レバレッジ型投資信託を買う時の注意点
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株高局面で注目されがちなレバレッジ型投資信託。しかし長期で保有すると期待通りのリターンにならないケースも多い。この記事で分かること:レバレッジ型投信の仕組み/指数との乖離が起きる理由/長期保有が不向きな根拠。
調整局面を迎えそうな国内株式市場ですが、ここまでの株高を見て、一部で「レバレッジ型のファンドを買っておけば、もっと儲かったのでは?」という声が出てきています。
直近、調整をしている株価ですが、4月のトランプ関税からの値上がり率をTOPIXで見ると、今年の株式投資の成績は案外、良かったという方も多いのではないでしょうか。
4月7日のTOPIXは、終値で2288.66ポイントでした。それが11月18日時点では3251.10ポイントですから、この7カ月間で42.05%も上昇したことになります。単純に、TOPIX連動型のインデックスファンドを買っているだけでも、この半年間で42%程度のリターンが得られたことになります。これを見れば当然、「インデックスに対して2倍、3倍のリターンが期待できるレバレッジ型のファンドを持っていた方が、より高いリターンが得られるはず」と考える人が出てくるのも当然でしょう。
レバレッジ型ファンドについて簡単に説明しておきます。
これは参考指数の前日比に対して2倍、3倍の率で基準価額が変動するファンドのことです。ブル型という言い方もあります。また参考指数とは逆の値動きをするファンドもあり、こちらは「ベア型」あるいは「インバース型」と称されます。ここでは株価上昇局面で注目されているブル型について、商品面の問題点を考えてみたいと思います。
たとえばレバレッジ2倍のファンドで運用した場合を想定してみましょう。参考指数はTOPIXにします。要するに、TOPIXの値動きに対して2倍の連動率を持つレバレッジ型ファンドです。
TOPIXが急落した4月7日を起点にして、11月18日までの同インデックスの上昇率は、42.05%でした。ということは、この間、TOPIXの値動きに対して2倍の連動率を持つレバレッジ型ファンドの基準価額の上昇率は、42.05%×2倍=84.10%になるはず、と考える方もいらっしゃるのではないでしょうか。
では、前日と当日の基準価額の変動率を2倍にして、この半年間のレバレッジ型ファンドの上昇率をシミュレートしてみましょう。すると、2倍レバレッジの上昇率は97.08%になりました。つまり倍以上のリターンが得られたことになります。少なくともこの半年間の国内株式市場においては、レバレッジ型ファンドの利点が大いに生かされました。
こうなると、長期にわたってレバレッジ型ファンドを保有し続ければ、リターンはさらに高くなるのではないか、と考えたくなるでしょう。

しかし、残念ながら現在、設定・運用されているレバレッジ型ファンドは、長期保有に耐えられない仕組みになっています。
ポイントは、2倍の連動率がいつの基準価額に対してのものか、という点です。前述したように、レバレッジ型ファンドは、前日の基準価額に対して2倍、あるいは3倍といった倍率でレバレッジがかかる仕組みになっています。そのため、1年間保有し続けて参考指数が10%上昇したとしても、レバレッジ型ファンドの基準価額が20%上昇するとは限らないのです。
便宜的に、参考指数とインデックスファンドの値動きが同一で、かつその値動きに対して2倍のレバレッジをかけたレバレッジ型ファンドがあると想定します。
参考指数が100だったのが、60まで値下がりした後、110まで上昇したとします。この場合、参考指数の上昇率は10%です。
では、参考指数に対して2倍の連動率を持つレバレッジ型ファンドの基準価額はどうなるでしょうか。スタート時点は同じ100として、参考指数が60まで値下がりした場合の下落率は40%です。レバレッジ型ファンドの基準価額は2倍の連動率なので、80%値下がりします。つまり100だったのが20になります。
その後、参考指数は60が110に値上がりしていますから、上昇率は83%です。したがって、レバレッジ型ファンドの基準価額は、166%上昇するはずです。すると20の基準価額が53になります。
つまり、参考指数は100が110になったのに、2倍の連動率を持つレバレッジ型ファンドは、100が53まで値下がりしてしまうのです。
これは極端なケースですが、実際のTOPIXの値動きに当てはめてみましょう。
2024年7月22日を起点にして、2025年11月18日までの間、TOPIXは2827.53ポイントから3251.10ポイントまで15.05%上昇しました。ということは、これに対して2倍の連動率を持つレバレッジ型ファンドの基準価額は、15.05%×2倍=30.10%上昇するはず、と思うかも知れませんが、実際の基準価額は、100でスタートしたものが121.35にしかなりませんでした。30.10%ではなく21.35%しか上昇していないのです。
なぜ保有期間中の参考指数の上昇率に対して、レバレッジ型ファンドの基準価額の上昇率が乖離するのかというと、レバレッジ型ファンドのレバレッジが、前日の基準価額に対するレバレッジになるからです。
レバレッジは上昇に対してだけでなく、下落に対しても作用します。つまり参考指数が10%下落すると、レバレッジ型ファンドの基準価額は、前日のそれに対して20%下落するようになっているのです。その結果、レバレッジ型ファンドの基準価額は、参考指数に対して、より大きく値下がりします。
80のものを100まで戻すには25%の上昇率を必要としますが、60のものを100まで戻すには、66.66%の上昇率を必要とします。より大きく値段が下押しすると、それだけより高く上昇する力が必要になります。それと同じ原理が、レバレッジ型ファンドにもあてはまるのです。

鈴木雅光(すずき・まさみつ)
金融ジャーナリスト
JOYnt代表。岡三証券、公社債新聞社、金融データシステムを経て独立し(有)JOYnt設立し代表に。雑誌への寄稿、単行本執筆のほか、投資信託、経済マーケットを中心に幅広くプロデュース業を展開。

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