
国内外の銀行で為替ディーラーとして活躍され、その華麗な取引手腕から「貴公子」と称された酒匂隆雄さん。為替ディーラーの第一人者の顔とは別に、レーシング、海外旅行、ワイン・グルメに温泉旅行と、様々な趣味をお持ちで、人生を楽しく過ごすことに関しても一流人です。このコンテンツでは、楽しい話題や日々の生活、たまには為替マーケットについて語っていただきます。
まず、真面目な為替の話。
昨晩、ドル/円相場が今年1月以来の円高となる116円台を付けた。
中国人民元切り下げ騒動に始まり、天津市の化学工場爆発、下げ止まぬ上海総合指数などから中国経済減速懸念が急速に広がり、世界同時株安が起きた結果、リスク回避(リスク・オフ・オペレーション)の動きが始まってドル/円が急落した。
何故、リスク回避が起こると円高になるのか?
メカニズムはこうである。
株価下落=投資家の保有資産価値の減少=リスク・ポジションの圧縮あるいは解消=円の買い戻し=ドル安&円高と成る。
今回の円高は1月のスイス・ショックと違って通貨の問題で起きた現象ではなく、株安と言う外部要因で起きたのでちょっと厄介である。
レベル感(随分安くなったから、そろそろ買ってもいいかな?)で慌てて買うのも危険である。
底を打ったと確信して相場が上がり出してから買っても遅くはあるまい。

さて、先週孫達を連れて千葉にある勝浦の温泉に泊まり、翌日鴨川シーワールドを訪れた。
鴨川シーワールドと言うと、イルカとシャチの水中ショーが有名であるが、たしかに感激物であった。イルカショーはどこでも見られるが、シャチを慣らして芸をさせるのは世界でここだけらしい。
シャチは肉食で魚、アザラシ、そして自分よりも大きい鯨なども襲って食べるらしく、人間などひとたまりも無いらしい。
その、ある意味獰猛な肉食のシャチを慣らしてジャンプさせたり、飼育員を乗せて泳いだりする。一番人気があるのはSummer splash.「夏のビチャビチャ」と称する水掛けショーである。
シャチがジャンプした後、わざとバッシャンと水面に落ちて観客に水を掛けるのである。
ショーの終わる頃には尾びれでバシャバシャ観客に水を掛け、子供達はきゃーきゃー、ぎゃーぎゃー大騒ぎをしている。
ショーの始まる前に「前列7段までは沢山水がかかります。水避けコートを着て、カメラや携帯電話など水がかかると困る物はしまって下さい。」と警告を受けているので、ずぶ濡れになるのは皆納得済みだ。
それでも小さな子はびっくりして泣き叫び、阿鼻叫喚の様になる。
4歳になったばかりの私の孫娘も最初は喜んで見ていたのだが、水を掛けられ、またシャチの大きさにびっくりして「シャチ、ちらい!」と言い放って凄く不機嫌になってしまった。
飼育員とシャチのスキンシップは見ているだけで微笑ましく、まるで人間の家族の様であった。
そろそろ夏休みも終わるが、子供や孫にいい所を見せたい方には、ぜひ鴨川シーワールドを訪れて水をぶっかけられることをお勧めします。


酒匂隆雄 さこう・たかお
酒匂・エフエックス・アドバイザリー 代表
1970年に北海道大学を卒業後、国内外の主要銀行で為替ディーラーとして外国為替業務に従事。その後1992年に、スイス・ユニオン銀行東京支店にファースト・バイス・プレジデントとして入行。さらに1998年には、スイス銀行との合併に伴いUBS銀行となった同行の外国為替部長、東京支店長と歴任。
現在は、酒匂・エフエックス・アドバイザリーの代表、日本フォレックスクラブの名誉会員。
