FRB.の利下げ、日銀の利上げ機運高まる
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前週のウィリアムズNY連銀総裁に続き、次期FRB議長候補とされるウォラーFRB.理事が12月FOMCでの利下げを支持する姿勢を示し、ウィリアムズ氏の講演前は30%台だった12月の利下げ予想確率は、足元では80%近辺まで上昇。日銀の植田総裁は本日12月1日に名古屋での金融経済懇談会に於いて講演を予定しており、日銀が今月18日~19日の予定で開かれる金融政策決定会合での利上げの可能性を示唆するかどうかが注目される。
2025年12月1日号
先週のレポートでは、“混沌とする、日米金融政策の行方。” と称してFRB.の利下げと日銀の利上げの可能性に付いて検証したが、先週は益々その可能性が増した感が有る。
前週のウィリアムズNY連銀総裁に続き、次期FRB議長候補とされるウォラーFRB.理事が12月FOMCでの利下げを支持する姿勢を示し、ウィリアムズ氏の講演前は30%台だった12月の利下げ予想確率は、足元では80%近辺まで上昇している。
又、同じく次期FRB議長の最有力候補としてハセット米NEC.(National Economic Council.の略で、安全保障、社会保障なども含めた総合的な立場から経済政策の立案、調整および大統領に助言を行うアメリカ合衆国連邦政府の行政機関。)委員長の名前が挙がったが、同氏はFRB.に対して利下げ圧力をかけ続けており、これもFRB.の利下げ機運を高めて10年債利回りは一時4%を割り込んだ。
“政策変更はData dependent.=データ次第である。”と繰り返すパウエルFRB.議長は目立った発言をしていないが、数少ないとは言え最近発表された米国経済データは、利下げを妨げる様な物は無かった。
片や日銀であるが、此方も10 月の日銀金融政策決定会合での“主な意見。”では、植田日銀総裁、内田副総裁、氷見野副総裁に続いて、利上げを主張した高田審議委員と田村審議委員の見解が配置されており、先週は増審議委員が、“利上げ判断は近づいている。”と述べたことで、12 月の利上げ観測が更に高まった感が有る。
日銀の植田総裁は本日12月1日に名古屋での金融経済懇談会に於いて講演を予定しており、日銀が今月18日~19日の予定で開かれる金融政策決定会合での利上げの可能性を示唆するかどうかが注目される。
パウエルFRB.議長も本日講演が予定されており、此方もその内容に注目が集まる。

市場予想通りにFRB.による利下げ、そして日銀による利上げが行われればドル円相場は自ずからドル安&円高になることが予想されるが、我が国政府内からも現状の円安に対する警戒の言葉が更に聞かれる様になった。
植田日銀総裁は円安進行について“輸入物価を押し上げて、それが国内物価に転嫁されていくことで消費者物価の押し上げ要因になる。”と述べていたが、高市首相は26日の党首討論で、為替については“ファンダメンタルズに基づいたものかどうか、投機的な動きもあるだろう。様々な状況をみながら、政府として必要な手立てを講じていく。”と述べ、木原官房長官や片山財務相も、円安に対して“憂慮している。”と述べたが、片山財務相は週末のテレビ番組で、“現在の円安の動きはファンダメンタルズを反映していないのは明確である。”と不快感を示した。
通常10月に米財務省が連邦議会に提出する“外国為替報告書。”が政府機関閉鎖の影響を受けて公表が遅れているが、公表のタイミングでの我が国財務省によるドル売り・円買い介入の可能性に警戒しておきたい。
同じく政府機関閉鎖の影響を受けて発表が遅れているシカゴ・IMM.のポジションは徐々にドル・ショート&円・ロングのポジションを縮めており、10月14日付けで約31億ドルの売り持ちとなっている。
因みに当日のニューヨーク市場の終値は152.31であった。

先週も述べたが、ドル円相場が152円台から157円台へと上昇する中、彼らがドテンして現在はドル・ロング&円・ショートに転じている事には驚かない。
それが急激なドル高&円安の要因となった可能性は大である。
片や我が国個人投資家は155円を超えてからは僅かなドル・ショートのポジションを保持しており、157円台ではドルのショートを僅かながら増やしている。
良いのではなかろうか?
| ポジション | ニューヨーク終値 | |
|---|---|---|
| 10月7日 | +11億ドル | 151.9 |
| 変化 | +11億ドル | +3.96 |
| 10月14日 | 0 | 151.81 |
| 変化 | -11億ドル | -0.09 |
| 10月21日 | +6億ドル | 151.91 |
| 変化 | +6億ドル | +0.10 |
| 10月28日 | -3億ドル | 152.09 |
| 変化 | -9億ドル | +0.18 |
| 11月4日 | +1億ドル | 153.66 |
| 変化 | +4億ドル | +1.57 |
| 11月11日 | +1億ドル | 154.14 |
| 変化 | 0 | +0.48 |
| 11月18日 | -1億ドル | 155.53 |
| 変化 | -2億ドル | +1.39 |
| 11月25日 | -2億ドル | 156.07 |
| 変化 | -1億ドル | +0.54 |
今週のテクニカル分析
見立てはドルの下落を予想。
今週のレンジ
ドル円:154.00~157.00
ユーロ円:179.00~182.00



酒匂隆雄 (さこう・たかお)
酒匂・エフエックス・アドバイザリー 代表
1970年に北海道大学を卒業後、国内外の主要銀行で為替ディーラーとして外国為替業務に従事。
その後1992年に、スイス・ユニオン銀行東京支店にファースト・バイス・プレジデントとして入行。
さらに1998年には、スイス銀行との合併に伴いUBS銀行となった同行の外国為替部長、東京支店長と歴任。
現在は、酒匂・エフエックス・アドバイザリーの代表、日本フォレックスクラブの名誉会員。
公式ブログ:酒匂隆雄が語る「畢生の遊楽三昧」
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