野村雅道の「ID為替分析」 nomura

「英予算発表(11/26)後のポンド相場など詳細」全体で税収を増やし財政バッファーを220億ポンド構築

2025/11/28

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(市場)市場は11/27までポンド高、株高、債券高(利回り低下で反応)

(格付会社)

*S&P

: 当社の見解では、特に予測期間の終わりが近づくにつれて、英国の財政再建計画にはリスクがあります。
英国政府の全体的な赤字は2028年までに縮小するはずだと予測している。

:英国の2025年秋予算で歳入増加が発表されたにもかかわらず、財政は依然として圧迫されています。この財政的圧力は、秋予算で発表された増税にもかかわらず、中期的に継続すると予想されます。英国の財政状況は脆弱であると考えられており、これは当社のソブリン信用格付けに影響を与える重要な制約となっています。

*フィッチ:英国与党労働党内の困難な政治情勢により、さらなる政策転換、あるいはより極端な場合には政策転換のリスクがある。
:英国予算における新たな税制措置は、2029年半ば頃の実施に重点を置いています。
:英国の予算は当社の赤字予測とほぼ一致しているが、実施上のリスクがある。

(与野党)

*野党・保守党=福祉支出の拡大は、働く国民から資金を奪い、党内の不満分子をなだめていると非難

*労働党政権=「公正な税制、強い公共サービス、安定した経済」を掲げ、財政の持続可能性を強調。
  全体で税収を増やし財政バッファーを220億ポンド構築。

(ポイント)

*税増収策: 企業税率の引き上げ(25%へ)、配当税率の2%ポイント引き上げ(次年度から)、資本利得税・相続税の強化、所得税閾値の凍結継続。これにより、2025-26年度の借入額は1383億ポンド(約24兆円)と見込まれ、翌年度は1121億ポンドへ減少する一方、全体で税収を増やし財政バッファーを220億ポンド構築。
支出拡大: NHS(国民保健サービス)への投資、子供貧困対策、教育・住宅支援の強化。総額で部門別資本支出を前計画比1200億ポンド以上保護。
経済予測(OBR): 2025年のGDP成長率を1.5%へ上方修正(従来1%)したが、以降は下方修正。インフレは抑制される見込み。

(他国の財政赤字 GDP比)

 まあ、気分の問題で日本より財政赤字が少なくてもちょっと増えただけで市場が反応する国も多い
 最近では「米政府閉鎖」、それぞれの国に基準、(精神的基準も含め)。日本はないが税収80兆円で国債費33兆円ならデフルトにはならない
 他国はもっと余裕があるが規律は日本より厳しい

世界の政府総債務残高(対GDP比、2024年)

 英国の債務が特に大きいわけではないが、債務は日本より英国市場の話題になる

2位 日本 236.11%
11位 米国 122.32%
13位 仏 113.15%
20位 英国 101.23%
73位 独 63.47%
105位 豪 50.72%
108位 NZ50.24%

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プロフィール

のむら・まさみち
野村雅道

個人投資家・FX湘南投資グループ代表
中京大学講師。1979年、東京大学教養学部卒。在学中は国際経済を研究しつつ野球部主将としても活躍。
法政大のエースだった元巨人の江川投手から3打数3安打した試合では敬遠を含む3四球も奪う。当時30年ぶりの4位躍進に貢献。
1979年、東京銀行(現三菱東京UFJ銀行)入行。NY支店に赴任後、伝説のディーラー・若林栄四氏の下で為替ディーラーとしてのスタートを切る。
1987年に米系銀行へ転出した後、欧州系銀行外国為替部市場部長などを経て現職
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