国内外の銀行で為替ディーラーとして活躍され、その華麗な取引手腕から「貴公子」と称された酒匂隆雄さん。為替ディーラーの第一人者の顔とは別に、レーシング、海外旅行、ワイン・グルメに温泉旅行と、様々な趣味をお持ちで、人生を楽しく過ごすことに関しても一流人です。
このコンテンツでは、楽しい話題や日々の生活、たまには為替マーケットについて語っていただきます。
先日、東京都内の都道で制限速度60キロのところ、何と111キロ・オーバーの171キロで捕まり、8回の出頭要請を無視して逮捕された奴が居ると言うニュースを見た。「警察に上申書を出せば許してくれると思った。」と供述しているらしいが、警察はそんなに甘くはない！
「直線でちょっとぶっ飛ばしてみたかった。」らしいがぶっ飛ばしているところをオービスでバシャッと撮影されたらしい。パトカーや白バイだと平身低頭して謝れば多少の情状は酌量してくれる（スピード違反の数字をまけてくれる）が、オービスは駄目だ。
もう20年以上も前の話で時効になっているから話すが、筆者も一度湾岸道路で制限速度80キロの所を53キロ・オーバーの133キロでオービスに撮影されてお世話に成ったことがある。
朝の5時過ぎにゴルフに出掛ける途中で、道路はガラガラでその頃バリバリのスポーツカーの「ホンダ NSX」に乗っており、ついスピードを出し過ぎた（ぶっ飛ばすと言う程のスピードでもなかった）のだが、バシャッと赤い閃光が走り「あっ、しまった！」と思ったが時既に遅し。
たった2週間くらいで高速機動隊から呼び出しがあり、3枚の写真を見せられた。1枚は前から見た車の全体写真、1枚はナンバープレート、そして残りの1枚は筆者の顔がくっきりと写し出された写真で、見事なほど綺麗に写っていた。車の全体写真に撮影日時とスピードが白く書いてあり其処には133キロとあった。
恥ずかしながらこの前に二度ほどやはりスピード違反で捕まって免許証の持ち点が3点しか残っていなかった。50キロ以上のスピード違反は減点6点で、このままだと免許取り消しになってしまうではないか？恐る恐る、「あのう53キロ・オーバーを認めると免許取り消しになっちゃうんで49キロ以下になりませんか？」と聞くと、極めて穏やかに「残念ながらこの新しいオービスのスピード検知能力は凄くて、数字の変え様がありません。神奈川県警から呼び出しがありますからその時に申し開きをして下さい。」と言われた。
「あーあ、これで免許が無くなるな。」と覚悟した。その後2週間くらい経って神奈川県警から呼び出しがあり、呼び出しの葉書に「上申したいのなら上申書を書いて下さい。また、過去に警察に協力したことのある方は、その証拠となる物を持参して下さい。」とあった。（今回のご仁は何かでこれを知って、上申書を書けば放免されるとでも思ったのかな？）
ありますよ、警察に協力したことは！
長くなるので話を短くするが、学生時代に前科12犯の自動車窃盗犯を捕まえて北海道警察本部長から金一封と立派な感謝状を貰ったことがある。その感謝状を持参したら「ほほう、立派な物をお持ちですね。」と褒められ、本当は3点足りずに免許取り消しになるところを免許停止180日に軽減してくれた。
これは本当の話です。まだ若かりし頃の話です。
筆者の様にひたすら恭順の意を示せば相手も人の子、色々話を聞いてくれるのだろうが、
「ぶっ飛ばしてみたかった。」 「上申書を出せば許してくれると思った。」 、などと甘えていると逮捕されてしまう...
実は約1年前に同じ湾岸道路で覆面パトカーにスピード違反で捕まった。これも話が長くなるので端折るが、スピードの計測方法で大議論をした。スピード違反をしていたことは認めたが、その計測方法が正しくなかったと思ったのだ。約45分間丁寧に自分の主張をしたら納得してくれ、無罪放免してくれた。
皆さん、どうか余りぶっ飛ばさず、気を付けて運転致しましょう！！
酒匂隆雄 さこう・たかお
酒匂・エフエックス・アドバイザリー 代表
1970年に北海道大学を卒業後、国内外の主要銀行で為替ディーラーとして外国為替業務に従事。
その後1992年に、スイス・ユニオン銀行東京支店にファースト・バイス・プレジデントとして入行。
さらに1998年には、スイス銀行との合併に伴いUBS銀行となった同行の外国為替部長、東京支店長と歴任。
現在は、酒匂・エフエックス・アドバイザリーの代表、日本フォレックスクラブの名誉会員。
