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経済ジャーナリスト鈴木雅光の「奔放自在」 vol.38
公開日:2021年12月10日

本当に6000本もあるの?

つみたてNISAやiDeCo(個人型確定拠出年金)で注目されている投資信託ですが、日本国内で設定・運用されているファンドの規模をご存じでしょうか。

公募型といって、証券会社や銀行などの販売金融機関の窓口で誰でも購入できる投資信託の総本数が、9月末現在で5914本。その純資産総額を合計した金額が160兆4088億1900万円になります。

投資信託を購入したいという個人が最も悩むのが、これだけ多数のファンドが運用されていることでしょう。「選択肢がたくさんある」と言えば聞こえが良いのですが、選択肢があまりにも多いと、人は選べなくなります。つみたてNISAの対象ファンドを金融庁が絞り込んでいるのは、この選べなくなる問題を避けたいという面もあるのでしょう。

でも、現実に目を向けると、ファンドとして存在していてもほとんど運用されていないようなファンドもたくさんあります。

というのも、現在運用されている全公募型投資信託のうち、財形株投やミリオン、DC型、SMA型といった、特定の条件のもとでしか購入できないファンドをすべて除いた4476本のうち、まともに運用されていると思われるファンドは、そのごく一部に過ぎないと考えられるからです。

それはファンドの純資産総額を見ると分かります。純資産総額別にファンドの本数を数えてみましょう。

1億円未満・・・・・・236本
1億円以上10億円未満・・・・・・1305本
10億円以上30億円未満・・・・・・1012本
30億円以上100億円未満・・・・・・969本

もちろん、もっと大きな規模のファンドもたくさんあります。上場投資信託(ETF)などは非常に純資産総額の規模が大きく、最も大きいのは大和アセットマネジメントが設定・運用している「上場投資信託―トピックス」の7兆7728億円です。また上場投資信託を除いて最も純資産総額の規模が大きいのは、アライアンス・バーンスタインが設定・運用している「米国成長株投信Dコース毎月決算型(為替ヘッジ無し)予想分配金提示型」の1兆2757億円です。

このように兆円規模の公募型投資信託もあるのですが、それはごくわずかな本数であり、4476本のうち3522本は100億円未満なのです。

特に問題になるのが純資産総額30億円未満のファンドです。全部で2553本が30億円未満です。

なぜ問題なのかというと、純資産総額で30億円に満たないファンドは、運用によって得られる運用管理費用(信託報酬)から、ファンドの運用・管理に必要な各種経費を差し引くと、赤字になる恐れがあるからです。

「純資産総額30億円未満のファンドは赤字」というのは、もう大分昔の話になりますが、今の財務省が大蔵省だった時代に、同省の官僚が証券業界の人たちを前にした講演の場で、「日本株アクティブファンドの場合、純資産総額が30億円に満たないと赤字になる」という話をしてから、その目安が業界内に広がったという話があります。当時はまだ運用管理費用が年2%、ファンドによっては年3%くらいに設定されていたので、今よりもかなりコスト面で割高でした。それでも30億円未満で赤字ということは、昨今のようにコスト引き下げ競争が激しい時代においては、さらに損益分岐点のハードルが厳しくなっているかも知れません。

投資信託会社は営利企業なので、赤字のファンドに対して必要以上に運用努力をするとも思えませんし、ましてや10億円にも満たないファンドになると、運用しているのかどうかも疑問です。

もちろん、設定されたばかりのファンドで規模が小さく、これから50億円、100億円、1000億円というように増えていく可能性のあるファンドならともかく、1億円未満のファンドの運用年数を見ると、すでに5年以上経過しているようなものも少なくありません。設定から5年以上が経過しているにも関わらず、純資産総額が1億円に満たないファンドは、もはや運用する気がないと考えても良いでしょう。

採算に乗らないようなファンドが存在していること自体が無駄ですし、いずれ「併合」といって、小規模ファンド同士をまとめて運用するようになる可能性もあるのですが、現状、どの投資信託会社も投信併合を積極的に行おうという動きは見えてきません。当然、併合させるにしても、投資対象や運用方針が似ているもの同士を併合させる必要があるので、その見極めなど実務作業に手間取っているものと思われます。

したがっていずれは徐々にこの手の小規模ファンドは無くなっていくと思われますが、現状、まだ残っている限り、満足のいく運用サービスが受けられない恐れがあるので、純資産総額の規模が小さいファンドには手を出さない方が無難です。



金融ジャーナリスト
鈴木雅光(すずき・まさみつ)

JOYnt代表。岡三証券、公社債新聞社、金融データシステムを経て独立し(有)JOYnt設立し代表に。雑誌への寄稿、単行本執筆のほか、投資信託、経済マーケットを中心に幅広くプロデュース業を展開。

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