HOME > 投資・株・FX > 資金流出が続く投資信託は買うな| 鈴木雅光の「奔放自在」
バックナンバー
経済ジャーナリスト鈴木雅光の「奔放自在」 vol.19
公開日:2020年10月22日

資金流出が続く投資信託は買うな

つみたてNISAやiDeCoの登場で投資信託に対する関心が高まっている。

しかし、実際に投資信託を買おうとしたとき、まず悩むのが「どのファンドを買えばいいのか」ということだ。何しろ、日本国内で設定・運用されている投資信託の本数は、2020年9月時点で5903本もある。

しかも投資信託は、何に投資しているのかによって個別ファンドのリスク・リターンが大きく変わってくる。

今はゼロ金利の影響でほとんど機能していないのも同然だが、たとえば短期債券や短期金融商品だけでポートフォリオを組めば、MRFやMMFのように元本の安全性が非常に高い、預貯金に近い性質のファンドを組成できるし、エマージング国や、それよりもさらに若いフロンティアマーケットの株式に投資すれば、政情不安や急激なインフレ、金融・通貨不安などによって投資元本を大きく棄損するリスクはあるものの、将来的に大きな値上がり益が期待できる、ハイリスク・ハイリターン型のファンドも組成できる。

そういうさまざまなリスク・リターンのプロファイルを持ったファンドが5903本もあるのだから、選ぶのに迷うなという方が無理というものだろう。そもそも初めて投資信託を購入しようというレベルの人が、ファンドマネジャーの運用能力や運用哲学、あるいはリスク管理能力を直接、問う機会はないし、恐らく聞けたところでその情報を咀嚼して、自分の投資判断に役立てるなどということは、ほぼ不可能といっても良い。

そこで投資信託を選ぶときには、消去法でアプローチすることをお勧めする。「こういうファンドはダメ」、「こういうファンドは買わないほうが良い」という選別基準に沿って、どんどん候補から外していけば、案外、買ってもよい投資信託の本数は非常に少なくなる。

しかも、その選別基準は非常にシンプルだ。注目するポイントは現在の純資産総額と資金の流出入状況だけでよい。この2点が基準を満たないファンドは、運用のサスティナビリティ(持続可能性)という点について疑義が生じるからだ。

純資産総額は、ファンドの組入資産の時価総額のことだ。ファンドの規模を示すもので、これが少ないとファンドの運用が困難になり、償還されてしまうリスクが生じてくる。ファンドの規模が小さいと、運用リスクをマネージするための分散投資がしにくくなるし、そのファンドから投資信託会社が得る収益も少なくなる。
投資信託会社が受益者から受け取る収益は「運用管理報酬(信託報酬)」というが、これは純資産総額に一定の率をかけたものになるので、当然、純資産総額が少ないファンドほど、投資信託会社にもたらされる収益は少なくなる。投資信託会社もボランティアで運用をしているわけではないので、この手の規模が小さいファンドの運用は、おざなりになってしまう傾向がある。つまり良い運用が期待しにくくなる。できれば純資産総額は100億円以上あるものを選びたい。

もうひとつは資金の流出入だ。多くの投資信託は運用している最中でも自由に買える一方、解約によって現金化することも自由に行える。

特に日本は、投資信託で長期投資をするというカルチャーが育ってこなかったため、ある程度値上がりすると解約してしまう投資家が増える傾向がある。

解約額が設定額を上回る状況が恒常化すると、やはり運用難に陥るリスクが高まってくる。解約による資金流出が続けば、ファンドマネジャーはファンドを通じて保有している株式や債券など運用資産を切り崩して解約資金を作らなければならない。その結果、ファンドの運用成績を向上させるための施策が打てなくなる。つまり将来、ファンドの運用成績向上につながる可能性の高い有望企業に追加投資することが、一切できなくなってしまうのだ。

したがって、資金が恒常的に流出している投資信託は買わないほうが良い、ということになる。

ちなみに資金流出入状況については、モーニングスターのサイトを見れば個別ファンドで把握することができる。自分で購入したいファンドがある程度見当ついたら、モーニングスターのサイトを見て、資金流出入状況をチェックするとよいだろう。

恐らく、純資産総額で100億円未満のファンドをカットしたうえで、ここ数年、資金流入が続いているファンドを探すと、恐らく候補は非常に絞り込まれてくるはずだ。こうして残ったファンドの中から、運用管理報酬が年1%以下で、購入手数料がかからず、しかも世界中の株式市場に分散投資しているようなファンドを選べば、何を買うかでそれほど悩まずに済むだろう。



金融ジャーナリスト
鈴木雅光(すずき・まさみつ)

JOYnt代表。岡三証券、公社債新聞社、金融データシステムを経て独立し(有)JOYnt設立し代表に。雑誌への寄稿、単行本執筆のほか、投資信託、経済マーケットを中心に幅広くプロデュース業を展開。

  • はてなブックマーク
アンケートに答えて500円相当のビットコインをゲット!
500円相当ビットコインプレゼント
新型コロナウイルス抗体検査キット
八木橋泰仁氏最新書籍「ビットコイン大破産時代の到来」プレゼント企画
吉田恒氏著書「そうだったのか!FX大相場の真実」プレゼント企画
1000円がもらえるアメジスト香港オリジナル2021年版卓上カレンダープレゼント!
「タンク将軍の愛人米」プレゼント企画
アンケートに答えて500円相当のビットコインをゲット!
「これから始めるHSBC香港口座超入門書」2018年8月版
HSBC香港ラクラク口座開設キット
損保ジャパン日本興亜 新・海外旅行保険OFF!
CCM香港 海外法人設立Wキャンペーン
香港ポスト
マカオ新聞

▲ TOPへ戻る

スマホサイトを表示