野村雅道の「ID為替分析」 nomura

豪ドル「10連騰=豪ドルドル。金利上昇。通貨5位(前週6位)、株価18位(前週18位)」

2025/12/05

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(豪ドルは年間5位、株は弱い)

 豪ドルは11月を終えて年間5位、対円で5.08%高、対ドルで5.35%高。全普通株指数は年初来で5.58%高と強くはない。10年国債利回りは4.7%

(3Q・GDPは)

3Q・GDPは前年比の伸び率は2.1%と2023年半ば以来の高水準となり、RBAの成長予測の2%を上回った。企業投資と個人消費は堅調で、RBAによる追加緩和の余地は小さいことが示された。
インフレが上昇し、国内経済の勢いが増す中、RBAは難しい舵取りを迫られている。利下げは当面見送られる。インフレの芽を摘むために来週利上げに踏み切る可能性も否定できない。
中銀理事会は9日に会合を開き、政策金利を3.60%に据え置くことが確実視されている。

(10月消費者物価は予想を上回る)

10月消費者物価は前年比で3.8%上昇。予想は前年比で3.6%の上昇、9月は3.6%の上昇。インフレの加速を示唆する内容で、現在の金融緩和サイクルが終了したとの見方が強まった。
コアインフレ率の指標として注目されるトリム平均値は前年比3.3%上昇し、9月の3.2%上昇から加速した。 今回のデータは統計局が発表する初の完全な月次CPIで、従来の部分的な月次データに代わるものとなる。

(来週は政策金利)

好調な経済指標、高まるインフレ圧力で来週の政策金利はこれまでの利下げ予想から据え置き予想となっている

(RBAによる経済の限界に関する警告)

 一連の好調な経済指標、高まるインフレ圧力、そしてRBAによる経済の限界に関する警告を受け、金利見通しに関する市場の見方は劇的に変化した。スワップ市場では、2026年5月の追加利下げの可能性はわずか5%とみられている。これは、先週発表された10月のインフレ率が予想外に高かったことを受けて40%だったのに対し、現在は大幅に減少している。一方、2026年末までの利上げの可能性は30%近くにまで上昇している。ナショナル・オーストラリア銀行は、RBAが早ければ2026年前半にも利上げを議論するだろうと見ている。

(テク)豪ドルドル「10連騰」

日足、10連騰で2σ上限に沿って上昇。12月2日-3日の上昇ラインがサポート。10月1日-12月4日の下降ラインが上値抵抗。5日線、20日線上向き

(テク)豪ドル円「小刻みに上昇」

日足、今月は円も強いので小刻みに上昇。ボリバン2σ上限。12月3日-4日の上昇ラインがサポート。5日線、20日線上向き

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プロフィール

のむら・まさみち
野村雅道

個人投資家・FX湘南投資グループ代表
中京大学講師。1979年、東京大学教養学部卒。在学中は国際経済を研究しつつ野球部主将としても活躍。
法政大のエースだった元巨人の江川投手から3打数3安打した試合では敬遠を含む3四球も奪う。当時30年ぶりの4位躍進に貢献。
1979年、東京銀行(現三菱東京UFJ銀行)入行。NY支店に赴任後、伝説のディーラー・若林栄四氏の下で為替ディーラーとしてのスタートを切る。
1987年に米系銀行へ転出した後、欧州系銀行外国為替部市場部長などを経て現職
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