇用者数が市場予想の+7万人を大きく下回る+2.2万人となって、大きく下げたドル円相場であるが、市場は8月分を+5万人と予想する。

実際の数字がこの予想より高ければ単純にドル高が予想され、逆に低ければドル安が予想されるが、翌日4日の自民党総裁選からも目が離せない。

最新の日経新聞とテレビ東京の“次の自民党総裁にふさわしい人。”を聞いた合同世論調査によると、高市早苗氏が34%、小泉進次郎氏が25%で、林芳正氏が14%で高市氏が一歩先んじているが、自民党支持層に限ると小泉氏33%、高市氏28%、林氏が20%と小泉氏がリードする。

恐らく総裁選では高市氏と小泉氏との決選投票となる可能性が高いと見られるが、合同世論調査で尋ねた“総裁選で議論して欲しい。”政策については、“物価対策。”、“年金。”、“経済成長。”が上位に並んでおり、新総裁はそれ相応の財政支出を強いられることになることは必定であろう。

先週のレポートで、“高市氏当選なら財政拡大と金融緩和期待で円安、小泉氏当選なら現状維持で円高とのイメージを持つ。”と述べたが、これは市場の大方の見方とそう違いはあるまい。

自民党が少数与党になった為、自民党総裁が内閣総理大臣になるとは限らないが、仮に高市氏がその内閣総理大臣になると、10月末に来日が予定されているトランプ大統領と会談することになる。 4月の株安、債券安、ドル安のトリプル安に恐れをなして為替相場に関しては口をつぐんだままのトランプ大統領であるが、会談時に大幅な円安となっていた場合に“America first.”いや、“自分本位外交。”を標榜するトランプ大統領が黙っているとも思えない。

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我が国の今年の1-7月の対米貿易黒字は、5兆398億円となっており、昨年同時期の5兆3149億円から、 トランプ関税にも関わらず減少幅はわずかだった。

トランプ政権が目指す日米貿易不均衡の是正は、トランプ関税にも拘わらずに遅々として進んでおらず、更なる是正の為には為替面でドル安・円高が必要なことは、ベッセント米財務長官も認識していると思われる。

ドル円の150円台は、2月と8月にベッセント財務長官と植田日銀総裁が電話会談して、円安への懸念を共有した水準であり、“150円の壁。”を意識しておきたい。

余談であるが、クリントン政権のベンツェン米財務長官は、日米貿易不均衡是正のために、ドル円の113.60を許容される上限とする“ベンツェン・シーリング。”を設定していたが、現トランプ政権のベッセント財務長官も、同じ様に日米貿易不均衡是正のために、ドル円に許容される上限を設定していて、この“150円の壁。”を“ベッセント・シーリング。”と呼ぶと言うまことしやかな話もあることをご披露しておきたい。

残念ながら、筆者のネットワークではそこまで具体的な話は聞こえて来ない。

シカゴ・IMM.は前週大幅にドルの売り持ちを減らしたが、148円を超えた先週は再び15億ドル売り持ちを増やしている。

彼らの行動パターンが良く読めないが、少なくとも中期的なドル安&円高の相場観は変えていない模様である。

我が国個人投資家は相変わらずレンジ内で下がればドルを買い増し、上がればそれを売ると言うレンジ取引を継続している。

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今週は週末の大きなイベントを控えて様子見のスタンスで臨んだ方が良さそうである。

今週のテクニカル分析

今週のテクニカル分析の見立ては149.50のレジスタンスを上切ったので更なる上昇を見込むが、どうやら150円を大きく超えて行きそうにもない。

今週のレンジ

今週のレンジはドル円が148.00~151.00で、ユーロ円が173.00~176.00。

酒匂隆雄

酒匂隆雄 (さこう・たかお)

酒匂・エフエックス・アドバイザリー 代表
1970年に北海道大学を卒業後、国内外の主要銀行で為替ディーラーとして外国為替業務に従事。
その後1992年に、スイス・ユニオン銀行東京支店にファースト・バイス・プレジデントとして入行。
さらに1998年には、スイス銀行との合併に伴いUBS銀行となった同行の外国為替部長、東京支店長と歴任。
現在は、酒匂・エフエックス・アドバイザリーの代表、日本フォレックスクラブの名誉会員。


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