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フライングバックジャパン30
公開日:2018年06月18日

中間選挙に全勢力を傾けるトランプ大統領

5か月後に中間選挙を控えている米国。米朝首脳会談はつつがなく終わったものの、気になるのは、トランプ大統領の身勝手な行動で、先進国の間がギクシャクし始めたこと。それを露呈したのが、カナダで行われたG7です。果たして、トランプ大統領は中間選挙で勝てるのでしょうか。また、マーケットはどう動くのでしょうか。ちょうど帰国した若林栄四氏に、米国におけるトランプ大統領の評判を始め、今後のマーケット動向について伺いました。

トランプは勝てるのか?

――

今年11月に米国で中間選挙が行われます。トランプは勝てるでしょうか。

若林

トランプの支持率が40%まで戻ってきたのは、それなりに彼のことを評価する人がいるということですが、一方でますます嫌いだという人も結構いるわけで、結果は開票してみないことには分からないのが現状です。

ただ、普通に行けば、今回の中間選挙はトランプが負けます。というのも、過去においてどれだけ圧勝して大統領に就任した人でも、最初の中間選挙は負けるのがセオリーだからです。

なので、中間選挙に負けたところで、それはどうってことはないのですが、まあトランプの性格からすれば、何が何でも勝ちたいと思っているかもしれませんね。

今回は435の下院全議席と、上院35議席が改選されます。上院の改選議席数は、共和党が10議席で、民主党が25議席ですから、これはどうみても民主党が苦しい。

若林栄四
若林

そうなると、全議席を改選する下院で、民主党が一矢報えるかどうかですが、下院は今、共和党が239議席、民主党が194議席なので、民主党が23議席を新たに獲得すれば、状況はひっくり返ります。

そのためにも民主党としては、アンチトランプを何とか動員したいところですが、大体において中間選挙は、行く人が少ない。そうなると民主党不利ですが、今回はトランプ嫌いが投票に行く可能性も残されています。

今回の中間選挙では、トランプの女性蔑視ともいうべき諸々の発言に耐えられないという女性が増えているので、民主党が女性候補者をうまく立てられれば、民主党に女性票が集まり、少なくとも下院では勝てる、というシナリオも考えられます。

――

カナダで開催されたG7サミットは、大混乱のうちに閉幕になりました。この影響をどう見ていますか。

若林

カナダで開催されたG7サミットにおいて、トランプは一旦、発表された合意文書への承認を撤回し、大混乱のうちに終わりました。正直、1975年から続けてきた戦後秩序が、トランプによって崩壊しようとしているかに見えます。これが非常に怖い。

今は、景気も好調で株価も順調に値上がりしている米国ですが、いつまでも続くとは限らない。ダメになった時、果たして誰が米国に救いの手を差し伸べてくれるでしょうか。恐らく、メルケルは助けないでしょう。人への善意がない人は、人からの善意ももらえないものです。

確かに、トランプは減税策を通し、海外移民の制限もそこそこ実施した。中流白人が満足できる程度の政策は実行したわけですが、国際関係はグチャグチャです。G7が崩壊直前になったのもそうですし、パリ協定からも脱退しました。今、関税問題で他の国々と揉めている最中ですが、あまり厳しくこの問題を押し通そうとすると、それこそ米国は完全に国際舞台で孤立することになります。この点は、大いに懸念するべきだと思います。

 

米国長期金利のピークが株価の天井、今回は?

――

政治の混乱とは裏腹に、米国の株価は堅調に推移しています。まだ上昇余地はあるのでしょうか。

若林

ナスダックが新高値を付けてきました。3月13日に7637ポイントをつけたのですが、それを上に抜けてきました。6月中に8200ポイントくらいまで上昇すると、チャート的には綺麗になります。

今、アップルが時価総額を1兆ドルにすると言っている。現在の時価総額が9500億ドルですから、あとわずかです。これは、恐らく達成するのだと思います。そして、アップルの時価総額1兆ドル乗せが、この上昇相場の最後として相応しい。そして、それを機に米国のハイテク関連株は下降トレンドに入っていくでしょう。下降トレンド入りの引き金は、アップルの時価総額1兆ドル乗せ。ここは注意して見ておきたいところです。

あとニューヨーク・ダウですが、こちらは今年1月に2万6616ドルという高値を付けた後、若干調整しており、現在の水準が2万5300ドル近辺。今月中にどこまで行けるかということですが、恐らく1月に付けた2万6616ドルは狙ってくると思います。でも、そこでダブルトップが形成され、下降トレンドに入ると思います。

 

NYダウ半年足(2018年5月22日現在)

――

FFレートが6月のFOMCで引き上げられました。今後の米国金利動向はどうなりますか。

若林

今回の利上げは、事前に言われていたように0.25%でした。恐らく、年内あと1回、0.25%の引き上げが行われるかどうかというところでしょう。

2001年1月の米10年国債利回りが6.82%でした。ちょうどITバブルピークの時ですね。次のピークが2007年6月で5.32%。この2つの頂点を結ぶ形でラインを引いていくと、5月18日につけた3.126%が、ちょうどこのラインに当たります。

これが何を示しているのか、ということですが、2001年1月、2007年6月とも、長期金利がピークを付けたところが、株価の天井近辺でもあるのです。

また、過去において失業率が4.5%以下になったのは、2000年3月の3.8%と、2007年3月の4.4%でした。いずれも株価は天井圏で、そこから大暴落しました。結果、失業率は2003年に6%台、2009年には10%台まで跳ね上がりました。

米国の景気サイクルで見ても、景気拡大は107カ月に達しました。史上2番目の長さです。いつ、この景気が終わってもおかしくないところに入ってきたと考えるのが妥当ではないでしょうか。最終的に、金利が大底を付けるのは、2022年3月だと見ています。

 

米国10年債利回り(2018年5月22日現在)

ドル円は円高、ユーロドルはユーロ高

――

ドル円はどうでしょうか。

若林

110~111円はしんどいのではないかと見ています。今の水準は黄金分割三角形の中にいるわけですが、この中にいる限り、多少の戻りがあったとしても、戻りは上辺のラインで終わりです。ここから押し戻される形になりますから、ドルの戻りは111円前後ではないかと考えるのです。

移動平均線で見ても、ドルは天井ではないかと思える事象があります。57カ月移動平均線と28.5カ月移動平均線で見ると、このデットクロスが生じた後、長期の円高になっています。ちなみに前回は2009年に110円近辺でデットクロスが生じ、そこから75円まで大きく円高が進みました。このデットクロスが先月出現したのです。これによって、ドルに関しては長期の円高トレンドが確定したのではないかと考えています。

 

ドル円月足(2018年5月24日現在)

――

ユーロドルとユーロ円についても教えて下さい。

若林

ユーロドルは2017年1月に底を打ち、2018年2月に1.2556ドルまで上昇した後、1.15ドル台まで下げています。天井は2008年7月15日に付けた1.6040ドル。この高値から3650ポイント下げた1.2390ドルは、非常に強い抵抗線で、なかなか割らなかったのですが、これを4回目で割りました。ただ、これが36.5や73の不思議なところですが、この数字に関連した動きが出ると、世の中が大きくひっくり返ります。

なので、ユーロドルはここから反転して上昇するのではないでしょうか。イタリアやギリシャ、スペインなど南欧中心に欧州の問題が浮上しているなどと言われていますが、そんなものは関係ありません。相場は、上がる時には上がります。

またユーロ円ですが、2012年に94.11円という安値を付けた後、2014年12月に149.78円という高値を付けました。で、ブレクジットによって下げたのですが、恐らく黄金分割三角形の大三角形の下限まではいくでしょう。つまり110円近辺までは下がるということです。

現状、125円が非常に強力なサポートになっていますから、これを切れば、110円が現実味を帯びてきます。2020年5~6月までは円高が続くと見ています。

――

ありがとうございました。



若林栄四氏プロフィール

若林栄四  わかばやし・えいし

ワカバヤシ エフエックス アソシエイツ代表

1966年東京銀行(現、三菱東京UFJ銀行)入行。シンガポール支店、本店為替資金部及びニューヨーク支店次長を経て勧角証券(アメリカ)執行副社長を歴任。現在、ニューヨークを拠点として、ファイナンシャル・コンサルタントとして活躍する傍ら、日本では株式会社ワカヤバシ エフエックス アソシエイツ(本邦法人)の代表取締役を務める。
著書:
『世界経済の破断界 世界に吹き荒れる後退とデフレの真実』(ビジネス社/2015年10月)
『黄金の相場予測2016 覚醒する大円高』(日本実業出版社/2016年2月)
・最新刊 『黄金の相場予測2017 ヘリコプターマネー』(日本実業出版社/2017年3月)、好評発売中。

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