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経済ジャーナリスト鈴木雅光の「奔放自在」 vol.49
公開日:2022年6月23日

インフレに強い資産を買った方がいいのか

最近、新聞などを見るとインフレと金利上昇に関する記事が目に入ります。

2022年4月の消費者物価指数(総合)の上昇率は、前年同月比で2.5%となりました。前月である3月の上昇率が1.2%だったので、まさに急上昇の感があります。

原因はさまざまでしょう。ウクライナ情勢の悪化を受けた資源・エネルギー価格の高騰、食料品価格の上昇、さらには2021年3月の携帯電話料金引き下げによる影響が剥落したことなどが考えられます。円安による影響も無視できないでしょう。

ちなみに4月の企業物価指数は前年同月比で10%の上昇となりました。企業物価指数とは、企業間で取引されているモノの価格を示す物価指数です。企業物価指数が10%の上昇率である一方、消費者物価指数が上昇したとはいえ2.5%の上昇率にとどまっているのは、ひとえに企業が製品・サービスの価格に物価上昇分を転嫁できず、利益を削っていることを意味します。

このようにインフレに対する世間の注目度が高まると、往々にしてマスコミは「インフレに強い資産はこれだ」とか、「インフレに負けない投資をしよう」などと囃し立て、金(GOLD)や不動産、コモディティの先物取引、物価連動債券といった投資商品を勧めようとします。「ああ、金を買わなければ」と思っている人もいるのではないでしょうか。

そういう時は、少し冷静になりましょう。金やそれ以外のコモディティ、不動産、物価連動債券などは、インフレに強い仕組みを持っていると言われますが、逆にインフレが鎮静化したら、これらの価格は逆に値下がりすることも十分に考えられます。

たとえばウクライナ情勢がどこかで終息すれば、少なくともウクライナ情勢に起因した物価上昇要因は無くなります。

また国内物価に関していえば、携帯電話料金引き下げによる影響が剥落した点に関しては、今年度限りの物価上昇要因です。来年度になれば、これも落ち着きを取り戻すでしょう。

懸念されるのは世界的な量的金融緩和の影響ですが、すでに米国のFRBが先行して金融引き締めに転じているように、他の国も徐々にですが、金融引き締めに転じつつあります。イギリス、ユーロ圏、韓国、ニュージーランド、カナダなども金融引き締めに転じ始めています。

金融引き締めによって世界的に過剰流動性が回収されれば、これまでリスク資産に向かっていた資金の流れが細り、株価の下落につながる恐れはあります。

ただ、長い目で見て世界経済が今後も成長するという楽観的な見方が出来るのであれば、安くなったところの株価は買いです。

物価高について唯一の懸念材料は、日本においては円安です。日銀が金融引き締めに転じられないとしたら、内外金利差の拡大によって円が売られる可能性が高まります。

1ドル=200円、あるいは300円まで行くかどうかは何とも言えませんが、円安になったら、海外から輸入している資源・エネルギー、原材料、食糧の円建て価格が上昇します。あとは企業が、それらを用いて製品・サービスを提供する際に、どこまで価格転嫁するかにもよりますが、恐らく国内物価は上昇するでしょう。

とはいえ、円安が一方的に悪いということもなく、好材料になる面もあります。たとえば円安が進めば、「安い日本」に魅力を感じた外国人が日本に押し寄せてくる可能性があります。観光業界にとって大いにプラスです。また輸出企業の業績にとっても、ポジティブな材料になります。財務大臣が4月15日の記者会見で「悪い円安」であることを認めましたが、悪い側面ばかりではありません。

こうしたことを考えていくと、今がインフレだから金を買えとか、物価連動債券を買えといった話には、乗らない方が無難です。「インフレの時に有利」と思われる投資対象を買うのではなく、淡々と株式に投資し続けておけば良いのです。

最終的にどの株式を買えば良いのかと言う話になると思いますが、銘柄を選ぶのが面倒なら、S&P500など米国の株式市場全体に投資するインデックスファンドで十分です。

また日本の個別企業なら、グローバルで高いシェアを握っており、他社の追随を許さないだけの競争優位を持っている企業に投資すれば良いでしょう。この手の企業は、人間がこの地球上で生活している限り、淡々と売上を作り、利益を上げ続けていきます。それはインフレが起ころうと起こるまいと関係ありません。

目先のインフレネタに踊らされ、こっちを解約してあっちに乗り換えるといったような投資をするのが、最も非効率な結果を招くのです。



金融ジャーナリスト
鈴木雅光(すずき・まさみつ)

JOYnt代表。岡三証券、公社債新聞社、金融データシステムを経て独立し(有)JOYnt設立し代表に。雑誌への寄稿、単行本執筆のほか、投資信託、経済マーケットを中心に幅広くプロデュース業を展開。

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