高値でも買える?
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NYダウや日経平均が高値圏で推移する中、「今から投資を始めて大丈夫なのか」と悩む声が増えています。本記事では、高値局面で投資をためらう心理の正体と、初心者が動けなくなる理由、現実的な投資の始め方を整理します。
この記事で分かること:高値不安の正体/買えなくなる心理/積立投資の考え方
11月に入ってから、日米の株式市場はやや調整色が強まりました。NYダウは4万8000ドル、日経平均株価は5万2636円という高値をつけてからの調整局面だけに、「そろそろ大きな調整場面が訪れるのではないか」と疑心暗鬼になって新規の投資に二の足を踏んでいる投資家は、少なくないかも知れません。
投資経験者がそう考えるくらいであれば、投資未経験者はなおのことだと思います。新NISAを用いて投資を始めてみようと考えている投資未経験者は結構、大勢いらっしゃるはずですが、今の株価動向を見て、「本当にここで買ってもいいのだろうか」、「ここで投資をスタートさせたら、下げて損をするのでは?」と思って、身動きが取れずにいる人も多いのではないでしょうか。
株式や、株式などを組み入れて運用する投資信託は、値動きを伴う価格変動商品です。そして「買う」ことからエントリーする投資は、将来、価格が上昇することを前提に行う投資行動になるわけですが、買った直後に大きく株価が下落すると、それを取り戻すまでにある程度の時間を必要とします。
たとえば、株価が半値にまで下落したとしましょう。投資した時の株価が1万円で、それが5000円に値下がりしたことをイメージしてみて下さい。
1万円が5000円に値下がりした時の下落率は50%です。ところが、5000円になったものが1万円まで回復するためには、100%の値上がり率を必恐らく投資未経験者が、今のような株価上昇局面で投資することに躊躇するのは〜要とします。つまり倍にならなければなりません。それを取り戻すには、相応の時間を必要とします。

そのため、多くの人は株価が高値を形成していく過程で追加投資をする場合、押し目買いといって、株価が調整したところを狙って買いにいきます。安く買った方が、投資効率が高まるからです。
恐らく投資未経験者が、今のような株価上昇局面で投資することに躊躇するのは、投資の教科書などに「株式は株価が安い時に買うようにしましょう」などと書かれているのを、真に受けているからだと思います。
確かに、株価が安い時に買うのに越したことはないのですが、これを杓子定規に捉えていると、いつまで経っても投資できないという罠に陥ります。なぜなら、相場は欲望と恐怖のゲームだからです。
株価が下がったところで買おうと考えていて、実際に下がったとしましょう。ここで買いたいところですが、株価が下がり始めると、多くの投資家はこう考えます。
「もっと株価が下がるのではないだろうか」。
そう考え始めると、何も買えなくなります。何しろ、株価がどこで下げ止まるかなどというのは、誰にもわからないのですから。そこから、さらに下がったりすれば、ますます「もっと下がるのではないか」と疑心が暗鬼を生み、買いの手が完全に引っ込んでしまいます。
とはいえ、株価はどこかで必ず底を打ち、上昇へと転じます。下がり続ける相場はありません。が、「まだまだ下がるのではないか」という気持ちになってしまうと、株価が底を打って上昇に転じたのに、「いや、一時的に戻っただけ。まだ下がる」と思ってしまいます。大底を買うのは難しいと言われるのは、こういう心理状況に陥ってしまいがちだからです。
では、底を打って上昇に転じたのが明らかになったら買えるのかというと、これもまた難しいのです。なぜなら安値を見ていまっているからです。一時期、1万円だった株価が5000円まで下落したところで買うことが出来ず、いつの間にか7500円まで値上がりしていた場合、そこから買いに行けるでしょうか。多くの人は恐らく、こう思うに違いありません。
「5000円だった株価が7500円か。もう高くなり過ぎちゃったな」。
このように、下がったら下がったで買えないし、底を打って上がっても買えないという状況に陥りがちなのです。これではいつまで経っても投資することができません。
このような状況を回避するためには、まずは買うことです。「株価が安くなってから」などと考えてはいけません。もちろん個別銘柄を、明らかに割高な株価の時に買う必要はありませんが、とりあえず少額資金で良いので買っておくのです。投資金額が10万円だとして、そこから50%値下がりしたとしても、実際に被る損失額は5万円で済みます。そこからさらに下がったら、再び10万円で同じ銘柄を買い増していきます。さらに値下がりしたとしても、少額資金でしか投資していないので、損失額は小さく抑えることができます。
これは逆も真なりで、株価が下げ止まり、上昇へと転じた時も、少しずつ買い増していきます。そうすれば、買うタイミングを逃してしまうということにはなりません。
これを自動的に行えるようにしたのが、定時定額積立投資です。結局のところ、「いつ投資を始めればいいの?」とタイミングが分からない場合は、地味な方法ではありますが、積立投資を淡々と行うのが、ベターな結果をもたらすことになるのです。

鈴木雅光(すずき・まさみつ)
金融ジャーナリスト
JOYnt代表。岡三証券、公社債新聞社、金融データシステムを経て独立し(有)JOYnt設立し代表に。雑誌への寄稿、単行本執筆のほか、投資信託、経済マーケットを中心に幅広くプロデュース業を展開。

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