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経済ジャーナリスト鈴木雅光の「奔放自在」 vol.32
公開日:2021年8月05日

「優秀な運用者」の本当の意味をご存じですか?~

人から預かった資金の運用を生業にしている人たちがいます。

投資顧問会社、投資信託会社、年金基金、ヘッジファンドなど、いわゆる「ファンド筋」などと称されている人たちですが、運用を託す以上は誰もがこう思うに違いありません。

「たくさんお金を殖やして欲しい」。

そのように考えている多くの人たちにとって、優秀な運用者とは「良い運用成績を出してくれる運用者」ということになるのだと思います。

では、そういう優秀な運用者を選ぶことは可能なのでしょうか。

この問いかけに対する答えは、「それが分かったら誰もが大金持ちになれる」ということで十二分に説明がつくかと思います。つまり、ほぼ不可能ということです。

それに、相場環境に関係なく高いリターンを上げられるような優れた運用者ならば、人から預かったお金を運用して、そこからいくばくかの手数料を取るよりも、自分の資産を自ら運用して増やした方が合理的です。

投資信託を事例に挙げてみましょう。

   

「優秀な運用者」の本当の意味をご存じですか?~

前回、アクティブ運用とパッシブ運用について説明しました。パッシブ運用とは、日経225平均株価など株価インデックスに対して、ほぼ連動した運用成績を目指してポートフォリオを組んで行われる運用のことです。パッシブ運用のファンドは、運用会社が違ったとしても、連動目標とするインデックスが同じであれば、運用成績に大差はありません。

もちろん、いかに運用コストを下げつつ、連動目標であるインデックスに近づけた運用成績を維持するかというところに、各運用会社のノウハウが注ぎ込まれるわけですが、ノウハウの差はそれほど大きなものではありません。それはパッシブ型ファンドの運用成績を見れば分かります。運用会社が違ったとしても、運用成績の差はごくわずかです。

この点、運用成績に大きな差が生じるのはアクティブ運用のファンドです。これは運用会社の調査能力やトレード技術、何よりもファンドマネジャーの運用能力によって、運用成績に大きな差が生じてきます。同じ資産クラスに投資するファンドでも、運用会社や運用者によって、一定期間中における運用成績が違ってくるのです

だからこそ、多くの人は「優秀な運用者にお金を運用してもらいたい」と考えるのですが、この「優秀な運用者」という点について、運用会社と、実際に投資信託を購入する個人の間で、認識に大きなギャップがあるのです。

「優秀な運用者」の本当の意味をご存じですか?~

まず、お金の運用を託す人たちにとっての「優秀な運用者」とは、どのようなマーケット環境でも常に高いリターンを上げてくれる運用者というイメージだと思います。株価が下げたとしても、銘柄選択能力の高さでプラスのリターンを維持してくれるという感じでしょうか。

でも、実際にはそのような運用者はいません。たまたま何かの弾みで、株価が下落している中でもプラスのリターンを維持できることはありますが、それは本当にたまたまです。投資先であるマーケットが下落すれば、どの運用会社の、どの運用者が運用しているファンドであったとしても、ほぼすべて値下がりします。

だから運用会社では、所属する運用者を評価する際には、絶対評価ではなく相対評価という評価軸を用いるのです。

絶対評価とは、前述したようにマーケットの情勢に関係なく常に一定のリターンを上げ続けているかどうかで評価することですが、この手の評価はごくごく少数の、恐らく個人ではなかなか投資できないヘッジファンドの世界で行われている評価方法です。

これに対して、投資信託など大半の運用商品の運用者については、相対評価が適用されます。

これは、各ファンドでベンチマークを設定し、一定期間中の運用成績がベンチマークを上回ったかどうかで評価するものです。

たとえば日本の株式市場に投資するファンドの場合、東証株価指数をベンチマークにするケースが多く見られます。つまり、一定期間の運用成績が東証株価指数を上回っているかどうかで評価するのです。

具体的にいうと、東証株価指数が10%上昇した時、ファンドの運用成績が10%超であることが最低条件で、そこからどの程度、ベンチマークをオーバーパフォームできたかで、優秀な運用者かどうかが決められるのです。

逆に、東証株価指数が10%マイナスだった時でも、ファンドの運用成績のマイナスが10%未満であれば、そのファンドの運用成績には合格点が与えられ、マイナスが10%よりも小さければ小さいほど、優秀な運用が行われたとみなされます。つまり運用成績がマイナスでも評価されるのです。

優秀な運用者とは、絶えず一定のリターンを上げられるかどうかではなく、投資先のマーケットに勝てたかどうかで評価されるのです。投資信託などを購入する際は、この点をしっかり理解しておいて下さい。



金融ジャーナリスト
鈴木雅光(すずき・まさみつ)

JOYnt代表。岡三証券、公社債新聞社、金融データシステムを経て独立し(有)JOYnt設立し代表に。雑誌への寄稿、単行本執筆のほか、投資信託、経済マーケットを中心に幅広くプロデュース業を展開。

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