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経済ジャーナリスト鈴木雅光の「奔放自在」 vol.34
公開日:2021年9月24日

「パッシブ運用=インデックス運用」は正しい?

以前、このコラムで「アクティブ運用とパッシブ運用」という題のお話をさせてもらいました。ここ数年の傾向として、インデックスファンドの新規設定が急増しており、「アクティブ運用とパッシブ運用のどちらを選べば良いのか」という点で悩んでいる個人の方も少なくないようです。

アクティブ運用とパッシブ運用のどちらが良いのかについては、基本的には国の経済成長度合いによる部分が大きいと考えられます。それは前のコラムでも説明しましたので、知りたい方はそちらをご一読下さい。

ところで「アクティブ運用とパッシブ運用のどちらが良いのか」論争が行われているなかで、ちょっと気になることがあります。それは、パッシブ運用とインデックス運用の違いについて、あまり理解していない人が多いようだということです。

恐らく、「パッシブ運用=インデックス運用」と思っている人は少なくないのではないでしょうか。

大雑把に言えば、「パッシブ運用=インデックス運用」と考えてもそれほど問題はないのですが、より厳密に言えば、「パッシブ運用≠インデックス運用」ということになりますし、インデックスファンドで資産を運用しようと考えている人は、やはりパッシブ運用とインデックス運用の違いを整理しておいた方が良いかと思われます。

まず、言葉の意味を考えてみましょう。

パッシブ運用

パッシブは「受動的」という意味です。何かの値動きに対して受動的、つまり連動したリターンの実現を目標にしているのが、パッシブ運用です。

これに対してインデックス運用は、日経平均株価や東証株価指数(TOPIX)、あるいはS&P500、NASDAQ100といった国内外の株価動向を示したインデックス(指標)に連動したリターンを目指す運用のことです。

パッシブ運用とインデックス運用で、何が違うのか分かりますか。

どちらも共通するのは、リターンを連動させる何かが存在するということです。この運用成績の連動目標のことを「ベンチマーク」と言います。インデックス運用の場合は、日経平均株価やTOPIXなど国内外の指標をベンチマークにしており、それに連動するポートフォリオを構築して運用することから、インデックス運用といいます。

長いこと日本国内で行われてきたパッシブ運用は、大半がこうした株式市場の指標を連動目標とするものでした。そのため、誰もが「パッシブ運用=インデックス運用」と信じて疑わなくなったのです。 ただ、やはり厳密に考えていくと、「パッシブ運用=インデックス運用」という考え方では具合が悪くなるケースが増えてきました。

日本はともかくとして、米国のETF市場に上場されているETFを見て下さい。一部の事例ですが、「ビッグデータ・インデックス」、「米国総合浮動調整インデックス」、「サイバーセキュリティ・インデックス」、「グローバル・グリーンテック・インデックス」、「航空宇宙・防衛・ディフェンス・インデックス」、「ビデオゲーム・アンド・Eスポーツ・インデックス」など、恐らく見たことも聞いたこともないような、非常にユニークなインデックスをベンチマークとするタイプのETFがたくさん上場されています。

ただ、これらを「インデックス」と称するのが、果たしてどこまで正しいのかという問題があります。

経済ジャーナリスト鈴木雅光の「奔放自在」 vol.34

たとえばNASDAQ100というインデックスは、米国のNASDAQ市場に上場されている株式の株価動向を全体的に把握するためのものです。日経平均株価や東証株価指数も同じです。このように、特定国の株式市場全体の価格動向を把握するためのものであれば、インデックス(指標)を名乗るのはもちろん良いと思います。

でも、「ビッグデータ・インデックス」や「サイバーセキュリティ・インデックス」、「グローバル・グリーンテック・インデックス」などは、確かにインデックスという名称はついているものの、果たしてこれらが株式市場全体の値動きを示したものかどうかという点は、はなはだ疑問です。特定のセクター、特定のテーマの値動きは示せると思いますが、株式市場全体の値動きを示すことは出来ないのが、正直なところでしょう。

そうである以上、こうした特定のセクター、特定のテーマを連動目標とするベンチマークとした運用を「インデックス運用」と称するのは、ある種の誤解を招きかねません。

確かに特定のセクターやテーマに関連したインデックスを作成し、それをベンチマークとして運用成績を連動させますから、パッシブ運用であるのは間違いのですが、そのベンチマークがマーケット全体の方向性を示すものではないのであれば、「インデックス運用」ではなく「パッシブ運用」と言うべきでしょう。



金融ジャーナリスト
鈴木雅光(すずき・まさみつ)

JOYnt代表。岡三証券、公社債新聞社、金融データシステムを経て独立し(有)JOYnt設立し代表に。雑誌への寄稿、単行本執筆のほか、投資信託、経済マーケットを中心に幅広くプロデュース業を展開。

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