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フライングバックジャパン32
インタビュー:2019年3月16日

米国株暴落へのカウントダウン

日米ともに、年末の株価急落を受けて、いよいよ上昇相場は終わったかと思われましたが、その後は意外としぶとく、じわじわ株価を回復する展開になりました。一部では、このまま高値を更新するのではないかという楽観論も浮上していますが、実際にはどうなのでしょうか。

日米の株価、ドル円、米国金利を中心にして、これからの相場動向を、若林栄四氏に伺いました。

今年米国株は高値更新するほど力がない

――

NYダウは昨年12月24日に2万1792ドルまで下落した後、徐々に回復基調にあります。株価は当面、安泰と見て良いでしょうか。

若林

現状、米国株を買っているのは自社株買いばかりで、本当のインベスターは動いていません。昨年、トランプ減税のお陰でキャッシュリッチになった富裕層は多く、使い道のない資金で自社株買いをやりました。株価は上昇し、自己資本が減ったことからROEが上昇するというコスメティックを施しました。

すでに生涯をかけて使い切れないほどの資産を持っている連中が、株価操作のようなことをやって自分の会社の株価を引き上げ、悦に浸っている様は、強欲資本主義そのものです。現代資本主義は、強欲資本主義の崩壊とともに終わるのではないでしょうか。

若林栄四
若林

株式に投資している連中のなかには、株価は需給でのみ決まるなどと思っているのがいます。でも、決してそのようなことはない。昨年、米国では1兆ドルもの自社株買いが行われましたが、第4四半期に株価は急落しました。株価と需給関係の間には、何の関数もないことを物語っています。

私は、今の米国株は売りだと考えています。ナスダックは昨年の8月31日、S&P500は昨年9月21日、そしてNYダウは昨年10月3日に、それぞれ高値をつけました。ここが天井でしょう。あとはどういう軌跡を描いて下落するかです。

また、今年に入って若干、戻す動きが見られるため、株式市場関係者の間では、全体の50%が新高値を更新するなどと言っていますが、それはないと思います。昨年12月24日にかけて大きく下げたNYダウは、2月25日に2万6091ドルまで戻しましたが、今年はここが天井です。これから4月、5月にかけて、値下がりすると見ています。

 

――

下落に転じるとおっしゃる根拠は何ですか。

若林

日柄です。超長期で米国株の値動きを見ると、世界大恐慌の大底が1932年7月でした。そして米国株は1960年代の後半から1970年代を通じて14年間、ずっと600ドルから1000ドルの間を行ったり来たりという大持ち合い相場が続きましたが、1932年7月から丸50年後の1982年7月に苦しい時期を脱し、本格的な上昇局面へと移ったのです。

ちなみに50という数字は、黄金分割の最重要数字のひとつです。1982年7月にNYダウは770ドルで底を打ち、2000年には1万1750ドルまで上昇しました。まさに大暴騰の起点が、1982年8月だったのです。

そして、この1982年8月から36.5年が経過すると、2019年2月になります。36.5も黄金分割の重要数字です。なので、2月が天井と考えるのは、日柄的に十分可能性があると考えられます。

チャートを見ても、昨年1月、昨年10月、そして今年2月にそれぞれ高値を付けてきたので、三尊天井を形成しています。つまり米国の株価上昇はすでに終わっていると考えるのが妥当なのです。

 

ドル円相場は1ドル90円まで進む

――

米国の株価が下落に転じれば、リスクオフのムードが広まり、ドル/円も円高になるということでしょうか。

若林

そうです。米国の長期金利は昨年10月に3.2%をつけましたが、それがピークで、今は2.5%台まで低下しています。米国の長期金利が明らかに低下しており、米国の景気拡大局面が終わりつつあることを示唆しています。加えて米国の株価が本格的な下落に転じたら、米ドルを買う理由がありません。

現在、ドル/円は次の大きな値動きへと向かうエネルギーを貯めているところです。黄金分割の重要数字をベースにしてチャートを見ると、62カ月と31カ月の移動平均線が110円から111円、62週と31週の移動平均線も110円から111円のところにいます。このように移動平均線が収斂している時は、いずれ円高、円安のいずれかに大きく動きます。次に大きな動きが出ると、恐らくドル/円は20円幅で動くでしょう。1ドル=110円前後の水準だとしたら、1ドル=130円か1ドル=90円のいずれかになるということです。

では、どちらになる可能性が高いのかと考えると、明らかに1ドル=90円でしょう。今から1ドル=130円になる材料はどこにもないからです。米国の景気が後退局面に入れば、金利は低下し、株価も下げます。このような状況下で、米ドルだけが買われるなどということが、起こるはずもありません。米ドルは明らかに売りです。

日柄を見ると、2015年6月に125円86銭というドルの高値がありましたが、そこからの50カ月、それも黄金分割における50カ月で見た場合、一般の1カ月=30.421日ではなく、1カ月=28日で計算しますから、50カ月は46.15カ月になります。2015年6月というドルの高値を付けたところから46か月目は今年の4月です。そこで流れが変わる可能性があります。

あと、1971年8月16日のニクソンショックから、黄金分割の重要数字である47.75年で見ると、今年の5月になります。このように、4、5月に重要な日柄がありますから、壮烈な円高になると思われます。また、為替だけでなく金利、株価なども、長期的に見て大きな転換点になる可能性が高いでしょう。

 

日本株の底は2023年

――

米国金利はいよいよ低下局面入りですか。

若林

米国の長期金利は、2012年7月24日に1.38%まで低下しました。そこからの27四半期、つまり6年と9カ月ですが、この日柄もいろいろなことが大きく変わる時間帯です。 では2012年7月からの6年と9カ月目は2019年4月です。したがって4月の真ん中か終わり頃に、金利が大きく変わる時間帯に入ってきます。

すべてについてそうですが、やはり5月前後はいろいろなところで、流れが大きく変わるというのが、今の私の考えです。それだけに、4月後半から5月にかけての10連休は、非常に喜ばしい国民行事ではあるけれども、マーケットという観点からすれば、大きな波乱が生じてもおかしくない、ということになります。

 

――

そうなると、日本株にとっても波乱含みの展開になることが想像できます。どのようにご覧になりますか。

若林

米国の長期金利が明確に下がり始めるのが4月の後半あたり。当然、何もないのに金利が低下するはずもありませんから、やはり米国の景気にとって非常にネガティブな材料が出てくるのだと思います。それは景気の落ち込みに他なりません。

それと同時に為替の日柄を見ると、ドル円は2021年の初めまで下げ続け、1ドル=90円前後の円高が示現します。110円切ると、ますます円高局面が明確になるでしょう。それは前述したように、ニクソンショックからの大きな日柄が来ているからであり、その影響は日本株にも及びます。

まず、米国の株価はこのままで済まないでしょう。いつ大きな下げに見舞われても、何の不思議もありません。前述したように、米国企業は自社株買いを積極的に行い、自己資本を減らしてきました。このような状態で、もし何か大きなショックが来たら、持ち堪えられない企業がたくさん出てくると思います。なかには借金をしてまで自社株買いを行った企業もあっただけに、懸念されるところです。お金を借りたくても借りられない、クレジットスクイーズが起こる恐れもあります。

若林

日本の場合、平成30年間の大半が、景気後退、デフレでした。もちろん米国経済は果敢ですから、経済が混乱した後、回復するのにそこまで時間がかかることはないと思われますが、景気が底を打つのは、2027年くらいと考えています。もちろん、株価はそれに先行しますから、2023年くらいには底を打つでしょう。

とはいえ、底は深いと思われます。企業の本当の価値は解散価値に現れますが、日本の株価は解散価値に対して1.3倍程度。これに対して米国は3.3倍です。正味の価値に対して、今の米国の株価は3.3倍まで買われているのですから、それが剥落した時の下げ方は、かなり大きなものになるでしょう。対して日本株は、1.3倍までしか買われていませんから、下げるのは下げますが、壊滅的な暴落には至らずに済むと思います。

若林栄四
――

ありがとうございました。



若林栄四氏プロフィール

若林栄四  わかばやし・えいし

ワカバヤシ エフエックス アソシエイツ代表

1966年東京銀行(現、三菱東京UFJ銀行)入行。シンガポール支店、本店為替資金部及びニューヨーク支店次長を経て勧角証券(アメリカ)執行副社長を歴任。現在、ニューヨークを拠点として、ファイナンシャル・コンサルタントとして活躍する傍ら、日本では株式会社ワカヤバシ エフエックス アソシエイツ(本邦法人)の代表取締役を務める。
著書:
『世界経済の破断界 世界に吹き荒れる後退とデフレの真実』(ビジネス社/2015年10月)
『黄金の相場予測2016 覚醒する大円高』(日本実業出版社/2016年2月)
・最新刊 『黄金の相場予測2017 ヘリコプターマネー』(日本実業出版社/2017年3月)、好評発売中。

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