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			先週は、日米財務相・首脳会談、FOMC.、日銀金融政策決定会合などの重要なイベントが開催され、注意すべき点を幾つか挙げて身構えたが、結局は驚く様なニュースは出て来なかったにも拘わらず、市場は株高&ドル高に反応した。注意すべきニュースのヘッド・ラインを以下に纏めた。
2025年11月4日号
先週は、日米財務相・首脳会談、FOMC.、日銀金融政策決定会合などの重要なイベントが開催され、注意すべき点を幾つか挙げて身構えたが、結局は驚く様なニュースは出て来なかったにも拘わらず、市場は株高&ドル高に反応した。
先週、注意すべきニュースのヘッド・ラインを以下に纏めた。
-ベッセント米財務長官による円安阻止の為の日銀に対する利上げ要求が有るのか?
結果。
露骨な利上げ要求は無かったが、ベッセント財務長官は“健全な金融政策の策定とコミュニケーションがインフレ期待を安定させ、過度の為替レートの変動を防ぐうえで重要な役割を果たす。アベノミクス導入から12年が経過し、状況は大きく変化している。”と述べて、経済環境が全く異なっている現状での“サナエノミクス。”とも呼ばれる高市政権による緩和的金融政策と積極財政に釘を刺した。
このメッセージは、日本が消費者物価指数が前年比-0.1%でデフレ状態にもがいていた12年前と違い、消費者物価指数が前年比+2.7%の現在では金融引き締めが必要であり、金融引き締めをすれば自ずからドル安&円高になる筈であるとのメッセージと解釈しても良かろう。
言い換えれば、足元の円安に対するけん制とも言える。
-トランプ大統領によるドル高&円安に対する不満が出るのか?
結果。
不満は全く出なかったが、4月にドル安に言及してトリプル安が起きた事に懲りて最近は為替相場に対してのコメント発信を避けて来たが、現在アメリカでは株高と債券高(金利安)の状態であり、何時ドル高に対する不満を表明するか分からない。
引き続き、気まぐれトランプの発言には要注意である。

-パウエルFRB.議長が更なる利下げに対して慎重になるのか?
結果。
パウエル議長はFOMC.後の記者会見で、“12月会合での追加利下げは既定路線ではない。そう呼ぶ状況からは程遠い。”と述べて更なる利下げに対して慎重な姿勢を見せた。
長期金利は上昇し、対豪ドル以外の主要通貨に対してドル高が進行した。
| 10月24日 | 10月31日 | |
|---|---|---|
| ドル・円 | 152.88 | 154.05 | 
| ユーロ・ドル | 1.1627 | 1.1535 | 
| ポンド・ドル | 1.3310 | 1.3143 | 
| 豪ドル・ドル | 0.6510 | 0.6544 | 
| 10年債利回り | 4.002% | 4.083% | 
-植田日銀総裁から我が国のインフレや成長率について楽観的な意見が聞かれるのか?
結果。
植田総裁は決定会合後の記者会見で、“経済・物価見通しやその確度により、適切に金融政策運営していく。利上げの是非やタイミング、現時点で予断持っていない。との発言し、市場はこの発言を利上げに前向きではないと受け取り、ドル円は154円台迄買い上げられることとなった。
FRB.による利下げが行われたにも拘わらず、先週のイベント後もドル高&円安が進んでいるが、市場は未だに“サナエノミクス。”の到来を期待して“高市トレード。”を推し進めて行くのであろうか?
高市総理からは金融・為替政策に関しての具体的な話は聞かれないが、かつて“物価高の沈静化に向け円高進行が望ましい。ドル円は120円台が実力との見方が多い。”と発言した片山財務大臣が先程、“為替ついて一方的で急激な動きがみられる。高い緊張感をもって見極めている。”と述べた。
今後、“断固たる措置を取る。”などのもっと強い文言が出て来ると、我が国金融当局によるドル売り&円買い介入の可能性も増して来よう。
我が国金融当局は昨年4月にドル円相場が159円~160円の水準で5.9兆円、5月に157円~158円の水準で3.9兆円、そして7月11日に161円~162円、翌7月12日に158円~159円水準で各々3.2兆円と2.3兆円の円買い&ドル売り介入を行い、9月には140円割れとなるドル安&円高が進行した。
本日から6日まで衆参両院本会議場では高市新総裁の所信表明演説に対する各党の代表質問が行われるが、高市氏が金融・財政政策に関してどの様な発言をするかが注目される。
総裁就任前の持論である、“緩和的金融政策と積極財政。”からの変化が見られる様であれば、“高市トレード。”の巻き戻しが起きても不思議ではないと考えている。
今週のテクニカル分析
見立てはドルの買われ過ぎに注意。
今週のレンジ
ドル円:152.00~154.50
ユーロ円:176.00~179.00



酒匂隆雄 (さこう・たかお)
酒匂・エフエックス・アドバイザリー 代表
1970年に北海道大学を卒業後、国内外の主要銀行で為替ディーラーとして外国為替業務に従事。
その後1992年に、スイス・ユニオン銀行東京支店にファースト・バイス・プレジデントとして入行。
さらに1998年には、スイス銀行との合併に伴いUBS銀行となった同行の外国為替部長、東京支店長と歴任。
現在は、酒匂・エフエックス・アドバイザリーの代表、日本フォレックスクラブの名誉会員。
公式ブログ:酒匂隆雄が語る「畢生の遊楽三昧」
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