

年2回の恒例、アメジスト香港主催による大規模セミナーが、アークヒルズクラブにて開催されました。今回の目玉は仮想通貨。ビットコイン・クイーンの名波はるかさんによる、初心者でもわかる仮想通貨の話をはじめとして、敏腕税理士による仮想通貨の税務、そしてお馴染み、酒匂隆雄さんと川口一晃さんの掛け合いで、仮想通貨のチャート分析まで、幅広いテーマで行われました。こちらは、酒匂隆雄さんと川口一晃さんの部のまとめです。

2018年の仮想通貨をどうみますか?
コインチェック事件で仮想通貨の価格は急落しました。その後、多少は戻ってきていますが、上値は重いですね。ただ無視できないのは、昨年1年間の仮想通貨の売買高は56兆円でした。
この数字はバカにできません。何しろ、株式の売買高が年間680兆円ですから、その10分の1もの取引高があるのは、すごいことだと思います。
それだけ大きなムーブメントになってきたということだと思います。
川口さんはテクニカル分析を用いて仮想通貨の値動きを予測していらっしゃいますが、有効ですか。
私はメルマガで仮想通貨のテクニカル分析を配信していて、かれこれ1年以上、ビットコインとイーサリアムはペンタゴンチャートと一目均衡表を用いて分析しているのですが、特にペンタゴンに関しては、とても綺麗に上値抵抗線、下値支持線が見て取れます。
ちなみに現状、ビットコインに関して言えば、65万円を割り込まなければ下に行く恐れはありませんし、逆に100万円を超えてくると、ふたたびブレイクしていくのではないかと見ています。
テクニカル分析が有効かどうかに関してですが、仮想通貨の場合、ファンダメンタルズを分析しようがないので、単なる需給で動きます。

それだけ市場参加者の心理が値動きに反映されやすいので、その分、テクニカル分析の方が合っていると思います。特に取引量が多いビットコイン、イーサリアムあたりは、非常に有効ではないでしょうか。
「ふ~ん」というしかないですね。為替ディーラーからすれば、仮想通貨の値動きは荒すぎて、そのリスクに耐えられないというのが、正直な感想です。
あと、為替レートの場合、値動きには理由があります。でも、仮想通貨の場合は政治要因も経済要因も関係なく、市場参加者の思惑のみで変動しますから、トレードしにくい。
チャートを見て判断すれば良いと言われますが、やはり怖いという気持ちが先に立ちます。
仮想通貨の妙味はどこにあるのでしょうか。
上手く行けば大きく儲かるということではないでしょうか。それは昨年の暴騰で恩恵を受けた人なら、誰もがアグリーだと思います。
ただ、1回万馬券に当たったからといって、それが今後も続くと考えるのは、虫が良すぎると思います。
徐々に制度やルールが確立されつつあるとはいえ、ICOなど詐欺行為も目立ちますから、実際に取引される場合は要注意ですね。
同じ意見です。価格変動の理由が説明できないので、そこにたくさんの資金を注ぎ込むのは怖いですね。損しても良い金額でポジションを持つようにしましょう。

話の方向が一気に変わりますが、世界経済の動向について教えて下さい。
簡単に言ってしまうと、日本はまあまあ、米国は良い、欧州はダメ、という感じでしょうか。とはいえ、日本のように若い人たちが全くお金を使わない状況だと、将来がどうなるのか不安ではあります。
そうですね。日本の場合、昨年度の企業決算が非常に良かったので、今年度は発射台が高い。そのため、減益予想を出している企業もあって、全体的に景況感はまだら模様です。対して米国経済は、株価の先行きに不安材料がないわけではありませんが、まあ強い。金利も堅調に推移していますしね。
ヨーロッパはいかがですか。
イタリアの政治問題が浮上したことで、5月下旬から月末にかけて、ユーロが一気に売られ、そこから戻し始めていますが、やはりイタリアやスペインの政治問題は、両国ともユーロの中で経済規模が大きな国なので、気になります。しばらくユーロのダウントレンドは変わらないのではないでしょうか。
同じく、欧州通貨は全般的に弱いと思います。
米国経済が相対的に良いから、やはり米ドルを買いたいところです。ということは、ユーロや英ポンドは売り物が出やすいことになります。
5月の米国雇用統計は、非農業部門雇用者数が22万3000人の増加、失業率は3.8%と完全雇用状態になりました。
市場の事前予想よりも良い結果になりましたが、あまり米ドルは上がりませんでしたね。あれは、トランプ大統領が雇用統計発表当日に、「今日の朝8時半に発表される数字に注目してくれ」なんて言ったものだから、すばやくマーケットは織り込んでしまった。だから、数字が公表された後、ほとんど動きが見られなかったわけです。とはいえ、雇用統計の数字は、米国経済が好調である証拠にはなります。
最近は、雇用統計に対する為替レートの感応度が落ちてきましたね。
今年暮れから来年にかけての為替の動きはどうなるでしょうか。まずはドル円からお願いします。
FRBは利上げするでしょうから、金利の観点で見ればドルは買いです。ただ、一方で北朝鮮問題、米中通称問題など、ドルが売られるかも知れない要因もありますから、今は結論を急がず、ドルが上がりだしたらドル買い、下がり出したらドル売りというように、順張りで追いかけるのが良いかと思います。
チャートで見ると、下値は105円。ただ、そこまで下げた時、戻るまでには時間がかかると見ています。
確かに欧州通貨に対して米ドルは買われやすいのですが、リスク要因が破裂した時は円が買われます。結果的に、ドルの上値は重いのではないでしょうか。
ユーロドルはいかがでしょうか。
ユーロドル4月まで持合いが続いていましたが、それを下放れた後は物凄いスピードでユーロが売られました。恐らく、切り返して戻すには、まだまだ時間がかかるでしょう。欧州通貨は全般的に弱いので、それはユーロドルにも当てはまります。
欧州問題がいろいろ取り沙汰されている間は、ユーロを買う気になれません。ユーロは売り。
ユーロ円はどうですか。
これもユーロは売り。
ユーロと同じ欧州通貨であるポンド円の見通しを教えて下さい。
これ、4月に大変やられました。武田製薬がアイルランドの製薬大手、シャイアー社を買収するという話があったものですから、これはポンド買いだろうと思い、買ったのです。そうしたら、そこから10円も下がりました。買収金額からすれば6兆円相当のポンド買いになるのに、それでも下げたわけですから、ポンドもユーロと同じように、ダメなのではと考えています。
一目均衡表には水準論という考え方があります。それは、一番天井からの下げ幅と二番天井からの下げ幅が同じになるというもので、ポンド円のチャートを見ると、今年2月2日から3月2日までの下げ幅と、4月16日から5月29日にかけての下げ幅がほぼ同じでした。ここから先、ポンドが戻る可能性はありますが、下に行くと大きく下げることになりそうです。
最後に豪ドル円を。
原油価格が上がっているから、資源国通貨として買われる面はあると思います。ただ、僕自身は豪ドル円を面白いと思っていないので、これについて詳しくコメントする立場にはありません。
テクニカルで見ると、まだしばらく上値は重そうですね。
最後に、投資するならどのような通貨が好いとお考えでしょうか。
分析しやすい通貨です。分析しにくい通貨には投資をしない。私の場合、やはりドル円を長く見ているので、ドル円一番良い通貨、ということになりますね。
今は特にこれといったものは決めずにトレードします。分からない相場なので、決め打ちはいっさいせず、動きそうなものに順張りで付いていく。そしてレバレッジは低めにすることを心がけています。
ありがとうございました。

セミナーの主催者であるアメジスト香港様のご協力により、第一部と第四部の動画をご提供いただきました。
第一部(講師:名波はるかさん)
第四部(講師:川口一晃氏×酒匂隆雄氏)
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